サッカー日誌 / 2015年03月29日


ハリルJの始動(上)


メッセージを伝える先発起用
親善試合 日本 2対1 チュニジア
(3月27日 大分=TBSテレビ)

★本田、香川、岡崎をベンチに
 ハリルホジッチ新監督の最初の日本代表の試合は、意表をついた先発メンバーだった。
 本田圭佑、香川真司、岡崎慎司などの、これまでのエースをベンチに置いて、新しいメンバーを起用したのである。
 これには、二つのメッセージがこめられていたと思う。
 一つは、本田、香川、岡崎らのスター選手に対してのメッセージである。
 「君たちの代表の座も確実ではないのだぞ。ほかにも多くのタレントがいるぞ」ということを見せようとしたのだろう。
 もう一つのメッセージは、新たに起用された若手に対するものである。
 「君たちの能力を認めているぞ。今後も起用する気持ちは十分にあるぞ」と伝えたかったのだろう。
 つまり、スター選手と若手選手との間の「競争」を刺激する狙いである。

★新メンバー起用の狙い
 ハリルホジッチ監督は就任早々で選手たちを十分には知らない。だから、いろいろな選手を実戦で見てみたかっただろうと思う。
 本田、香川、岡崎などは、欧州のトップレベルのクラブチームで活躍しているから、その技量は分っている。
 それ以外の選手が、どのくらいの実戦的技量を持っているのか? それを自分の目で確かめたかったのだろう。
 代表デビューの川又堅碁、藤春廣輝、若手の武藤嘉紀などの先発は、そのためだろう。
 川又はキャンプには招集されていなかったのだが、負傷の小林悠に代わって、バックアップ・メンバーのなかから補充された。
 あとから加わった選手を、先発のワントップに起用したのは意外だった。
 Jリーグでは得点能力を認められている川又に、国際試合の経験の機会が与えられたのは良かった。

★得点はレギュラー・トリオ
 しかし、新メンバーで得点をあげることはできなかった。
 後半15分に本田、香川を、後半27分に岡崎を交代出場させ、レギュラーの攻撃トリオが揃った。
 岡崎出場のときに、宇佐美貴史も交代出場した。岡崎のワントップ。宇佐美は前線のサイドである。
 後半33分と38分の2点は、ともに、レギュラー・トリオの組み立てが実ったものだった。
 宇佐美は20分ほどの短い時間の出場で、3度ほどしかボールは回ってこなかったが、そのときには、速く、鋭い出足と足技を発揮した。ポストに当たる惜しいシュートもあった。
 宇佐美はユース時代から期待されていたタレントだが、代表招集は2年半ぶり。出場は初めてだ。
 川又にしろ、宇佐美にしろ、才能があり、国内では実績もあるのに、これまで代表では活用されていなかった。
 ハリルホジッチ監督が、この2人にチャンスを与えた。
 これが、2人の将来につながることを期待したい。


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サッカー日誌 / 2015年03月27日


女子W杯2023を日本で


FIFA理事会
(3月20日 チューリッヒ)

★2019はフランスに決定
 3月20日のFIFA理事会で、注目すべき決定が、いくつかあった。その一つは、2019年の女子ワールドカップ開催国がフランスに決まったことである。
 2019年女子ワールドカップについては、日本開催を目指そうというのが、かねてからの、ぼくの主張だった。
 しかし、日本サッカー協会は開催国に立候補しなかった。
 2020年には東京オリンピックがある。その前年の2019年には、さまざまなスポーツの国際イベントが、オリンピックのリハーサル(プレ・オリンピック)として催されることが想定されている。
 さらにラグビーのワールドカップが、2019年に日本で開催されることが決まっている。
 そこに女子ワールドカップを割り込ませるのは難しい。
 日本が2019女子W杯立候補を見送ったことは理解できる。

★韓国は落選
 ラグビー・ワールドカップ2019と、オリンピック東京2020が終わったあとの2023年サッカー女子ワールドカップを日本で開催する。それを、東京オリンピック2020以後の日本のスポーツのスタートラインにしたい。
 これが、現在のぼくの考えである。
 一極集中のスポーツ大会は、2020年東京オリンピックを最後にして、その後は地方分散のワールドカップ方式の国際大会の「良さ」を日本のスポーツ界に知らせたい。
 そのモデルとして2023年の女子ワールドカップを、日本で開催してはどうか?
 そう思っている。
 2019年の女子ワールドカップには韓国も立候補していた。
 もし、韓国が2019年の開催国に選ばれていたら、2度続けての東アジア開催は難しいだろうから、2023年の日本開催は無理だろうと思っていた。

