フリージア工房 国道723号店

ハロプロメンバーを応援してアイドル音楽を愛するエッセイブログ

続・早見あかりさんの事 ~握手会なんてヤメチャイナの巻~

2011-01-25 21:47:26 | アイドル etc
 先日、ももいろクローバーの早見あかりちゃんが脱退するという事に関しての記事を書きましたが、その後も今回の件について色々と考えています。グループに与える影響。本人のこれから。そして、何故こうなったのか。
 AKBが売り込みに力を入れ始めてきた時、これは女性アイドル界が活気づくかもしれないという期待をしていました。実際、AKBからこのジャンルに飛び込んできた高校生~大学生くらいの年代のファンが他のアイドル現場にも進出を始めている。AKBファンの全体数からしたら進出しているファンは1割に満たないのかもしれないけれど、とにかくモーニング娘。の現場には高校生くらいの男女が増えた。ベテランアイドルヲタの桃源郷みたいな場だったアイドリング!!!も個別握手を始めたあたりからメンバーと同年代の男の子が増え、少しずつ女の子ファンも現れ始めている。
 いい事ではないかと多くの人は言うと思いますが、その背景には握手会などを通じてアイドルが身近な存在になってきているのが大きい。そもそもAKB自体が「クラスで上位の可愛い子ではない子を集めた」アイドルで、その子達が握手会などでファンと親密な対応の握手を行なう事がセールスポイントのひとつでした。そういうサービスを他のアイドルも意識し始めた結果、「AKB以外も面白いんじゃね?」と人が動き出す。
 AKBが売れたのは大手事務所連合による組織的な宣伝戦略によるものが大きく、単独事務所のアイドルが真似をしても仕方がないのだけれど、一番売れているものが時代のスタンダードを作るのは商売の常識。追随する他のアイドル達も握手会に力を入れて、ファンに近いアイドルをアピールしていきます。
 ハロプロでさえ握手は高速だけれど、シングルを出すと握手会やファンと触れ合うイベントを行なうのが定番になってしまいました。数年前はモーニング娘。は握手会をやっていなくて、メンバーと握手がしたければハワイツアーに行くしかなかったのですが。

 でも果たして「握手会などを通じてファンに対して身近な存在である事」はアイドルの必須条件なのでしょうか?
 ももクロの所属事務所であるスターダストプロモーションがやっている事は基本的にはAKB商法です。CD一枚からでも握手出来ますが、たくさん買えばもっと濃厚なサービスが受けられます。そういうやり方。
 我々ヲタは握手会に喜んで参加している負い目があるから、なかなか「握手会の弊害」を冷静に批判出来ず、そこから目を背けがち。大の大人が資金力にものを言わせて対象商品を大量買いして、その目的が中高生の女の子と会話しながら握手をするという行為である事は、一応合法ではあるけれど人に言えない恥ずかしい事をしているという自覚は持つべきではないか?そう思っています。
 そういう認識が当たり前になっていかないと握手会商法というものはますますエスカレートしていき、アイドル達は「CDを売る仕事のため」に存在しているかのようになってしまいます。

 そもそも、握手をするための対象商品として同じCDを何枚も買わせるというやり方もおかしい。買う側が複数買いをする事を前提としているのなら、極力同じ物を買わなくて済むよう、違う物を用意するのがサービスだと思うのです。何もCDでなくてもいい。トレカでも、複数種類ある生写真セットでもいい。むしろそういう商品の方が事務所的には儲けが出るはず。ただ、レコード会社にも儲けを与えなくてはいけないから、そこはメンバーのメッセージCDを8cmCDとかでもいいから作り、それを複数種類用意して販売してもいい。
 「歌を売りたい」のなら握手会に頼らないで、大手事務所で協力しあってアイドル音楽番組でも作って歌を知ってもらうなど「音楽の売り込み」をするべきです。

 無理をしてまでCDを人気の実数以上に大量に売り、その売上を「これがウチの人気です」と言っているのが、AKB、ハロプロ、アイドリング!!!、ももいろクローバー、などなどほぼ全ての現在の女性アイドルの姿。そんな数字になんの意味があるのでしょうか?あるとすれば運営サイドの販売能力の高さ。必死なコアヲタの数。そんな数字に振り回せるマスコミや企業は、本気で振り回されているのでしょうか?振り回されているフリをしているのでしょうか?

 CDの売上枚数が人気のバロメーターという時代は、握手会商法によって過去のものになりつつあります。世間はもはやシングルチャートなどというものに注目などしていない。そんな旧態化したデータシステムに振り回されて、文字通り作られた人気を作るためにアイドルが犠牲になっていく売り方は、そろそろ見直す時なのではないかとも思うのです。
 勿論、これは特定のアイドルに対する批判ではなく、全体に対してです。そんな現在に生きるアイドルグループももいろクローバーから貴重な人材が抜けた事、それが残念でなりません。
 その脱退理由は握手だけが原因でないかもしれないし、握手が原因ではないかもしれません。でも、自分には何だか早見あかりさんが現在のアイドル握手商法から脱落していった被害者に見えて仕方がないのです。
コメント (13)
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