フリージア工房 国道723号店

ハロプロメンバーを応援してアイドル音楽を愛するエッセイブログ

目の前に流れるブルーを越えて

2011-01-06 22:58:44 | ハロプロ(エッグOG&研修生)
 それは夢だったんだろうか?それとも現実だったのだろうか?今となってはわからない。ただ、あの時見た少女の目には強い意思を感じた事だけがリアルな記憶。

 私はどこかの川の土手を歩いている。早朝散歩というやつだ。東の空が少しずつ黄色く明るくなってきたが、まだ大部分の空はブルーに染まったままだ。
 私が歩いていたサイクリングロード、前からジャージ姿の女の子が近づいてくる。帽子を目深に被り走ってくる色白の美少女。帽子で顔がよく見えないがそう感じた。
 すれ違ってから少しして振り返ると、女の子は立ち止まってストレッチをしていた。なんとなく興味が沸いた私は、悟られないようにその様子と、川の景色とを交互に眺めていた。
 ストレッチが終わると女の子はいきなり踊り始めた。耳にはイヤホンが挿してある。勿論何を聴いて踊っているのかはわからない。体を激しく縦に揺すったり、前後にステップを踏む様をただただ見つめる。
 踊り始めて一分も経ったかどうかという頃、私は女の子が何を聴きながら踊っているのかわかってきた。そのダンスに見覚えがあったのだ。やがてその推測が確信に変わった頃、踊りに合わせてついつい私は口ずさむ。
「悲しみのリゾナント~」
 女の子の口元も動いている。歌っているのだ。瞬間、私と女の子のハーモニーが早朝の風に乗って共鳴したような気がした。
 西の空も南の空も北の空も、まだブルーなままだった。

 いつかこの川のところで踊ったリゾナントブルーを大勢の前で踊れる日がきっと来る。私は、その夢か現実かわからない記憶を思い出しながら、その女の子にエールを送っているのだ。
 《夢と現実/あぁ!》


 (一応書きますが、この話はフィクションです)
コメント
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