★日韓共催でも
 幸か、不幸か? 韓国は2019年の女子ワールドカップ開催国に選ばれなかった。
 したがって、2023年の開催国がアジアに回ってくる可能性は高くなった。
 そういうわけで、日本サッカー協会は、2023年女子ワールドカップ開催国に手を挙げて欲しい。
 2019年ラグビー・ワールドカップと2020年東京オリンピックの施設と運営経験を「遺産」として活用できるだろう。
 ただし、問題もある。
 2019年に手を挙げた韓国が再び立候補するかもしれない。
 競合になりそうな場合は、日韓のサッカー協会で事前に十分に話し合って欲しい。
 2002年のように、日韓共催も考えられる。
 スポーツ・イベントが、東アジアの共存共栄の機会になってもらいたいと思う。


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サッカー日誌 / 2015年03月24日


ハリル監督の選手選び(下)


マス・メディアとの関係
(3月19日 親善2試合の代表発表)

★プレゼン方式の記者会見
 日本代表ハリルホジッチ新監督の最初のメンバー発表は、これまでにない形式だった。
 前方のスクリーンに選手の氏名と顔写真を映し出す。
 ハリルホジッチ監督が席を立って説明を加える。
 そういう方法だった。
 新商品や新企画の発表で、パソコンと映像プロジェクターを使って、分りやすくプレゼンテーションをするのは、珍しくない。
 しかし、代表メンバー発表は、1枚の紙に印刷して配布すれば済むことである。
 それをイベントとして、手の込んだ演出で見せた。
 これは、ハリルホジッチ監督のアイデアだという。そのために協会のスタッフは、徹夜で準備をしたという。
 印刷された一覧表は、会見終了後、出口で配布された。

★練習を公開するのか?
 プレゼン形式の発表のあと、ハリルホジッチ監督は席に戻って質問に応じた。
 「練習をメディアに公開するか?」という質問が出た。
 答えはこうだった。
 「できるだけ公開するが、戦術についての練習を非公開にすることには、ご理解をいただきたい」
 さらにトレーニングは「主として戦術練習」だと述べた。
 ということは、トレーニングの内容の重要な部分は見せないということである。
 コーナーキックやフリーキックからのパターン練習を公開しないことはよくある。相手チームに筒抜けになってしまうからである。
 しかし、試合前の練習は、ほとんど「戦術練習」である。
 つまり、マスコミに見せるのは、ウォーミングアップだけだということである。

★フランス語の壁
 ハリルホジッチ監督が「非公開にする」というのが、セットプレーのパターン練習だけのことなのか、そのほかの練習を含むのかは、実はよく分からなかった。 
 というのは、記者会見はフランス語の通訳を通じて行われたからである。
 ハリルホジッチ監督が質問を正確に理解しているのか?
 答えが、意図通りに日本語になっているのか?
 そのあたりが、通訳を通じての話では明確でない。
 ハリルホジッチ監督も、日本人の記者たちも、フランス語は母国語ではない。
 だから、コミュニケーションをスムーズに行うのは難しい。
 選手とのコミュニケーションは、身体を動かして示すことができるから、なんとかなる。
 しかし、マス・メディアとのコミュニケーションは、外国人監督にとって、大きな問題である。


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サッカー日誌 / 2015年03月23日


ハリル監督の選手選び(中)


遠藤保仁はずしの理由
(3月19日 親善2試合の代表発表)

★ロシアW杯を戦うために
 日本代表のハリルホジッチ新監督は、3月下旬に行われる親善2試合を前に、招集する代表選手とそのバックアップ・メンバーを発表した。
 その総勢43人のなかに、遠藤保仁が入っていなかった。
 ハリルホジッチ監督は、記者会見で質問を受ける前に自分から、この点を丁寧に説明した。
 「遠藤の技量は評価している。日本代表チームの主軸として大きな役割を果たしてきたことも十分に承知している」
 そういう発言を、くどいほど繰り返した。
 そのうえで、こう説明した。
 「私に与えられた仕事は、2018年のロシア・ワールドカップを戦うことだと理解している」
 遠藤は、今年(2015年)で35歳である。ロシア・ワールドカップの時には39歳になる。そのときに、代表チームの主軸であり続けることは年齢的に難しいという考えだろう。

