サッカー日誌 / 2008年04月27日


大学スポーツの未来を考えよう


東大五月祭で5月24日に公開パネル討論

★新聞の扱いが小さい
 日曜日の新聞のスポーツ面を開いてみる。Jリーグの記事がトップで、メンバーも読みものも大きく載っている。関東大学サッカーは、その下のほうに、記録だけが「柱」で載っている。「柱」というのは、スコアを1行だけ載せる扱いのことである。「棒スコア」ともいう。新聞社内の用語だ。
 東京六大学野球は、前文、テーブル(記録)、雑感と一通り載っているが、一段見出しである。記事として最低限の扱いだ。新聞記事としては、二段以上の見出しが立たないと一人前ではない。
 1964年の東京オリンピックのころまでは、大学は日本のスポーツの中核だった。国際舞台で活躍する選手を生み出し、競技会は日本のトップレベルを示すものだった。新聞でも、トップ扱いだった。それに比べると……。
 
★多様なパネリストと参加者で討論
 いまは事情が違う。Jリーグが成功し、プロ野球の人気も衰えない。テニスや水泳などの個人スポーツのトップレベルの選手は、大学ではなく、町のクラブで育っている。大学スポーツの観客数は六大学野球でも、昔とは比較にならないほど減っている。マスコミで二流、三流扱いされるのもやむをえない。
 こういう現状を踏まえて「大学のサッカーをどうすればいいか」を考えようと、東大のサッカー部(ア式蹴球部)が公開パネル討論を企画している。米国で高校スポーツを経験した部員、欧州の大学スポーツを知っている他大学の先生、国立大学でチームを育てた先生、それに東大OBの浅見俊雄さん。計4人でディスカッションをし、フロアからも意見を出してもらって、みんなで考えようという趣旨である。
 五月祭のイベントとして5月24日(土)午前10時から本郷の東大構内法文2号館大教室で。

★いろいろな切り口がある
 こまかく分ければ、いろいろな切り口が考えられる。
 「大学は国際的な選手を育てる場所だろうか?」「大学を拠点に社会人も加えたクラブにしては?」「フェアプレーに徹して、いいスポーツのお手本を示してほしい」など、これは大学スポーツのありかたを考えるテーマである。
 「週に何日、1日に何時間くらい練習すべきか?」「年間の試合数は、どれくらいが適当か?」「部員数が多すぎるので、三軍以下は切り捨ててよいか?」など、現実的で、具体的な問題をテーマにすることもできる。
 ぼくは、仲間に呼びかけて、終わったあとで、近くの蕎麦屋かレストランで、討論の延長戦をしたいと思っている。いや、そっちのほうが本番だったりして……。

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サッカー日誌 / 2008年04月20日


Jクラブ提供のサッカー勉強会


4月11日(金)
第1回「東京ヴェルディのビバ!サッカー講座」

★帝京の古沼先生も講師に
 よみうり・日本テレビ文化センター新宿で「東京ヴェルディのビバ!サッカー講座」が4月11日にスタートした。毎月2回、第2、第4金曜日の午後7時~8時半である。半年(1期)11回。順調にいけば、その後もずっと続けたいものだと思っている。
 牛木がコーディネーターで、毎回、Jリーグ・クラブの東京ヴェルディが講師を派遣する。第1回はオリエンテーションなので、趣旨説明とこれからの進め方の相談、それに参加者の自己紹介が主だったが、ヴェルディからは広報部の多田寛さんが来て趣旨を説明、講師団の代表格で元帝京高校監督の古沼貞雄さんが短いお話をしてくださった。
 古沼さんは、現在、ヴェルディの育成アドバイザーである。今期のうちに「高校サッカーとクラブ・ユース」について、お話いただく予定になっている。他の講師も、担当の回でなくても、顔を出してくださったときには随時、お話をしていただければと思う。

★他チームのサポーターも参加
 参加した人たちには、いろいろなチームのサポーターがいた。とくに応援しているチームはないが「サッカーについて深く知りたいから参加した」という人もいた。
 講座を企画したときは「主としてヴェルディのサポーターを対象に」と考えていたが、参加者の話を聞いて、ぼくの見当が違っていることに気がついた。
 カルチャー・センターの「サッカー講座」に申し込む人は、特定のチームのサポーターとは限らない。サッカーというスポーツ文化そのものに興味を感じている人びとである。
 そうであれば、ヴェルディが派遣してくれる講師には、ヴェルディの内情を話していただくよりも、サッカーの専門家として、それぞれの分野についての考えを、体験をまじえて話していただくのがいい。「ヴェルディのことを話す講座」ではなく「ヴェルディ提供でサッカーを語る講座」にするのがいいと考えた。

★クラブの40年史も 
 東京ヴェルディは、1969年に設立された「読売サッカークラブ」が前身である。それから数えて、来年が40周年になる。
 読売クラブの創設にかかわった一人として、40周年を機会に、クラブの歴史をまとめ、クラブのあり方を振り返って、クラブの将来を考えたいものだと思う。
 この講座のなかで、ぼくが毎回、20分ほど、クラブの歴史を話す予定である。
 また、ヴェルディと相談して、これまでに、読売クラブとヴェルディで活躍した選手や関係者のOBに来てもらって、話してもらえるようにしようと計画している。それによって「クラブ40年史」の材料が集まるようにもしたい。
 サッカー文化を語り、クラブの歴史を振り返る。そういう趣旨に賛成のかたは、ぜひ参加していただきたい。

