京恋し

頑張った時のご褒美は京都。ずっと憧れ。

ひなげしの丘

2007-06-04 22:29:27 | 季節のことば
野に咲けば雛芥子(ひなげし)は野に似合う色  稲畑汀子
 
 ここも軽井沢に行く途中の道草です。

        
        遠くに見えるちょっと高い山が武甲山らしい。
        林が開けてポピーの原っぱが目の前に現れた時には
        歓喜の叫びをあげてしまいました
        入園料なんて取られません 畑なのでしょうか。


ひなげし:ケシ科ヨーロッパ南部原産
もともとは小麦畑に生える雑草でした。
でも、耕した畑にしか生えないそうです
麦に混じって広がっていったと思われます。
1880年ころにイギリスで庭園用に改良されました。

        

        雛罌粟の日を恋ひ海を恋ふ赤さ  鷹羽狩行
         ヒナゲシが日本に入ってきたのは江戸後期だそうです。

  

  

  

        
        ヒナゲシの中国名は虞美人草
        三国志で知られる楚王・項羽が愛した虞美人が
        自害した跡に咲いた花とされています。

        紙よりも素直に吹かれ虞美人草  山川能舞

        (たしかに紙のような花びら。風にヒラヒラ、撮影しにくいこと


スペインではアマポーラフランスではコクリコと呼ばれています。

ああ皐月仏蘭西の野は火の色す君もコクリコわれもコクリコ  与謝野晶子

 火の色のコクリコは夫鉄幹を仏蘭西に追った晶子の情熱の花に思える。
 そういえば、ヒナゲシの花の盛り、5月29日は晶子の命日でした。

        
        若い日、イタリアを旅した時もナポリに向かう列車は
        一面の火の色のヒナゲシ畑の中を走っていました。
        鮮やかに目に焼きついて、いまだ色あせない赤です

        陽に倦む(う)みて雛罌粟いよよくれなゐに  木下夕爾