★二つの疑問
 しかし、二つの疑問がある。
 ロシア・ワールドカップの前にアジア予選がある。
 遠藤抜きで予選を勝ち抜く自信があるのだろうか?
 また、ハリルホジッチ監督は「その時点でベストのパフォーマンスをしている選手で代表チームを作る」と言っている。3年後の年齢を想定して、現在のメンバーからはずすのは矛盾している。
 ハリルホジッチ監督は、日本のサッカーについて、まだ十分な知識はないだろう。
 にもかかわらず、記者会見で遠藤の功績を強調し「遠藤はずし」の言い訳を繰り返した。
 「遠藤はずし」がハリルJの将来にとって、重要なターニング・ポイントであることを、サッカー協会から十分に説明されていたに違いないと思った。

★復帰の可能性は?
 ハリルホジッチ監督の説明のあと、記者側から「今後、遠藤を代表に呼ぶことないのか?」という質問が出た。
 ハリルホジッチ監督は、こう答えた。
 「非常に重要な試合で、遠藤が必要な状況であれば、加わってもらう」
 たとえば、である。
 ワールドカップ・アジア予選で、日本代表の成績が振るわない。次の試合を落とすと脱落する。そういう状況になったときに、起死回生の手段として「遠藤復帰」もありうる。
 そういうことだろうか?
 いろいろな考えがあるだろう。
 ぼくの考えはこうである。
 遠藤がトップレベルのパフォーマンスを見せているのであれば、代表チームに加えるべきである。
 力が衰えればはずすほかはないが、3年後を想定する必要はない。



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サッカー日誌 / 2015年03月22日


ハリル監督の選手選び(上)


異例の大量指名と大量招集
(3月19日 親善2試合の代表発表)

★総勢43人を指名
 日本代表のハリルホジッチ新監督が、3月下旬に行われる2試合の代表選手を発表した。
 発表の内容で意外だったことが2つある。
 第一は、多くの選手を指名したことである。
 第二は、遠藤保仁をはずしたことである。
 この二つの点と2年連続得点王の大久保嘉人を呼ばなかったことについて、ハリルホジッチ監督は丁寧に説明した。
 多くの選手を指名したことについては次のように述べた。
 「すべての選手にチャンスがあり、競争が始まることを分ってもらいたい」
 招集されたのは31人である。
 ふつうは、一つのチームとして集める選手は、23人から25人くらいである。
 短期間の2試合で31人は多すぎる。そのうえ12人の「バックアップ・メンバー」も公表した。合計43人になる。

★ケガの選手も招集
 今回の大量招集が、当面の2試合のためだけではないことは明らかである。
 ハリルホジッチ監督は多くの選手をキャンプに集めて、自分の目で確かめたいのだろう。
 ケガを抱えている内田篤人や長友佑都も招集した。
 ともに、試合に出られないかもしれないのに、欧州から呼ぶわけである。
 その狙いは、主力となる選手と直接、話し合う機会をつくることのようだ。
 「キャンプに監督だけの部屋はない。みんなが集まって話し合うための部屋を設ける」と述べた。
 入り口の門は大きく広げる。
 競争して代表の座を勝ち取って欲しい。
 選手たちと密接に話し合いたい。
 そういうメッセージである。

★バックアップ選手を公表
 試合前のキャンプに招集する選手のほかに、12人の「バックアップ・メンバー」を公表した。
 これも異例である。
 ケガなどで代表合宿に参加できない選手が出た場合、補充することは、これまでにも、よくあった。しかし、補充選手の候補を、あらかじめ公表しておくことはなかった。
 今回、公表した狙いは、「今後、代表に選ぶ可能性は十分にあるぞ」という監督の気持ちを伝える狙いだろう。
 28歳の興梠慎三が代表に復帰し、20歳の柿谷曜一朗は、バックアップ・メンバーだった。
 「その時点で、もっともパフォーマンスのいい選手で代表チームを作る」という方針からみれば、興梠の能力を、柿谷の将来性より重視したのだろう。
 ハリルホジッチ監督の考え方を、はっきり示した「大量指名」だった。


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サッカー日誌 / 2015年03月18日


「なでしこジャパン」への不安


アルガルベ・カップで敗退

グループ・リーグC組
 3月4日、●1対2 デンマーク
 3月6日、○3対0 ポルトガル 
 3月9日、●1対3 フランス
9位決定戦
 3月11日、○2対0 アイスランド

