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久しぶりに劇団pH-7 の公演を観た 橘かおり健在なり!

2022-11-24 13:29:17 | 写真とおしゃべり

        

 しばらく前になってしまったが、久しぶりに劇団公演に行ってきた。
 「劇団pH-7 40周年記念公演プレ企画・劇団pH-7 地下劇場20周年記念企画」の一連の企画の一つで、「匣(はこ)かたり」と銘打たれたそれは「かたり」が示すように、朗読劇ともいえる四つの短い物語のオムニバスであった。
 
 そのタイトルなどは以下のようである。
1)「葵の上」 三島由紀夫・台本
2)小品集 その1 「回収稼業」 北野和恵・台本
3)小品集 その2  「走る女」 北野和恵・台本
4)「けぬき」 北野和恵・台本

        
     この内、「扇の的」は上演されず、上演順も上に私が述べたようであった。

 それらの「かたり」はどれも面白かったのだが、やはり、1)と4)が良かったと思う。一つにはどちらも題材が古典に依拠していたこと(1は「源氏物語」 2は「八百屋お七」)、二つにはそれらが朗読の域を超えて、照明、音響、衣装、メイクなどが本格的で視覚的にも楽しめたこと、そして三つには私が飲食店を始めた約半世紀前から幾ばくもしないうちに知り合った劇団pH-7の看板大女優・橘かおりさんが健在でその張りのあるセリフ回しと妖しい演技を惜しみなく披露してくれたことにある。

        
           上演前のひととき  於:劇団pH-7地下劇場

 とりわけ、三島の台本による「葵の上」は、そのセリフの一言一句が研ぎ澄まされた詩情に溢れていて、そのミステリアスな情況を余すところなく表現していたと思う。むろん、それを演じた橘かおりさんの熱演あってのはなしだが・・・・。

 なお、劇団pH-7とは以下のよう劇団である(そのHPから)。
  https://ph-7.sakura.ne.jp/

 思い起こせば、1970年代後半から80年代にかけて、名古屋はいわゆるアングラ劇団の密集地帯でその隆盛を誇っていた。いまそれらがどれほど健在であるかはよく知らないが、おそらく、この劇団pH-7 はその時代からずっ~と歩み続けている数少ない劇団だと思う。
 
 半世紀以上前の私の若い頃は、演劇活動といえば「新劇」であった。その新劇のパラノイックさをスキゾフレーニーに乗り越えようとしたところにアングラ劇団の歴史的意味があったし、いまもあると思う。
 だとしたら、まもなく40周年を迎えようとしているこの劇団を注視し続けるのも面白いのではないかと改めて思った次第である。

 なお、劇団pH-7で検索したら、この劇団がその35周年記念に公演した「石の舟」(原案は三田村博史「漂い果てつ」風媒社刊 台本:北野和恵)がYouTubeにあり、それを私は生の舞台で観たのであった。
 https://www.youtube.com/watch?v=Yi8awokBZ-A
 
 時間があったらご覧になると面白いですよ。
コメント (2)
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