ぼくの近代建築コレクション
東京の都心と下町を中心に、戦前に建てられた古い建物の写真を投稿していきます。
 




ヤマニ裏地店。千代田区神田須田町1-12。1994(平成6)年2月6日

靖国通りの須田町交差点付近の1本南の裏通り。角のヤマニ裏地店から看板建築の長屋が並んでいる。三金(おでんの飲み屋らしい、今は「二灯庵」という鉄板焼きの店に替わった)が看板建築らしいデザインした正面をしているが、それ以外の家はモルタル壁のそっけない正面で、注目度は低い。
千代田区神田周辺地区における景観形成の推進のための調査』(歴史・文化のまちづくり研究会神田研究部会、平成17年)に「3.景観資源>(3)看板建築等リスト」があって、「18.三金、神田宝仙堂(薬)―外壁モルタル、カラー鉄板,3軒長屋」「19.ヤマ二裏地店―1F外壁煉瓦,2F板張り、4軒長屋」が挙げられている。「三金、昌平薬品、神田宝仙堂」が三軒長屋とすると、ヤマニを2軒分としてその右(車庫らしい)の家とでは4軒長屋にならない。たぶんヤマニは裏の2軒を加えての4軒長屋ということかもしれない。
ヤマニ裏地店は昭和28年の創業という。当時は須田町一帯に300軒近いラシャ(羅紗)屋が集中したらしい。ラシャはだいたいが背広(当時はスーツなどとはいわなかった)の生地で、都内のテーラーが須田町で生地を仕入れたのだろう。ヤマニ裏地店は裏地とボタンなどの付属品を扱う。紳士服に限らないから顧客は絶えないのだろう。



あさひ。神田須田町1-12。2005(平成17)年3月31日

ヤマニ裏地店の裏にある家で、二軒長屋の看板建築らしい。ストリートビューで見ると、手前が「あさひ」という居酒屋、奥が「げたばき」というワイン酒場。手前の空地にはビルが建ったので、今は建物の横はみられない。

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