★カナダW杯で勝てるか?
 女子サッカーに詳しい仲間に訊いてみた。
 「なでしこジャパンは、大丈夫かね?」
 ポルトガルで行われた国際大会で、日本女子代表はグループ・リーグで敗退した。
 6月にはカナダで女子のワールドカップがあり、日本代表(なでしこジャパン)の連覇が期待されている。
 カナダで勝てるかどうか?
 心配である。
 女子サッカーに詳しい仲間の答えは、こうだった。
 日本は前回の優勝チームだから、各国からマークされ、研究されている。また、この4年間に、世界的にも女子サッカーの普及とレベルアップが進んで、強敵が増えている。
 その上「なでしこジャパン」の内部にも問題がある。
 第一に「若手が伸びていない」
 第二に「佐々木監督の手腕に疑問がある」
 第三に「チームがまとまっていない」

★「なでしこ」を育てたのは?
 若手育成については「思い当たるふし」がある。
 4年前のワールドカップで優勝したとき、佐々木則夫監督が「日本サッカー協会の育成政策で、若い素材が伸びてきているから将来の心配はない」と語ったのを覚えている。
 この佐々木監督の発言には違和感を覚えた。
 「なでしこ」の選手たちは、協会の育成策によって育ったのだろうか?
 選手を育てたのは「ベレーザ」などのクラブや十文字高校などの学校チームではないか?
 選手を育てるのは、協会でも、代表チームでもない。
 素材が所属しているクラブ(チーム)である。
 協会の育成の仕事は、育てる環境を整備することである。
 代表チームの監督の仕事は、育った素材を、どのように活用するかである。

★若手を活用せよ
 協会が育てたわけではないが、攻撃的なプレーヤーには、いい素材がいるように思う。
 今回はケガで参加しなかった岩渕真奈や、第2戦でみごとなゴールを挙げた横山久美などである。
 ただし、こういう選手を佐々木監督は、これまで、あまり活用していない。
 以上を併せて考えると佐々木監督の考えや手腕に「?」をつけたくなる。
 ただし、アルデガルベ・カップについては、6月のワールドカップに備えて、いろいろな選手を試し、経験を積ませているのかもしれない。
 「チームのまとまり」については、前回のワールドカップ優勝の中心だった澤穂希を代表からはずした理由が問題である。
 「佐々木監督と澤穂希が合わないのではないか?」という憶測もある。
 有能な人材を使いこなせないのであれば問題である。


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サッカー日誌 / 2015年03月16日


ハリルホジッチ監督への期待


日本代表の新監督就任
(3月12日 JFA理事会で承認)
(3月13日 来日記者会見)

★何を目標にするか?
 「ハリルホジッチ監督にどう思うかね?」と聞かれる。
 日本代表チームの新監督に就任したビハド・ハリルホジッチへの評価である。
 ぼくは、総理大臣でも、会社の部長でも、就任したときには批判しない主義である。
 就任したばかりで、まだ何もしていないのに、批判するのは公正でない。
 評価はできないが期待はすることはできる。
 何をしてもらいたいか? 何を目標にして欲しいか? などである。
 ぼくの考えでは、新監督にしてもらいたい仕事と目標は
2018年ワールドカップ予選を勝ち上がることである。
 ロシア・ワールドカップでの目標は、アジア予選を勝った上での問題である。
 当面の仕事は、ロシア・ワールドカップ本番ではない。

★契約期間は3年半?
 ところが新監督は「ロシア・ワールドカップで、ベスト16に進出することが目標」と語っている。
 「ワールドカップ本番を語るのは、まだ早いだろう」というのが、ぼくの感想である。
 ただし、このコメントは、ハリルホジッチ監督自身の責任であるとは限らない。
 記者側の誘導質問にのった結果かもしれない。
 サッカー協会が、ワールドカップ本番での「ベスト16」を目標として新監督に要求したのかもしれない。
 そうであれば、マスコミも協会も、ハリルホジッチ監督に今後3年半を託すつもりのようである。
 契約期間は公表されなかったが、ハリルホジッチ監督のコメントをみると、ロシア・ワールドカップ終了までの3年半のように推測できる。

