ぼくの近代建築コレクション
東京の都心と下町を中心に、戦前に建てられた古い建物の写真を投稿していきます。
 




木庭印房、林理髪店。品川区南品川2-11。左:2000(平成12)年3月1日、右:2009(平成21)年4月12日

旧東海道の目黒川から南へ340mほどのところ。古い二軒長屋が残っている。この辺りは「品川宿場通り南会」という商店街が組織されている。以前は「南品川商工会」といっていたのを2001年4月に改名したという。左写真は旧商店街名の頃で、街灯が右写真とは異なる。改名を機に交換したしたのかもしれない。
長屋の左は「青波堂木庭印房」。右は看板がないから商売はやめたようだが、床屋だったのだろうとすぐ分かる造りである。1981年の地図では「ハヤシバーバー」。



左:富田屋工業所。南品川2-10。2004(平成16)年1月11日
右:明立電気工業所。南品川2-10。2000(平成12)年3月1日

富田屋工業所は木庭印房から数軒南のところ。『しながわ観光協会>富田屋工業所・町家造り』によると、大正7年に建てられた町屋造りの商家で、水道工事の店。伊東深水(1898-1872、朝丘雪路は実娘)がしばしば訪れ、二階をアトリエ代わりに芸者衆を写生していたという。深水は1919(大正8)年に結婚して東京府荏原郡大井町南浜川(現在の品川区南大井)に居を構えた(品川区>品川人物伝 第35回)から、そこから南品川へ出没したのだろうか。
現在は、家は元の姿に近いように修復されたようで、横のトタン張りが下見板に回復され、1階の軒の上に右から書きの看板が取り付けられた。その看板には「創業明治二十七年」とある。
明立電気工業所は富田屋から3軒南、常行寺への参道との角にあった家。ただの民家にしか見えないが「明立電気工業所」の表札がかかっている。現在は取り壊されて時間貸しの駐車場に。

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