今夜も本をまくらに。

山歩きが好き、落語が好き、おいしい物が好き、中島みゆきが好き、
でもやっぱり活字がなければ生きていけない私。

闇を泳ぐ

2024年01月25日 | 「本」のひきだし

ブクログより




全盲のスイマー、木村敬一さんの自伝小説。
目の病気で何度も手術を繰り返すが、2歳で全盲となり、4歳から水泳を始める。
6歳から寮生活、中学は東京の盲学校、地元の学校では、世間が広がらないというお父さんが決断した。
高校、大学と進学し、すでに水泳選手として活躍していたが
更なる飛躍を目指して拠点をアメリカに移す。
とんとん拍子に進み、サクセスストーリーのようだが、とんでもない。
彼は目が見えないのだ。
トラブルや、事故を数え上げたらきりがないだろうが、持ち物の紛失(盗難も含め)は多々、電車のホームからの転落や、遮断機の中で電車の通過を待っていたなど、命に関わることも。
でも彼は明るい、前向きだ。
手を差し伸べてくれる周りの人たちにも恵まれている。それも彼の人徳だと思う。
生きていく上での「武器」のひとつである水泳に向き合う姿勢もまじめすぎて読んでいて苦しくなるほど。
「銀や銅のメダルをいくつとっても意味がない」オリンピックにも届かない人が聞いたら、怒りそうなことを言うが、彼にはそう言えるだけの、積み重ねてきたものがある。その自負が言わせる。納得できる。


最後にお母さんからの手紙が綴られています。
6歳から親元を離れて行った子供を思う気持ち・・・何度も言いますが彼は目が見えないのです。
母親の切ない気持ち。
もうたまりません。






今季最大の寒気到来ということで、こちらも昨日夕方から断続的に雪が降り続け、朝起きると20㎝程の積雪。
わ~久しぶりに積もった!


学校も臨時休校となり、喜ぶ。


出番だ、出番だ! 


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一日回峰行・小谷山

2024年01月23日 | 「山」のひきだし
またまた古い記録ですが、やっぱり順番に。
一日回峰行というイベントに参加してきました。昨年のことです。
イベント名の由来は、長浜市のこの地に比叡山の千日回峰行の創始者、相応和尚(そうおうかしょう)というえらいお坊様の生誕地があり、それにちなみ、山林を一日で歩くというものです。全行程8.5kmです。


集合場所と出発地、五先賢の館。


浅井家侍女の墓、このコースは小谷城址のある小谷山に歩いていきます。
小谷城址に行くのと反対側から。


民家を抜けて山に入っていくと紅葉です。






こじき坂、立志坂、克己坂、万華坂、とちょっと続く登りをいくと、小谷城址の建物跡が出てきました。










本丸跡の大広間の紅葉。思わず声が出ます。






立派な墓所は徳川家によるもの




絶景の岩場から


野面積みの大石垣。大変貴重なものだとか。


降りて帰り道に立ち寄った珀清寺の薬師如来坐像(重要文化財) ちょうど公開されていたのでした。


境内にも紅葉。


五先賢の館に戻り、抹茶とお菓子をいただいて休憩。その間にも学芸員の方による、今日の史跡の説明や質疑応答がありました。

良いお天気の中、体を鍛え、教養を身につけ、心を潤し、まことに良い一日でした。



2023年11月23日(木)曇/晴れ

一日回峰行 五先賢の館(滋賀県長浜市)

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なっちゃんの花園

2024年01月20日 | 「本」のひきだし

ブクログより




ある日夫婦で散歩していた時、外来植物のナガミヒナゲシがたくさん咲いているのを見て、どうやら意図的に咲かせてあると思った寮さんは、管理者を探し声をかけた。

それがなっちゃんとの出会い。
なっちゃんの家は、堤防敷の一部の公共の土地にあり、川岸にへばりつくようにして建っている。
昔は親族で住んでいた家が何軒かあり、今は借家にしてなっちゃんは自分の家で一人暮らし。
獣道のような土の道を、セメントで年月をかけて少しづつ少しづつ、コンクリート敷にしたり、蛇やカエルの住みかだった草野原を手入れして、花壇まで作ってある。
以来、寮さんと交流ができ、壮大な壮大ななっちゃんの人生を聞き、一冊の本に仕上げた。

なっちゃんは在日2世。
二度結婚して三人の男の子をもうけるが、結婚生活はいづれもうまくいかず、女手で育て上げた。
54歳で夜間中学に通うまで、ろくに読み書きもできなかった。
できなかったのに、それまでに原付バイクの免許を取っている。はっ?どうやって?
万事がこういう調子、なっちゃんの人生。

行きあたりばったりとかやけくそとかそんなんじゃなくて、学校に行って勉強はしてこなかったけど、なっちゃんには生きる知恵、力、度胸があった。
逞しい、頼もしい、若いころのものすごい苦労もなっちゃんが語ると、なんでもないのかなと思うけど、生半可な苦労では無かったと想像できる。
80歳を超えてのそのエネルギー、明るさはそういう苦労を乗り越えてきたから、「今が一番幸せ」と笑うなっちゃんにはまだまだやりたいことがある。




なっちゃんの花園 / 寮三千子

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初雪が積雪

2024年01月08日 | 「暮らし」のひきだし

昨夜、雪起こしの風が吹いていると思ったら、朝は一面の銀世界。
例年より少し遅い初雪です。




今回の能登の震災で被災された方がたはどんな思いでお過ごしでしょうか・・・
一日も早く安らかな日常が戻ってくることをお祈りしています。

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