毎年、門松代わりに玄関先に花など飾るが、今年は紅葉した南天にした。
ひょろっとしているが樹齢30年を超えている。その頃の年末、地元のヤクザのあんちゃんが、「これ買ってくれ、2万円だ」といって寄せ植えの鉢を持ってきた。断ると、年が明けてからノルマが果たせなかった残務処理で、5千円にするからというので買ってやった。
このあんちゃんは私のやっていた居酒屋の常連客で、変な言い方だがけっこう人の良い好青年だった。
その後この組は、大手の組の進出にドンパチを混じえてしばらく抵抗していたが、やがて潰された。そのあんちゃんが抗争を生き延びたかどうかは知らない。どっかで気質になっていてくれたらと思う。
この南天はその折の寄植えをばらして育てたもの。
何にでも歴史はあるものだ。