六文錢の部屋へようこそ!

心に映りゆくよしなしごと書きとめどころ

ノーベル文学賞と映画

2012-10-12 17:04:37 | アート
 以下は私の友人のブログにコメントとしてつけたものですが、こちらへも転載させて頂きます。

           

 ノーベル文学賞は中国の莫言氏に決まりましたね。
 しかし、その略歴を読んで驚きました。なんということでしょう。このひとの原作で映画化されたものを全部観ているのです。「紅いコーリャン」、「至福のとき」はチャン・イーモウ。そして「故郷の香り」は「山の郵便配達」のフォ・ジェンチイ監督によるものでした。
 この最後の作品には香川照之がスナフキンのようなアヒル使いの役で好演していました。

 偶然といえば、昨日読んでいた水村美苗の「日本語が亡びるとき」という本の中に、アメリカのアイオワで開かれたIWPという文学学校のような催しに各国の作家が参加する話があり、そのメンバーのひとりでほとんど英語を話さない中国から来た「田舎のあんちゃん」(水村)が実はカンヌで特別賞をとった「活きる」(監督はチャン・イーモウ)の原作者と知って驚くシーンがあるのですが、それを読んだあとで上の事実を知って私も驚いたわけです。

 もちろん、この「活きる」も観ています。
 いずれも、チャン・イーモウらがハリウッド資本に絡め取られる前の中国映画の良き時代の作品ですね。


コメント (2)
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私の休日 映画とコンサートしか能がないのか!?

2012-10-12 16:00:33 | よしなしごと
 写真は直接関係ありません。私の散歩道からです。

 定例の締め切りを済ませた一日、自分で自分にご褒美の休日を与えることにしました。自分で休日を決めるなんて宮仕えの人には決してできないことですね。
 でもその代わり、カレンダーが日曜だろうが休日だろうがやることはやっているのですよ。

 
         ざくろが真っ赤に            赤まんまそのまんま

 断っておきますがカネになるとかならないとかとはまったく関わりがありません。周りの仲間との約束、そして自分との約束です。それが果たせれば少しばかり自由な時間が出来ます。

 まずは映画。評判の良い『最強のふたり』を選びました。
 体の不自由で教養豊かな大富豪が無教養な黒人の介護士を採用し、二人の間に友情が育まれるというシチュエーションはけっこう面白く、とくに黒人のオマール・シーはかっこいいのです。私も黒人になったら、あんなふうに歩いたり行動したいと思いました。

 

 しかし、映画そのものには幾分の物足りなさを感じました。他者の交わりという映画はゴマンとあります。しかし、この映画の他者はもともと他者ではないのです。大富豪が彼を採用した時からすでにしてある種の同一性は担保されたいたのです。ですからあとは、この展開の面白さしかありません。その意味での面白さは十分ありました。

  
             矢印のとおりにゆくとイノシシの首が・・・

 この種の映画では、もう10年以上前に観た『ドライビング Miss デイジー』のほうがはるかにダイナミズムがアリました。
 当初のヘイトにも似た感情が、次第に愛情へと昇華されて行く過程はじつに感動的でした。ここにはまさに他者との出会いがありました。
 ラストシーンがまた素晴らしかったですね。

 
         もう一月半でおせちに使うクワイ畑(左)とレンコン畑(右)
 
 映画のあとはコンサートです。
 N響のコンマス、山口裕之率いる弦楽五重奏団のライブです。
 曲目はモーツァアルトの弦楽五重奏曲、第3番(K515)と第4番(K516)です。
このうち、第4番は「疾走する悲しみ」で有名ですからお聞きになった方も多いと思いますが、弦楽五重奏のライブは意外と少ないのです。

 というのは、弦楽四重奏団というのは世界中にゴマンとあるのですが、固定した五重奏団というのはほとんどないのです。ですから、五重奏を演奏する場合には四重奏団にプラスα(たいていはヴィオラ)を借りてきて演奏するのです。

 
        カラスウリの葉っぱです           小さな社の小さなしめ縄
 
 演奏は楽しかったです。K515は朝からの活動で少し疲れていたせいか眠くなるところがありましたが、好きなK516ではお目めパッチリで、各奏者の弓使いを観ていました。
 コンマスの山口裕之さんの弓使いはさすがですね。上下左右、時としては円を描くようななそれが、えもいわれぬ美しくなめらかな音色を産みだすのです。

 
        稲刈りが済んだ田            マイ・ニュー・ガールフレンズ
 
 その後は演奏者を交えての懇親会。いろいろな話が交錯してけっこう耳学問をしてきました。
 店がお開きになるまで粘って追い出されることに。
 JRでまっすぐに岐阜へ。そして愛用のチャリンコで帰宅。
 秋の夜はけっこう火照った体に気持ちいいものがありました。
 とりわけ、今日、稲を刈ったであろう田の傍らを通ると、えもいわれぬ爽やかな香りが漂っていました。
 この匂いが好きです。しかしその香り、やはりその日のうちでないと翌日にはその大半が失われてしまうのです。

 かくて私の休日は終わったのでした。


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