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情けは人の為ならず、ですよ。

 某閉鎖的SNSでもちらっと申したのですが、

『こういう時って本当に人間性が出るよな・・・』

これが先日の深夜、首都圏の公共交通が完全麻痺した時の感想。
細かい話は申し上げるまでもないのでしょうが、
自分が行っていることが、
【 今、本当に必要な事なのか 】今一度考えたいところですね。
 
 
 
 さて、あんな大災害の後だというのに自然は当然構ってくれず、
天気予報では好天という事になっています。
それでも、比較的温暖な現在住のエリアとて震えるぐらいの寒さはあり、
私だけは基礎代謝と気合いで乗り切ればいいものの、
年齢をそれなりに重ねた母はそうもゆかないので、
切れかけの灯油を買いに行くことに致しました。
 
 
 テレビやネットの報道で知り得た範囲で、
石油プラントの惨状や交通の麻痺もあってか、
レギュラーガソリンの不足と、それに伴う大衆の行動は目にしていました。

 斯く言う私も、ガソリンが満タンというわけでもなく
灯油タンクをくくりつけた後、出発前にカブの燃料計を見ると・・・

01_fuel
 恐らく2.4Lぐらいの残量のようです。
(カブの燃料計は、満タン→7割ぐらいまではあまりゲージが動きません)
『これならば100kmぐらいは問題なく走れるな・・・』とざっと計算し、
とりあえず灯油を買うために自宅を出ました。

 まずは自宅に近い、
いつものガソリンスタンドに向かうと、なんと営業停止。
続いて少し進んだセルフスタンドもまた営業停止。
更に更に進んだ所で、漸く開いているスタンドを発見する事が出来ました。
 
 
 すると・・・

02_longrange
 もの凄い行列になっていました。
 
 こち亀という漫画で、事故渋滞の民衆に食料と水を配給した折に
「まるで神に群がる亡者のようだ」との発言があり、さもありなんと感じたものですが、
(注:あくまでガソリン行列の例え話であり、今回の地震を指したものではありません)
被災とは呼べないような軽微な損害だったこの地域の現状もまた酷いものです。
 
 
 もちろん、全てが全てではないでしょうが、
中には病弱な家族を安置して運送する為に四輪が必要な人もありましょう。
家族全員の足がそれしか存在しない家庭もありましょう。
小さなお子さんがおいでで、どうしても必要な場合もありましょう。

 ですが
『果たしてこの連中のどこまでが”今”ガソリンが必須なんだろう?』
そういった疑念が湧いてきて仕方がありません。

ちょっと頑張れば電車や自転車で代用出来るような一名乗車での通勤の為?
ちょっと力を使えば行ける、スーパーに買い物に行くための足?
たかだか数kmを歩く家族を駅に迎えに行くだけの乗り物?

 「・・・それは本当に”今”必要なのですか?」

 そのガソリンを買うために、
数十分も四輪車をアイドリングさせたまま排ガスを垂れ流し、
車列に並び無駄なエネルギーを消費し続けてまで買うものでしょうか。
一部報道では《3時間並んで、5リットル買った》などという奇天烈野郎まで存在します。

 運送や農業などの仕事で必要とする方々が必要なのは当然としても、
最初に挙げた、優先的にガソリンを必要とする状況がある方々よりも尚?
仮にガソリンの購入そのものが、
今すぐに被災地の方々に影響が無いとしても何か違う気がします。
(ゆくゆくはそちらにも影響する可能性は否定出来ませんが)
  
 
 
 そんな車列を横目に、
いつもの私ならばその”レギュラーガソリン購入行列”に行儀良く並んでまで
灯油を買う事を待っていそうなものではありますが、
流石に合理的な観点からそういった愚は犯せませんので、
スルスルと抜けて灯油売り場に進みました。

03_kerosine
 案の定、灯油販売コーナーはガラガラです。
  
 
 いざ購入をと思い、タッチパネルの脇を見ると

04_3000yen
 【品薄の為お一人様3000円まで】
そりゃそうです。
ガソリンも灯油も蒸留して分離するような製法であり、元は同じ原油ですから。
特に文句もありませんし、独り占めする気もありませんので素直に従いますが・・・
 
 

05_1000yenlimit  
 ドサクサに紛れてこれはどうなんだろう(汗
この無人販売機【そもそも小銭が使用できない】んですよね。
【紙幣専用です】とも明記されていますし、
小銭が使用出来るならば、一度引き返してコンビニや自販機で崩してくる事もします。

 こうなると即ち、
18リットルポリタンクでは【1000円分】しか買えない計算になりますが 
ガソリンスタンドの人員削減に伴う怠慢に付き合う理由はどこにもありませんので
しっかり【1,811円分】買わせて頂きました。
 
 
 灯油購入も終え、
『僕もガソリン欲しいけれど、やっぱりこういう時は我慢だよな』と、
困っているであろう方々の事も考えた上で自分に言い聞かせてスタンドを出ようとすると、

06_out_2
 ガソリン価格表示の電光掲示板も消灯されていました。
 
帰りもガソリン亡者の列を苦々しく思いながらポリタンクを積んでの帰宅です。
 
◆CBRのガソリンの残量。

Cbr_gas

 
◆RZのガソリンの残量

Rz_gas
  
 どちらも半分もありません。
そりゃあ誰だってガソリン、欲しいですよね。
  
 
 
 そうそう、
オートバイで走る事が三度のメシよりも大好きな私も
さすがにこの状況では阿呆では居られません。

07_battery_out
 御覧の通り、CBR1000RRのバッテリは外しました。
2週間後か、1ヶ月後になるのかはまだ誰にも判りませんが、
物流の状況が落ち着くまではCBRは我慢です。
このバイクはハイオク指定なので、燃料購入そのものは問題ないのですけれど。
 
 カブのガソリンについては、
必要ならばRZから醤油チュルチュルで抜いて対応かなと考えています。
 
 
 
 それにしても、
(私はまだ生まれていませんが)オイルショックの反省が全く生かされていませんね。
無思慮で軽輩な小僧や小娘が並んでいるのなら苦笑モノで済みますが、
ガソリン亡者の車列を構成しているのは、残念な事に初老過ぎの連中ばかりでした。
有史以来、この手の事例は枚挙に暇がありませんがなんともかんとも。

 「それ、本当に”今”必要なのですか?」
 
 
 
 最後に冗談。
今時エコカーなんて燃費にも地球環境にも悪いモノは流行りませんよ(笑
KY(死語)ここに極まれりってなモンですから、皆様もカブに乗り換えましょう!
CBRにもRZにも乗る私には全く説得力が御座いませんが、
道具としてのカブは本当にすげぇバイクだと、様々なシーンで実感するばかりです。

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