流行歌は唄わない －後編－

　～思い付きで出掛けたキャンプツーリング、
　　　鴨川市のスーパーで食材と道具を積み込んだあとは～
　

　ハイオク満タンで、これから向かう山中に備えます。
　
　
　鴨川有料道路を抜け・・・ってこの道は普段通らないのですよね。
料金所の仕組みが路線バスのような自動支払機なのですが、
オートバイの進入レーンが２種類あって、過去に判断に悩む事がありました。
”オートバイ・二輪車”と書いてある場所は原付二種までとなっていて、
自動二輪以上ははそこではない普通のレーンに進まなくてはなりません。
オートバイ＝原付なんていつの時代の話かと（苦笑
　
　それでも、今回の目的地に気持ちよく向かうには必要な道なので選択です。
途中、なんとなく気になってCBRの後方の荷物をミラーで確認すると、
あるはずのヤツが見えなくなっていました。急ぎ停車して調べてみます。

　なんと。
悪い意味で適当に縛り付けたカップ麺＋キャンプ消耗品類が10cmほどずり落ち、
センターアップマフラーの排気で溶けていました。
むかーし、HONDAのシートバッグでも同じミスをしたことがありますが
とりあえず落下は無しでした。
２重にしておいてよかった＾＾；　道路に撒き散らしたら大変ですので。
　
　
　気を取り直して荷物を再固定。
いよいよ山らしい雰囲気が、キャンプ場への期待を駆り立てます。

　　　　　　
　古く錆び付いた橋。渡るのはちょっと怖いですが、いい草臥れ具合です。

　愚かにも紙地図を置いてきた所為で、ナビのガイドに翻弄されたりしつつ。
どうにも指定座標にキャンプ場がないので、管理に電話で問い合わせると
「あーナビに入れた？よくそこに間違って案内されちゃうんだよね～」との事。
　私のはSONYのナビですが、
管理人さん曰くHONDA系の純正ナビにデータ違いが多いとか。
　

　【　亀山湖オートキャンプ場　】さん。
　
　電話で正確な場所を教えて頂いたので10分程で無事に到着です。
流石はゴールデンウィーク、
子供達が沢山はしゃいで走りまわっています。

　まずは写真の管理棟でお礼を伝えながら受付を済ませます。
サービス業感覚とは程遠い感じの素朴な管理人さんでしたが、
実に親切な御夫妻で、結果として今回大変お世話になりました。
　
　
　
　キャンプ場使用の説明を受け、簡単な案内書類を受けとるといざ自分の場所へ。

　バイクバカとしての、”バイクでキャンプ”の一番の希望としては。
『オートバイの横で寝たいでしょう、やっぱり。』というわけでして、
オートキャンプ用のサイトをお借り致しました。因みに四輪と同料金です（笑
　
　御覧のように四輪も泊まれる場所だけに広いのです♪
でも、バイク＋テントでも省スペースなツーリングキャンパーとしては、
私のスペースを平然と闊歩している四輪の家族連れに何度か驚かされました。
自分たちだって、団欒中の契約スペースに侵入されれば怒るでしょうに勝手なモンです。
私自身は、余剰スペースの認識だったのでいちいち目くじらは立てませんでしたけれど。
　
　
　登山にも対応するDUNLOP製のそれなりのテントは、
組み立てやすくあっという間に完成です。
　途中、手前の木立から落下してきたと思しきヤマビルに喰らいつかれたり。
別段都会暮らしのモヤシっ子ではありませんが、
ふと見た腕でウネウネされていると少しパニックになりますね（笑
　

　うーむ、やっぱり広いな。
オートバイ2台で来たらとても良さそうな感じの広さです。
　
　
　
　そしてここで致命的なミスに気づきます。
『あ・・・サンダル持ってくるのを忘れた。』
テントを組み立てている間に、ライディングブーツ姿に気づいたのもマヌケですが、
流石にこのまま一晩を過ごすわけにもゆきませんのでトボトボと管理棟へ。
「すみませーん、ビーチサンダルとか販売されていませんか？」
　
　意外なほど色々なキャンプ用品を扱っておいでの管理棟の売店でしたが、
沢などの水場がそこまで近くにない場所だけに、サンダルはありませんでした。
　少し落ち込んでいると、
奥様が気を利かせて1km程の湖にあるボート乗り場へ電話で問い合わせて下さいました。
御厚意に甘えて、その足で案内されたボート乗り場まで走ります。

《CBR＋半袖＋フルフェイス＋長めのハーフパンツ＋素足にブーツ》
というなんとも奇妙な格好ですが、
崩落でキャンプ場利用客以外通行止めになっている道なので気にせずGOです。
　　
【　おりきさわボート　】さんという案内されたボート乗り場もとても感じよく、
オーナーさんらしい方が自分の履いているサンダルでサイズ合わせもして下さいました。
素直に嬉しかったので『サンダルだけ買って帰るのもなぁ』というわけで、
予定外のアーモンドチョコを１箱追加購入してしまいました（笑
　

