サッカー日誌 / 2010年05月15日


岡田監督の選んだ23人(上)


森本貴幸を加えたのはよかった
W杯日本代表メンバー発表(5月10日)

★ほぼ想定内の人選
 ワールドカップ南アフリカ大会に出場する日本代表チームのメンバー23人が発表された。ほぼ想定していたとおりで大きなサプライズはない。マスコミで「意外」とされた数人も、ぼくが「選ぶべきだ」と考えていた顔ぶれだった。むしろ、岡田監督が「その数人」を加えたことが、ぼくにとっては「意外」だった。岡田監督のもともとの「方針」あるいは「好み」とは違う選手だと思っていたからである。
 「その数人」のうちの一人は森本貴幸である。
 「森本待望論」は以前から一部にあったのだが、岡田監督が視野に入れている気配はなかった。代表発表直前の欧州組視察旅行のときも、チェスカ・モスクワに移って活躍し始めた本田圭佑については「当確」のような発言をしながら、森本は無視し続けているかのようだった。

★「岡田好み」でない?
 岡田監督が森本を招集したのはワールドカップ本番8カ月前の親善試合シリーズのときである。2009年10月10日、横浜日産スタジアムのスコットランドとの試合と、その4日後の10月14日、宮城スタジアムの対トーゴ戦に起用した。
 スコットランド戦では、後半11分に交代出場し、その後に日本があげた2点に絡んだ。ぼくは「この試合は、のちに森本貴幸が登場した日として記憶されるかもしれない」と書いた。トーゴとの試合では先発して前半11分に代表初ゴールをあげた。トーゴは2線級以下のメンバーだったが、それにしても個人の力で守りを崩したゴールはみごとだった。
 この2試合で能力を見せたにもかかわらず、岡田監督は、森本を評価する様子を見せなかった。だから、岡田監督の「好み」ではないのかなと思っていた。チームの組織力で攻める方針だから個人の力で崩すプレーは認めないのかな、と推測したわけである。

★第1戦から先発で起用しては……
 ともあれ、結果として、森本が23人のなかに加わったのはよかった。「途中出場でも積極的にゴールへ向かって行く姿勢を買った」という岡田監督の口ぶりから察すると、いわゆる「スーパーサブ」として使う場面を想定しての選出のようだ。
 しかし思い切って、第1戦のカメルーン戦の最初から岡崎慎司とともにトップに起用してみる手はないだろうか。いまの「岡田ジャパン」には、本番でまともに戦ってゴールを奪えるような雰囲気はない。森本はイタリア・リーグで強力な守備を相手に鍛えられているのだから、その力強さと、鋭いゴール前のテクニックに賭けて、第1戦で「勝ち点3」をかちとることを狙ってみたい。
 23人を集めてから6月14日の第1戦まで2週間ある。その間に森本を「サブ」ではなく、チームのまともな一員として溶け込ませることが、岡田監督にできるかどうかである。

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