細胞浸透力高いアミノ酸集め
細胞に浸透しやすい構造のアミノ酸「ベータ・リジン」を集める力がある酵素「ORF19」を、福井県立大生物資源学部の浜野吉十(よしみつ)准教授(40)らの研究チームが発見した。
浜野准教授は「細胞に浸透せず効き目がなくなった薬にORF19を加えれば、再び効果を発揮する可能性もある。新薬開発などに役立つのでは」と話している。
研究グループは、ベータ・リジンが細胞に浸透しやすい上、動物への副作用がない点に着目。土壌微生物の放線菌が抗生物質「ストレプトスリシン」を生成する過程を分析したところ、ORF5、ORF18という新発見の酵素が放線菌の細胞内の化合物に働きかけた後、ORF19がベータ・リジンをいくつもつなげていく様子が確認できたという。
浜野准教授らによると、抗がん剤の場合、長期間投与すると、薬への耐性ができてがん細胞に薬が届かなくなり、効き目が低下するが、ORF19によってベータ・リジンをいくつも結合させれば、理論上、効果が復活する可能性があるという。
研究結果は米科学誌「ネイチャー・ケミカル・バイオロジー」電子版に掲載された。
2012年7月23日 読売新聞
細胞に浸透しやすい構造のアミノ酸「ベータ・リジン」を集める力がある酵素「ORF19」を、福井県立大生物資源学部の浜野吉十(よしみつ)准教授(40)らの研究チームが発見した。
浜野准教授は「細胞に浸透せず効き目がなくなった薬にORF19を加えれば、再び効果を発揮する可能性もある。新薬開発などに役立つのでは」と話している。
研究グループは、ベータ・リジンが細胞に浸透しやすい上、動物への副作用がない点に着目。土壌微生物の放線菌が抗生物質「ストレプトスリシン」を生成する過程を分析したところ、ORF5、ORF18という新発見の酵素が放線菌の細胞内の化合物に働きかけた後、ORF19がベータ・リジンをいくつもつなげていく様子が確認できたという。
浜野准教授らによると、抗がん剤の場合、長期間投与すると、薬への耐性ができてがん細胞に薬が届かなくなり、効き目が低下するが、ORF19によってベータ・リジンをいくつも結合させれば、理論上、効果が復活する可能性があるという。
研究結果は米科学誌「ネイチャー・ケミカル・バイオロジー」電子版に掲載された。
2012年7月23日 読売新聞