　『よし、バッチリ。』
当初はビーチサンダルを買いにいったのですが、
砂利場でもあるのでクロックス（風のなにか）に。
　戻るやいなや、管理棟に出向いて無事に買えた事とお礼を伝えます。
この時にも、特段買う予定の無かったものをしっかりと購入。
蚊取り線香とか、晩酌用のお酒とかお茶とか。
　
　
　そうそう。
戻り際に珍妙な格好のまま自分の区画に進もうとした時に、
管理棟の横にあるコンクリート舗装の車両用スロープで、
木のソリで滑り降りて遊んでいる子供の集団が居ました。
　
　当然「いいよー降りるまで待ってるよ」と笑顔で叫び暫く待ち、
子供達が滑りきって横で待ってくれている姿を見ながら　
「ごめんねー！ありがとう～♪」とバイクに乗りながら進むと、
少年の集団の中から、
「うおおおっ！ちょおかっけぇ！！！」と高揚した叫び声が聞こえました。

　子供達がオートバイを見てカッコイイと言ってくれる、
至極健全な今に、少し微笑ましい気分になりながら安全運転で区画まで戻りました。
　
　　　
　
　無事に準備を終え、テント内で荷物整理がてら一休憩です。

　タンクバッグは決まって枕代わりなのです。
　
　
　
　この時点で16:00前。
早朝に軽く口にしたパンが最後でしたので小腹が空いてきました。
ここは一つリッチな気分で・・・。

　シーフードヌードルBIGです！
バイクの隣でお湯を沸かしつつ、大自然の中でカップヌードル。
『旨い・・・旨すぎるっ』という感じですね。
　
　
　軽くお腹が満たされたあとは、
ソロキャンパーとしては、周囲の家族連れに紛れてはしゃぐでもなく休憩。
テントにゴソゴソと戻り優雅なお昼寝タイムです。

　先程買ってきたアーモンドチョコの香りが一人用テントに広がります。
　
　
　
　周囲のファミリーキャンパーの喧噪に紛れ、
私は私でPDAでBEATLESなんかを聴きながら大自然の雰囲気を満喫です。
暫くして意識が落ち、ふと目が覚めると19:00頃。

　いい感じで夜も更けてきました。
　
　

　焚き火の暖かい色も好きですが、ブタンガスバーナーの蒼もまたいいものです。　
　
　

　夕食の食事は、私のキャンプツーリング定番の焼肉で。
キャンプ場で小洒落た料理というのも勿論アリですが、これが私のスタイル。
気楽さと手軽さ、素朴な旨さがイチバン。
　
　
　パック焼肉の半分はそのまま、もう半分は秘密兵器の出番。

　【　MAGIC SALT　】です。

有り体に言えば、ちょっと洒落た味塩コショーなのでしょうが
クレイジーソルトと並んで大変便利な調味料です。
配合されたハーブ類とドライトマトは肉との相性も抜群でいい感じに作用します。
　
　
　焼肉中、周囲の小学生が元気な声で歌い続けていたフレーズ。
「焼きたかった～焼きたかったー焼きたかった～いえすっ！！♪」
おぢさんとしてはクスっとした笑いを禁じ得なかったものですが、
そこの家族のお父さんはひたすら「ドドスコドドスコ」と連呼していました。
こっちはどうなんだろう・・・（苦笑　でも、微笑ましいファミリーですね＾＾　
　
　でも、子供の気持ちはちょっと解ります。
私の子供の頃にも各種替え歌は勿論、嘉門辰夫さん？とか流行っていましたし。
「ちゃらり～鼻から牛乳～♪♪」は合い言葉でした。今思うとアホだなぁ。
　　
　
　フライパン兼用のキャンプ用ステンレス鍋を綺麗にしてから片づけ、
また周囲の喧噪から逃れるように、前室を解放しメッシュだけ降ろしたテント内へ。
前室から流れ込んでくる蚊取り線香と、緑の香りを吸い込みながらまた優雅な時間へ。
　

　【 The long and winding road 】が丁度流れていました。
程良い満腹感、周囲の雰囲気、バイク、キャンプ、いい音楽・・・最高ですね♪
　
　
　
　２時間ほどをテントで過ごし、
周囲の子供達の叫び声が聞こえなくなってきた２２時頃。
『そろそろオトナの時間かな？』とばかりにまたモゾモゾと動き出しました。
　

　ファミリーキャンパーの投光器の灯りがほとんど落ちた中で。
　
　

　オートバイとテントの間に腰掛け、　
管理棟で買ったイチバン強そうだったお酒（チューハイですが）と
昼間のスーパーで買ってきた焼き鳥での晩酌。ここでもマジックソルトは大活躍です。
　