>>>詳しくはこちらへ。
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サッカー日誌 / 2008年04月12日


五輪代表、反町監督の新戦力


親善試合 U23日本代表 1対1 アンゴラ代表
(3月27日・東京国立競技場)

★北京へ向けて仕上げに自信
 北京オリンピックに向けて、U-23 日本代表の準備は最終ラウンドに入ろうとしている。いまのところ、反町康治監督のチーム作りは順調に進んでいるようだ。3月下旬に南アフリカのアンゴラ代表を迎えて行われた強化試合を見たときに、そう思った。
 新たに起用された選手は、速さと技術と自主的な判断力を兼ね備えている。反町監督が、どういうチーム作りを構想しているかが、選手の選び方で分かる。
 攻めのコンセプトは、ショートパスの速攻だろう。ボールを奪ったら、すばやく攻めあがる。2~3人の組み合わせで、短いパスをスピーディにつなぎ、突破する。
 試合は引き分けに終わったが、記者会見で反町監督は歯切れがよかった。「選手たちのプレーぶりを見ればお分かりでしょう」と、狙いどおりのチームができつつあることに、自信を持っているようだった。

★速さのある選手を起用
 前半はアンゴラの攻勢だったが、日本は激しく動き、きびしくマークして食い止めた。その守りからの逆襲が速かった。
 目についたのは、反町監督が新たに先発に起用した選手である。
 FWの豊田陽平(モンテディオ山形)は、反町監督のもとでは初先発である。味方がボールをとったときの走り出しがはやい。、
 右サイドで起用された長友佑都(FC東京)は、反町監督のもとで2試合め。これもスピードがあり、長い距離を一気に駆け上がる。クロスが正確で、後半12分の先取点は、長友ー豊田のコンビで生まれた。
 トップ下の梅崎司(浦和レッズ)、左ディフェンダーの森重真人(大分トリニータ)も良かった。森重は初の起用である。

★オーバーエージ枠が課題
 選ばれた選手の所属を見れば、反町監督がJ2を含めて、広くタレントを探していることが分かる。選ぶ基準がぶれていないことも分かる。
 もちろんオリンピックへの課題はいろいろある。
 本番では、競技場の芝生が、短いパスの速攻に向いているとは限らない。
 親善試合とは違って、メダルをめざす相手は、きびしく、激しくやってくる。
 若い選手たちが、自分たちのペースでプレーできなくなったときに、落ち着いて、態勢を立て直すことができるだろうか?
 そういうことを考えると、オーバーエージ枠を活用するかどうかが、重要なカギになってくる。反町監督は、この点については、歯切れが悪かった。これが6月からの準備の最終段階で大きな課題になる。
 
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サッカー日誌 / 2008年04月08日


日本代表、岡田監督の正念場


W杯アジア3次予選
バーレーン 1対0 日本
(3月26日・マナマ)

★5月下旬からの2週間が勝負
 日本代表チームの岡田武史監督にとって5月の後半が勝負になった。6月2日(月)にホームで行われるワールドカップ・アジア3次予選、対オマーン第1戦が、絶対に負けられない試合になったからである。
 この試合では、岡田監督は、自分の考える最善のメンバーをそろえなければならない。
 欧州組をどう加えるか、オシム前監督が主力に使った選手たちを、どの程度残すかを決断して「自分の選手」を選ばなければならない。
 5月18日(日)でJ1のシーズンが中断する。それからの2週間が正念場の準備期間になる。そこで「自分のチーム」を作り上げなければならない。
 この期間の5月24日(土)と27日(火)にコートジボアールとパラグアイを迎えてキリンカップがある。この試合で、チーム作りの方向を示さなければならない。
 
★初黒星は「迷走のはじまり」?
 3月下旬にマナマで行われたバーレーンとの第1戦に、日本は1対0で敗れた。岡田監督再就任以後の初黒星だった。
 勝てば非常に有利になり、引き分けでも明るい見通しが開ける試合だったから、残念な結果ではあったが、敵地での黒星一つは致命傷ではない。初黒星という結果を、それほど心配することはない。問題は結果ではなく、その試合ぶりだった。
 テレビで見たところ、これまでに積み上げられてきた日本のサッカーのよさは、かけらもなく、岡田監督がめざそうとしているチーム作りの方向も見られなかった。
 もちろん、テレビではわからにことが多い。しかし、現地に行った新聞記者の報道を読んでも同じだった。朝日の忠鉢信一記者の記事は「これは迷走の始まりかもしれない」(3月27日付朝刊)と手厳しい。
 
★就任7試合目まで「他人流」?
 テレビの画面を見ていて「芝生が相当に悪いのかな」と思っていた。すばやいパスを組み立てる攻めが少なく、縦へパスを出して相手の裏側を突こうとする攻めが多かったからである。グラウンドが悪いとゴロのパスは正確につながりにくいから、浮き球が多くなる。しかし、現地で見てきた仲間の話を聞くと、必ずしも、そればかりではなかったようだ。
 岡田監督の帰国後の話にも驚いた。3月28日のスタッフ会議と4月3日のコーチ会議の内容である。「これからは自分のやり方でいく」と宣言したという。これまでは「他人流」で、これから、ようやく「オレ流」なのか。「就任7試合目まで・・・自からを抑えつけていたとは信じがたい」と読売の軍地哲雄記者が批判している(4月3日付夕刊)
 どんな場合でも、その時点で、自分がもっとも適切と信じた方策で、一つ一つの試合を戦っていくべきではないか? それが「迷走」を防ぐ道である。
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