ぼくの近代建築コレクション
東京の都心と下町を中心に、戦前に建てられた古い建物の写真を投稿していきます。
 




熱海芸妓見番。静岡県熱海市中央町17。2015(平成27)年11月20日

初川に面して建つ「熱海芸妓見番」と「熱海芸妓見番歌舞練場」の建物。熱海銀座の南が糸川、さらに南にあるから観光客はなかなかここまでは流れてこないような感じだ。
建物は昭和29年4月1日が落成式。昭和25年の大火で焼けたので再建したのかと思うと、そうでもないようだ。置屋だった跡に建てたのかもしれない。
『熱海温泉誌』(熱海市教育委員会制作、熱海市発行、2017年、3000円+税)によると、「熱海の芸妓組合はまず1913(大正2)年に設立されたようである。……なお1932(昭和7)年には改めて芸妓置屋組合が組織されている。」「初期の組合事務所は、今井家の屋敷跡地に造られた入浴施設「大湯」の1室で、その後は小沢湯の階下に移ったといい、温泉浴場施設の一部に間借りする形で出発した。昭和8~9年頃になって初めて組合事務所専用の建物が浜町に新築される。」その場所は載っている地図から、熱海銀座の裏(現・銀座町6)と思われる。
芸妓・置屋の数は「2016(平成28)年7月現在、熱海芸妓置屋連合組合に登録されている芸妓数は約120名。置屋は60カ所弱である。……1箇所の見番で抱える芸妓数としてはまだ全国屈指だ。」
見番は、建物が建ったときに設立された「熱海観光事業株式会社」が運営している。組織としては「熱海芸妓置屋連合組合」と重なるという。資本金1500万円を3万株とし、置屋1軒あたり100株の営業株を定めた。置屋を300軒と予測したわけだ。昭和40年代には株の空き待ちが生じたという。
なお、置屋(おきや)は芸者が所属する家で、その組合が見番(けんばん)。

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コメント
 
 
 
Unknown (伊豆石文化探究会)
2022-03-12 10:29:34
はじめまして静岡県で郷土研究を中心に活動しております。伊豆石文化探究会の剣持と申します。伊豆石に関する研究について情報提供いただきたいことがございます。13/01/16 14:59の「文部省/霞が関3丁目」の記事にて腰貼りに横根沢石が使用されているという記載があったのですが、この引用元みたいなものがありましたら教えていただけませんでしょうか?よろしくお願い申し上げます。
 
 
 
>伊豆石文化探究会・剣持様 (流一)
2022-03-12 15:07:45
引用元は国土交通省のホームページです。
『国土交通省>官庁営繕>中央合同庁舎第7号館 保存棟』
https://www.mlit.go.jp/gobuild/history_7goukan.html
外観の特徴として「……外壁のスクラッチタイル(表面を引っ掻いた模様のタイル)、外壁下部の豆州(ずしゅう)産(伊豆長岡)の横根澤石(御影石の一種)……」と記述されています。
 
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