
野毛都橋商店街ビル。横浜市中区野毛町1。2010(平成22)年4月10日
大岡川の宮川橋と都橋の間の川沿いの道路上に建てられた共同店舗で、ちゃんとした住所はないようだ。宮川橋は宮川町(みやがわちょう)1丁目、都橋は野毛町(のげちょう)1丁目。建物名に「野毛都橋」がついているから住所も野毛町にしておいた。一般に使われている地区名としての「野毛」には野毛町も宮川町も入っているのだろう。
戦後の野毛は多くの露天で賑わった。大岡川から東の横浜の主要地はほとんどが進駐軍に接収されたから、日本人が商売できる野毛がその中心地になったのだろう。路上で営業していた露店を収容するために建てられたのが「野毛都橋商店街ビル」で、建設は市の依頼により「財団法人横浜市建築助成公社」が行った。設計=株式会社創和建築設計事務所(吉原慎一郎)、施行=株式会社小俣組、構造=鉄骨造地上2階地下1階建・陸屋根鉄板葺。
1964(昭和39)年11月21日が落成式。1階は靴、鞄、衣料品などの売店が、2階は喫茶、軽食などの店舗が入った。東京オリンピック開催に間に合わせた形になった(文化庁>野毛都橋商店街ビル。横浜新聞第33号平成29(2017)年)。
2016(平成28)年に横浜市の歴史的建造物に登録された。戦後復興の歴史を伝える建物であること、飲食店街として地域に親しまれていること、河川と一体化したデザインの優秀性、などが評価された結果である。耐震補強工事や改修工事を実施した後、建物は2017(平成29)年12月に「公益社団法人・横浜歴史資産調査会(ヨコハマヘリテイジ)」に寄贈された。

宮川橋から
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