ぼくの近代建築コレクション
東京の都心と下町を中心に、戦前に建てられた古い建物の写真を投稿していきます。
 




大隈邸門衛所。新宿区戸塚町1-104。2004(平成16)年11月9日

大隈庭園入口の脇に建っているというか置かれている、大隈邸の門衛所だった建物。元の大隈邸の入り口は大隈講堂の前、早大通りとの角のほうに門があったようで、その左側に門衛所があったと思われる。ネットで見られる大隈講堂建築中の写真に門衛所が写っている。門衛所を移してから講堂の建設を始めたのではないのが不思議だ。
門衛所が建てられたのは1902年(明治35年)。『早稲田大学校友会>記憶の中の早稲田>Vol.27(早稲田学報2016年2月号)』に、「明治35年の大隈重信邸」の洋館の水彩画が載っていて、手書き地図に「(大隈邸は)明治34年に焼失。翌年保岡勝也を中心に再建。昭和20年(5月の空襲で)焼失。」と書き込んである。大隈邸門衛所は明治35年に邸宅と一緒に再建されたものだった。保岡勝也は川越の旧八十五銀行本店と旧山吉デパートの設計者。門衛所についてはなんとも言えないが、文京区西方の平野家住宅が保岡の設計で、その洋館のハーフティンバーとドーマー(屋根の窓)が門衛所と共通している。また、佐賀県唐津の旧三菱合資会社唐津支店本館にも似たような装飾部分を感じる。

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