★作戦能力の実績
 とはいえ――。 
 アギーレ前監督の「八百長疑惑」にはじまった今回の監督交代劇への日本サッカー協会の対応は、おおむね適切だったと思う。
 マスコミの報道を見るかぎり、ハリルホジッチ監督が不適当だとする理由はない。
 ハリルホジッチ監督に、選手の育成や「ハリルホジッチ・ジャパン」のチーム作りを期待するコメントや報道が見当たらなかったことは良かった。
 代表チーム監督の仕事は、選手の育成ではない。
 各クラブチームの選手のなから選手をピックアップして代表チームを編成し、そのつど、相手に応じて作戦を展開するのが仕事である。
 ハリルホジッチ監督は、そういう経験を積み、実績を残している。
 その点は期待できそうである。


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サッカー日誌 / 2015年03月15日


「大賞」発表が遅れた言い訳


まったく個人的な健康報告

★選考委員の老化が原因
 今回は、サッカーを離れ、まったく個人的なテーマである。
 牛木個人、健康、老化に興味のない方は、読まないでいただきたい。
 毎年恒例の「ビバ!サッカー大賞」の公表が2ヵ月以上も遅れた。
 なぜか? という問い合わせも受けた。
 結論は、ただ一人の選考委員(牛木)の老化である。
 「体調不良」で仕事が進まなくなっていた。
 「体調」といっても心肺機能や消化器機能ではない。
 もっぱら「首から上」の問題である。
 脳が元気をなくして「やる気」が起きないのである。
 ほかにも、うまく行かないことがあって「お医者さんに診てもらったほうがいい」と忠告された。
 そこで、かかりつけの近所のクリニックで診察を受けた。
 先生は、ぼくの親の代から掛かっている超ベテランである。

★春先に不摂生のツケ
 カルテ(診療簿)にはぼくの診察歴が記録されている。
 それを見せてもらって分ったのだが、前年にも、2年前にも、2月~3月に診察を受けている。
 しかも、そのときに、ぼくが先生に話した症状が、まったく同じである。
 全身がだるい。「やる気」が起きない。飲み過ぎ。眠りが浅い。などなど……。
 不摂生のツケが、春先に出てくる。
 それが、加齢とともに、ひどくなっているのだろう。
 もう一つの問題は「血圧」である。
 もともとは、それほど高くないのだが、寒くなると、ぴょんと高くなる。
 ふだんは上が130台、下が80台の上のほうくらいだが、1月ごろから150と90を超えている。
 不摂生のほうは「アルコールはほどほどに」と忠告され、血圧のほうは、とりあえず、頓服の降圧剤をいただいた。

★6月の健康診断は困る
 実は健康診断を2年間、受けていない。
 ぼくの住んでいる三鷹市では、誕生日の月に定期健康診断を受けることになっている。
 ぼくの誕生日は6月である。
 一昨年は、コンフェデレ-ションズ・カップで、昨年はワールドカップでブラジルへ取材に行っていた。
 健康診断を受けていないために、隠れている病気が発見されていないのではないか、と心配である。
 今年の6月は、女子ワールドカップでカナダに行く計画を立てている。
 カナダに行く前に自費ででも健康診断を受けたほうがいいかもしれないが、病気が見つかって旅行を止められるのも心配である。



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サッカー日誌 / 2015年03月14日


ビバ!サッカー大賞2014(下)


遠藤保仁に特別敢闘賞
技能賞と殊勲賞に山形のGK

★大賞を贈りたかった
 前年(2013年)の「ビバ!サッカー大賞」を覚えておられるだろうか。
 グランプリと敢闘賞には、横浜Fマリノスの中村俊輔を選んだ。長年の功績と天皇杯優勝が決め手だった。
 遠藤保仁には技能賞と殊勲賞を併せて贈った。
 実はこのとき、遠藤の表彰は翌年に先送りしたいという気持ちがあった。
 ブラジル・ワールドカップで日本代表が活躍すれば、そのキープレーヤーは遠藤になるだろう。そうなってから遠藤にグランプリを贈りたい。
 そう考えたのである。
 しかし、そのときに「悪い予感」もした。
 ブラジル大会で遠藤は使われないのではないか?
 そうなれば、遠藤にグランプリを贈る機会が失われるのではないか?

