ETUDE

~美味しいお酒、香り高い珈琲、そして何よりも素敵な音楽。
これが、私(romani)の三種の神器です。~

悪魔のひとこと

2009-07-04 | その他
昨日は部下の送別会だった。
実に誠実な男で、私が顧客なら絶対離さないような好人物なんだけど、唯一の欠点は優しすぎる性格。
それが災いして、仕事においても、どうしても優柔不断なところが顔を覗かせてしまう。
そんな彼に、私が最後に贈ったアドバイスは、「悪魔のひとことを、今後は極力しまいこめ。」

その悪魔のひとこととは、「持ち帰って検討します」という言葉。
このフレーズを頻繁に使う人間を、私は信用しない。
たとえばお客さんと緊張感をもってせめぎ合いをする中で、相手のエネルギーをかわす特効薬がこの一言。
しかし、この悪魔のひとことは、あくまでも時効の中断であって、根本的には何も解決していない。
それどころか、時間の経過とともに、顧客は自分の希望通りの回答をしてくれるという思い込みがどんどん強くなってくる。
そして最終的にネガティブな回答をしようものなら、間違いなくクレームに・・・。
そうならないためには、可能な限り入念に準備をした上で商談の場に臨み、ひとたび相手を前にしたら、たとえどんなに状況が苦しくなっても逃げずにその場で必死に考え、自らベストと信ずる回答をすることだと思う。
これは、なにも、「えいや!」という思いきりだけで、いい加減な回答をしろと言っているわけではない。
専門知識の修得、情報の収集・分析、顧客にとっての最高のスキームは何かを必死で考える姿勢、そんな日々の地道な努力の積み重ねがあって、はじめて逃げずに回答することができる。
そして最後の最後にものをいうのは、やはり人間力。
それらが有機的に結びついてこそ顧客からの信頼につながると、私は信じている。

こういった考え方・感覚・呼吸を理解してくれれば、彼はきっと大きく開花するだろう。
人間性は私が太鼓判をおすくらいだから。
またいつの日か、一緒に仕事をしよう。

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