3.11以後の日本

混迷する日本のゆくえを多面的に考える

全入時代だから大卒でも就職できないのは当然である。

2012-03-22 09:50:14 | 現代社会論
おととしの春、学校を卒業した人のうち、就職できなかったり早期に辞めたりした人が大学や専門学校では2人に1人、高校では3人に2人の割合に上っていることが内閣府の推計で明らかになったとのこと。
若者の雇用は深刻な状況に陥っている。
全国すべての学校を対象にした就職調査、雇用保険の加入状況などを基に内閣府が推計したデータによれば、おととしの春、大学や専門学校などを卒業して就職した人は、56万9000人で、このうち19万9000人はすでにその仕事を辞めている。驚愕のデータである。
さらに卒業しても無職だったりアルバイトなどをしていた人は14万人、これに中退した6万7000人も加えるとおよそ2人に1人に当たる52%が就職できなかったり早期に辞めていた。


知識型資本主義だから、少しぐらい学歴があっても就職できなくなっている。ミスマッチなのだろう。
大学全入時代なので、みな履歴書には大卒となっているが、それでは就職には直結しないのが現実だ。学生側と企業側のミスマッチ。学生が単に甘いと言わざるを得ないと思うのだが、どうだろう。

簡単にいえば、もともと大学に入って勉強するような輩ではないものが大学生となり、とくに勉強するわけでもなく、なんとなく卒業してしまって、いざ、就職となって四苦八苦しているのが本当のところだ。
どうでもよい資格をとったりして、履歴書に書いてみたりするが、それで有利になることはあまりないと思う。企業側は少数精鋭、頭脳明晰で、冷静でどんなときでも英断がくだせる判断力のある、しかも、インターナショナルなタフな人材を求めているのだからミスマッチは仕方がない。

若者側は、大卒だからこれくらいの初任給と思って夢を描いてエントリーする。が企業側は、不況、国際化で、優秀な人材だけを採ろうとしているし、実際、すでに、学閥で採用済みとなっている。学閥の枠外の大学生はどんなにがんばっても採用されることはないのが実情。コネがあればべつだけど。

おいしい仕事、国の命運をかけるような、国際的に華々しく活躍できるような「仕事」の採用は、半分は東大が占める。残りの30%は文系なら一橋、京大、理系なら東工大、京大、そして残りのわずかの枠に、その他の旧帝大(東北、阪大、・・)、そして1から2が早慶が僅か食い込む。かなり乱暴な言い方だがそんな感じだと思う。

当然、東大の中でも熾烈な競争があるのだが。

若者は仕事を求めて、アジアの国々に出ていくことになるのかもしれない。そして、優秀なアジアの若者が国内で働く。

大学があれこれ就活支援をしているようだが、大学に入った時点で勝負はある程度ついているのだ。
大学に入るまでの5年、10年の蓄積がモノを言う。
大学がどうこうできるレベルではないのである。

TVなどで知名度がある企業ではなくとも、良い仕事をさせてくれる企業はいくらでもある。
今は無名でもこれから成長する会社もあるだろう。
学生たちは、そういう本当の意味で有望企業を選ぼう。

どちらにしても、多くの若者が失業者となって街にあふれるだろう。閉塞感が漂う。
若者を扶養してくれる高齢者も年金は削減されそうなので、結局期待できない。

若者も高齢者も蟻地獄に沈んでいく以外にないのか。








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