京恋し

頑張った時のご褒美は京都。ずっと憧れ。

帰り下手

2007-06-23 22:31:07 | ちょっと立ち話
梔子(くちなし)の花が甘い香りを振りまいています。

        
        うっとうしい梅雨空のもと、純白の花は
        一服の清涼剤のよう


クチナシ:アカネ科東アジア原産別名ガーデニア
実にはサフランと同じクロシンという成分が含まれ、染料となります。

        
        白い花の宿命だけれど、開ききると黄ばんでしまうのが
        ちょっと見苦しくて残念


こちらは一重の梔子。

梔子の花が咲き始めると決まって「旅情」という映画を思い出す。
去年もこの映画のことを書いたのだけれど、大好きな映画なので、
細部のセリフもよく覚えている。
憧れのセリフがいっぱい出てきたからだ。
その一つが「帰り下手」
ヒロイン・ジェーンがベニスで出会った骨董品店のオーナー・レナートと
始まったばかりの恋を捨てる決心をホテルの女主人に語るシーン。

「私はいつも帰り下手だった。パーティからも楽しくていつも帰りそびれていたの。
今度は帰らなくちゃいけない」
と時に沸き起こるここにいたいという気持ちをねじ伏せて、身を翻すように
汽車に乗ったのである。
私もどちらかというと帰り下手。胸にグサリときたのである。

ちなみにこの映画、リアルタイムでは見ていませんよ。ビデオです。
何度も借りました。また見たくなりました。
来年も梔子の花が咲いたら、「旅情」の話をしてしまうでことしょう

        
        梔子の花はこの映画の中で潔さの象徴として
        使われているのではないでしょいか。

薄月夜花くちなしの匂いひあり  正岡子規