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心に映りゆくよしなしごと書きとめどころ

「アクアージュ柳ヶ瀬」と岐阜水物語

2011-05-03 18:11:36 | 写真とおしゃべり
 岐阜は水の街です。
 奥美濃に発し山間部を縫ってきた長良川は岐阜に達し、濃尾平野に弾けます。
 岐阜界隈はかつては長良川の扇状地として縦横無尽に流れが走っていたのです。
 それらは整備されて本流に一本化されましたが、それでもその名残で岐阜の街は幾条かの清流があちらこちらに見られました。

         
 
 そしてそれらは、実は今もあるのです。
 ところが、主として戦後、土地の有効活用ということでそのほとんどに蓋がされ、それらの流れはいわゆる暗渠になって陽の目を見なくなってしまったのです。
 それらは今、道路や駐車場の下で眠っています。
 これはとても残念ですね。

         

 今、歩いたり、自転車で岐阜の街をゆくと、思わぬところで足元から水が流れる音が聞こえることがあります。それがかつての流れなのです。
 大雨のあとなど、轟々と流れる音が聞こえることもあります。
 街の道路がほぼ碁盤目なのに対し、これらの流れはそれを無視し斜めに走ったり不規則に曲がったりしています。
 街中でそうした道路を見つけたら、その下には幽閉された水路があるのです。

            

 岐阜の繁華街は「柳ヶ瀬」といいます。
 これ自身水に縁のある地名ですね。
 そこでかつての清流を部分的に復活させたのが柳ケ瀬本通と平行に走る「アクアージュ柳ケ瀬」なのです。
 わずか200メートルほどの小路なのですが、それに沿って清流が走り、水にちなんだ様々なオブジェが目を楽しませてくれます。
 写真はそれらの一端を紹介したものです。

            

 しかし本当は、こうした部分的な復元ではなく、すべての蓋をとっぱらってかつての流れを復活させたいですね。

            

 暗渠が延々と何キロも続くさまを考えると、その下はどうなっているだろうと想像してしまいます。
 例えばこんなイメージはどうでしょう。
 「逃げ出した水棲のペットたちがそこに集団をなして住んでいる。何代にもわたり陽の目を見ないため、体色は真っ白になり、目も退化し、わずかにそれがあった痕跡として赤い点状のものがあるのみ。そうした魚類や両生類、ようするにサカナやエビ、カニ、イモリ、カエル、ワニ、カメなどなどが集団で棲息している」

            
 
 ちょっと、SFっぽいでしょう。
 そこに、真っ白で眼のところだけ赤い捨てられた児がいて、それらの水生動物の中心にいるというのはどうでしょう。

            

 そんな空想はともかく、いつの日か本当に全部の暗渠が解放されたらと思います。






コメント (2)
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