★三冠のキープレーや-
 「悪い予感」は当たった。
 ブラジル大会で、ザッケローニ監督は、遠藤をキープレーヤーとしては使わなかった。
 それが原因であるかどうかには異論もあるだろうが、日本代表はブラジルでは1勝も挙げられなかった。
 そういうこともあろうかと思って、遠藤には、あらかじめ技能賞と殊勲賞をダブルで贈って、ビバ!サッカー大賞の記録に留めておいたのでる。
 ワールドカップでは敗退したが、国内ではガンバ大阪が三冠を取り、遠藤はそのキープレーヤーだった。
 そういうわけで、改めて遠藤保仁にスポットを当てることにした。
 これまでに、何度も表彰しているから今回は「特別」と肩書きをつけて「敢闘賞」を贈る。2年併せて三冠である。

★山形GK山岸の決勝点
 2014年の技能賞は、12月初旬にすでに決めていた。
 モンテディオ山形のゴールキーパー、山岸範宏だ。
 11月30日のJ2、磐田対山形の試合で後半終了まぎわの追加時間に入って間もなく、山形がコーナーキックを得た。
 そのときゴールキーパーの山岸が前線まで出て、ヘディングを決めた。これが決勝点になった。
 ゴールキーパーのヘディングによる決勝点はJリーグで初めてだという。
 この試合はJ1昇格決定プレーオフ準決勝だった。
 引き分けなら磐田が勝ちあがるケースだった。
 山形は、このあとも勝ちあがって、J1復帰を決めたのだから、GK山岸のヘディング決勝点はモンテディオにとってはまさに殊勲のゴールである。
 というわけで、山岸に殊勲賞を併せて贈ることにする。


【過去のビバ!サッカー大賞】
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サッカー日誌 / 2015年03月13日


ビバ!サッカー大賞2014(中)


ガンバの強化スタッフに特別賞

ナビスコ杯決勝 3対2 広島
J1最終節   0対0 徳島
天皇杯決勝   3対1 山形

★三冠だけでは表彰しない
 発表が大幅に遅れた恒例のビバ!サッカー大賞2014のグランプリは、ブラインド・サッカーの日本開催に決定した。
 しかし、多くのサッカー愛好者からみれば、2014年の日本のサッカーでの大きな業績は、ガンバ大阪の三冠だろう。
 Jリーグ、ナビスコカップ、天皇杯の三大タイトルのすべてで優勝した。しかもJ2から復帰していきなりである。
 過去に三冠の例がないわけではないが、競争の激しい現在では、なかなかできない偉業である
 当然、グランプリの最有力候補だったが、唯一の選考委員であるぼくは、ちょっと躊躇した。
 というのは、単にタイトルをとったことだけでは表彰しないのが、ビバ!サッカー大賞の方針だからである。
 優勝については、すでにカップをもらっている。
 カップの上にカップを重ねることはしたくない。
 三つのタイトルを取っただけで、グランプリに選ぶのは適当でない

★監督と選手だけの力ではない
 一方で、わがビバ!サッカー大賞は毎年の重要な出来事を記録して歴史に残すことを使命としている。
 過去の受賞者の一覧をみれば、日本のサッカーの歴史が分るようにしたい。
 それが、ビバ!サッカーの思いである。
 そういうわけで、ガンバ大阪の三冠を、ビバ!サッカー大賞の歴史に残すために、別の要素を見つけたい。
 友人たちに意見を求めたがピンとした提案はなかった。
 そこで、独断と偏見で考えた。
 三冠の原動力は強化スタッフの見識と努力ではないか? 
 タイトルをとった功績は、選手と監督のものとされることが多い。
 しかし、タイトルを取ることのできたのは、クラブの強化スタッフの方針が正しかった結果ではないか?
 
★監督採用や選手補強
 チーム強化には、三つのポイントがある。
 第一は、いい監督を選ぶことである。
 第二は、いい選手を集めることである。
 第三は、いい練習環境を用意することである。
 第一と第二は、強化スタッフの仕事だろう。
 ガンバ大阪は、静岡をクビになっていた長谷川健太を監督にして、その才腕を発揮させた。
 シーズン前の移籍などで必要な選手を適切に集めた。新潟から移籍したゴールキーパーの東口順昭などである。
 こういう仕事が、三冠の背景にある。
 ガンバ大阪のホームページにはフロント32人とある。
 強化本部担当取締役・上野山信行、強化本部長・梶居勝志などの名前が並んでいる。
 そのうちの誰かが大きな役割を果たしたのだろうが、内情を知らないから、とりあえず「ガンバ大阪強化スタッフ」に「ビバ!サッカー特別賞」を授与することにした。


【過去のビバ!サッカー大賞】
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