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心に映りゆくよしなしごと書きとめどころ

草彅君と警察とそしてマスコミ・・・

2009-04-25 05:16:51 | 社会評論
 

 オイ、オイ、オイという話ではありませんか。
 確かにマスコミが食いつきそうなネタではあります。
 しかし、冷静にみれば、ひとりの若者が酔っぱらって公園で裸になり叫んだというだけなのです。
 あらかじめ言っておきますが、私は草彅君に特別な好感も嫌悪感ももっていません。

 天下のNHKをはじめ、各社がトップやトップ2で報じる話でしょうか。
 その間に、自衛隊のソマリア沖での活動範囲についてや、世襲議員の見直し論議などが問題となり、補正予算案の審議入りや年金機構の法改正などが控えている時になんたるチア、惨たるチアであります。
 普通なら、これは芸能ニュースとして控えめに報じられるような話なのです。
 
 それを、あの鳩山総務大臣までがしゃしゃり出て、あられもなく、草彅君の全人格をも否定するような差別的発現をなさいました。これはまさに、NHK自身が認めている2011年の地デジ移行の不可能性を、まるで草彅君のせいにしかねないヒステリックな対応といわねばなりません。
 さすがに、すぐ乱心するこの殿の側近たちが「あれはまずいのでは」と奏上されたのでしょうか、翌日には幾分のトーンダウンが見られました。

 しかしながら、問題はマスコミのこの問題に対する比重の置き方というより、その質の低劣さ、批判精神の欠如にこそあるといわねばなりません。彼らはどこを見てものを言っているのでしょうか。

 冒頭にも書きましたように、ようするに酔っぱらった若者が裸で騒いだということです。しかも、人が往来する場所ではなく深夜の公園です。誰も傷つけていませんし、確たる被害もなかったようです。普通ならこれは、「オイ、オイ、おまえ飲み過ぎだぞ」といってトラ箱へ保護すれば済む話です。
 それを警察は逮捕しました。百歩譲って「公然わいせつ物陳列罪」による逮捕だとしましょう(それ自身成立が危ぶまれるのですが)。しかし、何のための拘留、何のためのガサ入れでしょうか。
 
 これは明らかに別件逮捕による不当捜査に他なりません。
 彼が裸になったことの裏付けは家宅捜査をしなければ得られなかったのでしょうか。そんなことは決してありません。警察は、これを足がかりに何かほかの功績(例えば薬)を得られないかと画策したのです。
 だから彼が酔いも醒めやらずもうろうとしていて、弁護士らと連絡をしたり、適切な対応が出来ない段階でガサ入れをしたのです。
 これは明らかに別件逮捕であり、違法捜査であり、かつ基本的人権の侵害です。

 草彅君の釈放に当たっての警察、検察の発表は、逃亡や証拠隠滅の恐れはないということです。当たり前でしょう。彼がどこへ逃亡できるというのでしょうか。ましてや、裸でいたことの証拠をどうやって隠滅出来るのでしょうか。

 問題は、これをちゃんと取り上げてその違法性に触れた報道が一切ないということです。
 酔いつぶれていただけで、家宅捜査までされるということは異常なことなのですが、どこもその違法性や過剰捜査、そして重大な人権侵害に触れようとはしません。
 各社一斉にどぶに落ちた犬をつつき回しているのが実情です。

 恐ろしい国になったものです。
 マスコミが各種の行き過ぎを指摘できなくなった時、民主主義は終わります。
 日本のマスコミが、語り口こそソフトだけれど、あの硬直した口調で将軍様のお達しを語りかける北朝鮮の報道姿勢と本質的には変わらないことを見せつけられた何日かでした。
 

コメント (11)
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