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今日はなにいろ?

V6の岡田君が好きだと言っていた映画について

2006-11-27 10:30:18 | 映画
バラエティ番組でV6の岡田准一さんがロシア映画の「父、帰る」が好きな映画だと言っているのを聞いてちょっと驚き

この映画は2003年ヴェネチア国際映画祭の金獅子賞を授賞したロシアの作品です。

私はこの映画を映画館で見逃してしまい、DVDをレンタルして観たのですが、観終わった後の衝撃と言うか、悲しみとか、やるせなさとか、そんな思いがぶわーっと溢れてきて、熱にうなされるように、この映画のことがしばらく忘れられませんでした。

どんな映画なのか、2005年に書いた感想をちょっとここに転載してみます。

それでなくても煙たがられる父親。
しかも12年も家に帰ってきてなかったのに突然現れ、そのうえ、明日から一緒に旅行に出ると言い出す。
子供達の戸惑いは充分分かるのだ。
そのうえこの父親、少しも子供の意見を聞くというところがない。
自分の思う通りに行動する。
道路に子供を置き去りにしたり、このままバスで家に帰れと言い出したりする。
弟が「いじめるために来たのか」と言い出すのも当然なのだ。
観ているだけで辛くなる。同時に父親への怒りも頂点に達する。
この父親に鍛えられたせいで子供達が強くなって「飛べなかった高飛び込みも飛べるようになりました」なんて結末だったら救いようがないなあと思いつつ観ていると、話しは急転回。
父親への怒りが宙に浮き、沈んでいったボートのように悲しみが心の奥深くに沈んでいく。
なんとも言いようがない悲しみとやるせなさは当分消えようもない。

この映画、私は好きな映画とは言えないし、もう1回観たいとも思わない。
でもこの映画を好きだと言っている人がいたら「おぬし、なかなかやるな」と声を掛けたくなるような、そんな映画なわけです。

ちなみにこのDVDには特典シーンがついていて、いつもは特典映像など観たことないのですが、あまり知られていないロシアの監督、俳優さん達のことだったので、観てみました。

映像はヴェネチアでの授賞式のシーンや、監督、出演者のインタビューなど、もろもろあったのですが、なぜかお兄ちゃんを演じた少年のインタビューはありません(そう言えば授賞式にも出ていない)
最後になって、出演する前に受けたオーディションの様子やどんな大人になりたいかなどのインタビューが登場しました。
「撮影終了2ヶ月後、撮影の現場ともなった湖で溺死した」とのテロップと共に。
何とも悲しい出来事です。

思いもかけぬところで耳にした「父、帰る」の言葉に、いろいろ思いを馳せてみました。