バイオの故里から

バイオ塾主宰・Dr.Kawanoの日々、収集している情報(DB原稿)をバイオ塾メンバー向けて公開しています。

ムチンとピロリ菌について

2005年08月05日 | 医療 医薬 健康
<バイオ塾>サイトへのSeed-GRさんからの投稿です。
最近ピロリ菌の話題をよく聞くことがあります。
電車広告の中吊りでもよく見られる、ピロリ菌を殺すと評判のLG21乳酸菌が注目されていますね。
しかし、人間の体にもピロリ菌に対して抗菌活性を示すものがあるのです。
人間の胃の粘膜にはムチン型糖たんぱく質があって、それがピロリ菌に対して抗菌活性を示してるということです。
いままでピロリ菌だけに対しての抗菌剤というものはなく、よい菌も一緒に除菌してしまう抗生物質が主でした。
もし、このムチン型糖タンパク質のピロリ菌に対して抗菌活性を持っている最小単位である糖を合成できれば、人間には無害でピロリ菌だけに対して効果のある薬ができます。
おもしろいことだけど、難しいですね。
また商品として売り出されるまで時間もかかりそうですし。 Seed-GR

第2世代の抗ピロリ菌についてですが、糖質を絡めた考え方で研究開発は進んでいます。ライオン㈱のムチンの活用事例を紹介します。

出願番号 : 特許出願2002-383533 出願日 : 2002年12月25日
公開番号 : 特許公開2004-203850 公開日 : 2004年7月22日
出願人 : ライオン株式会社 発明者 : 物井 則幸 外5名

発明の名称 : 胃腸用組成物及び口腔用組成物

【課題】粘膜底部に存在するヘリコバクター・ピロリ菌の炎症誘発物質リポポリサッカライドに対して高い毒性抑制作用を有し、胃炎、胃潰瘍、十二指腸潰瘍などの胃腸疾患の予防又は治療、並びに口臭、歯周病などの口腔疾患の予防等に効果がある胃腸用組成物及び口腔用組成物を提供する。
【解決手段】ヘリコバクター・ピロリ菌毒性抑制剤(A)と非FGF糖タンパク質(B)とを含有することを特徴とする胃腸用組成物及び口腔用組成物。

ムチンの検査キットに繋がる研究開発も始まっています。

出願番号 : 特許出願平10-134272 出願日 : 1998年4月30日
公開番号 : 特許公開平11-313669 公開日 : 1999年11月16日
出願人 : 関東化学株式会社 発明者 : 栗原 誠 外4名

発明の名称 : 抗ヒト胃ムチンモノクローナル抗体

【目的】 ヒトの胃表層型粘液の測定に使用可能な新規なモノクローナル抗体の提供。
【構成】 ヒトの胃の表層型粘液細胞が産生するムチンと特異的に反応するIgG1クラスモノクローナル抗体および該モノクローナル抗体を産生するハイブリドーマ。

出願番号 : 特許出願平11-351405 出願日 : 1999年12月10日
公開番号 : 特許公開2000-229865 公開日 : 2000年8月22日
出願人 : 株式会社ゲン・コーポレーション 外1名 発明者 : 兒玉 義勝 外1名

発明の名称 : ヘリコバクター・ピロリ定着阻害剤

【課題】 安全で効果的なヘリコバクター・ピロリの定着阻害剤を得て、食品に添加して消化性潰瘍等に対する予防、改善用食品を提供する。
【解決手段】 ムチン、特に牛乳汁または鶏卵卵白由来のムチンを有効成分とするヘリコバクター・ピロリ定着阻害剤、およびムチンと胃酸分泌抑制剤を含有するヘリコバクター・ピロリ定着阻害剤、並びにムチンを含有する抗ヘリコバクター・ピロリ機能性食品や医療用食品などの食品。

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