　強くしたバーナーの直火で炙り、焼きたての風味を出していただきます。
『来てよかったなぁ～』としみじみとしてしまいます。
　
　
　
　日付が変わる少し前、今日はここまでと片づけをしてテントに。
少し肌寒くなってきた夜も、お酒も手伝ってか気にせずそのまま就寝です。
テントは足下の通気窓と前室を締め切りお休みモード。
　
　・・・すぐに寝付いて深夜1:50。
『さっ寒すぎるっ！』若い頃は冬場に半裸で居てもなんともなかったのですが（笑
段々代謝も落ちてきているんですね～。まさか寒くて目が覚めるとは。
セルフインフレーションマットを敷き、メッシュジャケットをかけただけではムリです。

　とりあえずハーフパンツからズボンに履き替え、
靴下を履いた上でメッシュジャケットを着込みました。
『ゴミ袋を持ってくればよかったなぁ』というのも後の祭り。
体の周囲の空気を留めておくのが防寒の真髄ですが、我ながら無計画ですね～。
息を吐くと白くなるような状態でしたので、本当に気温が低かったのだと思います。
　
　無いものは仕方がないので、腕を組み体を小さくして筋肉で発熱。
なるべく体熱を放散しないように留意しながら再度就寝致しました。
　
　
　
　－数時間後、早朝－

AM5:00過ぎに目が覚めて、トイレがてらテントから這い出しました。

　立ちこめた朝靄が、冷え込んだ朝らしい雰囲気を醸し出しています。
「ううう。トイレトイレっ。」とばかりに用を足してテントに戻ります。
　　

　ん？心なしかCBRが白いような。
　

　CBRは朝露にすっかりと覆われていました。冷えたものなぁ。
　
　
　
　写真だけ撮ると、そそくさとテント内の少しでも暖かい場所へ。
　

　アヒルさんも寒そうです（笑
　　
　
　山陰から朝日が顔を覗かせはじめた頃になって、
そろそろ朝食の準備をしようと意を決しました。
　

　昨晩、闇の中で綺麗にした鍋もピカピカでいい感じです。
　
　
　食材と調理道具を引っ張りだして準備。
　

　
　バイクの横で朝食ヽ(´▽`)ノいいもんです。
　

　昨夜の焼き鳥は塩でしたが、朝食はタレのものをほぐして焼き鳥丼。
　
　周囲に比べると若干遅めの朝食。
でも、そんなマイペース具合もソロキャンプツーリングの気ままな所。
　
　
　
　食事を終え、顔を洗いがてら歯磨きを行います。
サッパリとしたところで刻限の11:00までの間、多少ゆっくりする事に。
　テントの中で何をするでもなく呆けながら、
某閉鎖的SNSへ頂いたコメントなどを返信しつつ１時間。
普段の生活でぼーっとしている事など皆無な気性ゆえにそろそろ限界です（笑
　
　そんな感じでメールやネットの処理などもしていると、
なんと実に久しぶりの（１０年ぶりぐらい）親戚が、
こちら方面に遊びに来る事を知りました。

　そうとなればってなモンで。
ゴミ処理や掃除、借りた備品の返却を済ませてササッとテントを畳みます。
ツーリングテントは設営も収納も素早く出来るので便利ですね。
　

　よしっ。
消費して減った食材やキャンプ用品の容積に換え、
サンダルなどを詰め込んで出発の準備完了です。
　
　

　キャンプ場横の崩落した道路を抜けて暫く走り、湖側の入り口へ。
バス釣りで大変有名なこの湖には、朝から釣り客が沢山出ていました。　

　キャンプ場はこの奥1km程の所にあります。
『また来よう。』と心に決め、楽しい思い出を胸に【亀山湖】を後にしました。
　
　
　
　帰りがけの道の駅で、
親戚への土産物とみんなで食べる為のかしわ餅を購入。

　レジで購入品を受けとるときに、
謝って小指から滑り抜けたビニールが「バサッ」と落下。
すると、後ろに並んでいたおばあちゃんが
「大丈夫？卵とか入ってなかった？？（道の駅なので）」と心配してくれたので、
「大丈夫でした！お騒がせして申し訳ないです、でもありがとうございます！」
と応じ、会釈をして一路帰宅と致しました。
　
　
　　
　帰宅後、親戚と久しぶりの従兄弟夫婦と再会を果たし
その変わらぬ元気な姿に安堵しつつ楽しい時間を過ごしました。
　それにしてもこの従兄弟、
昔から私と正反対の、容姿も中身も爽やかでカッコイイ男でして（笑
（ジャニーズ系と真田広之さんを足して２で割ったような人です）
年齢もそれなりに重ねているはずなのに、今でも充分に若く素敵なままでした。
行く先々で、女性が彼を見つめる視線が他とは違うのですから恐ろしいものです。
人は人、私は私らしくという事ではありますが少しは見習わないとなぁ＾＾；
　
　
　ともあれ、GW最初の３日間。
とても充実したいい休日とする事が出来ました。
今年の私はカレンダー通りの勤務ではありますが、
もし出来たらまたどこかへ出掛けたいなあと考えております。
　
　そして皆様も是非キャンプツーリングを♪
すでに御経験の方も多いでしょうが、
一度は行っておかないと勿体ないですよヽ(´▽`)ノさいこーです！