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私魚人(あいうおんちゅ)~定年親父の魚三昧:タナゴ仕掛けとガサで出会った魚たち~

50年続けた魚遊び。胴長ガサガサもしんどい。ならば釣りだ!野遊びだ!タナゴから珍魚・駄魚釣りへ!地元の生き物探しへ!

カゴカキダイ(釣査187種目) 磯だまりの手前側 : アヂアヂ台湾お魚旅㉑

2018-09-23 23:16:18 | 夏の台湾の魚たち
2018年9月23日(日)

タナゴ竿・仕掛けでの187種目 カゴカキダイである。

台湾名は細刺魚、漢字の印象で言えばサヨリかサンマが似合うよね。
同じ漢字を使う国でも微妙に意味合いが変わってくるんだなあ。

台湾3日目(8月1日)3ポイント目となる磯だまりから漁港へ移動。
移動といっても徒歩30歩ほど。
つまり、磯が広がる手前に小さな漁港があるのだ。

「初めっからソッチで釣れや!」 と、多くの釣り人は思うかもしれないが・・・
見慣れたスズメダイがいる漁港より、まず未知の魚がいそうな磯だまりで試したかったのだ。

緑藻類が繁茂する深場へエサを落とす。
こんな所で釣られた経験のないスズメダイたちがすぐ群がってくる。

と、突然緑藻の陰から飛び出し、エサを丸のみにしていったのがコイツ。


ヒキも結構強くて、澄んだ海水の中を黄と黒のストライプが舞う。
今年のタイガースのてんてこ舞いを象徴してるみたいだ。

初物だから嬉しい。
嬉しいのだが、この秋太平洋岸で釣ろうと思ってただけに少しウッチャリをくらった気分だ。

哀しいことにハリをのませてしまった。
申し訳ないことをした。
すぐハリスを切って、撮影ケースへ。


最初、色あせていた体色が少しずつ戻ってきた。
これなら回復して自分でハリを吐くようになるかもしれない。


撮影後、もう1匹。


今度は、きっちり口にかけ、釣り上げたところで竿じまい。
2匹も釣れば十分だ。


さて、カゴカキダイ、漢字で書くと駕籠舁(かごかき)鯛。
♫ エッサ・エッサ・エッサホイサッサ・おさるの駕籠屋はホイサッサ ♪
で有名な江戸時代のタクシーにあたる駕籠舁屋さんが名の由来となっている。

カラフトマスのオスは繁殖期に異常なほど背側が盛り上がり「背っぱりマス」と呼ばれたりするが
この魚は、オスもメスも頭部後方が急に盛り上がる。
仕事柄、肩や背筋が特に発達してたのであろう駕籠舁屋さんにちなんだわけだ。

今や駕籠を舁くといってもピンとこない人も多いケド
舁くは「かつぐ」という意味を持つ由緒正しき日本語なのである。

「ほれっ! はよ神輿(みこし)をかかんかっ!」 と、叱られて
あわてて神輿をポリポリと爪でひっかくことのないようにね。


話は変わるが、もうすぐ広島カープがセリーグ3連覇じゃね。
緒方監督や新井さんも肩や背筋がすっごく発達した選手たちで舁くんじゃろうね。
ワッショイ! ワッショイ!

ベイカのべ? : ベイカ奮戦記 場外編

2018-09-23 00:46:43 | 他の無脊椎動物
2018年9月22日(土)

先日ベイカを釣って以来、2つのことが頭から離れない。


1つは、このベイカ釣りが実にステキな釣りだということ。
ジッチャンもバッチャンも家族連れもカップルも、もちろん幼い子でも
それぞれに様々な釣り道具で、人の世話にならずに楽しめているところがいい。

もう1つは、和名のベイカ。
ベイカのベってなんだ? ってこと。

似た仲間で割に広く分布するジンドウイカのジンドウには深い意味がありそうだ。
このイカの別名であるヒイカは緋色のイカ、またもう1つの別名コイカは小さいイカでしょ?

じゃあ、瀬戸内海・有明海に多く生息するこのベイカのベは・・・?

ベイカの別名であるチイイカは小さいイカを、またチイチイイカはチイチイ鳴くイカだから。
実際には、ジイジイと鳴いてるように聞こえるのでジイジイイカの方が相応しいのかもしれない。

ただ、そうすると
♪ ジージーバッバ・ジーバッバ・ベイカの学校の先生はムチを振り振りジーバッバ ♬
なんてな年寄りを邪険にするような童謡を作詞する人も出かねない。(出るかいっ!)

あっ! スズメの学校の先生の振ってるムチって、「教鞭」のことだからね。
パワハラしてるんじゃないからね。

話がそれた。
1文字つける魚介類として
マダイ・チダイ・キダイなんかのタイの仲間やブダイなんてのもいるが
それぞれ1文字に込められた意味ははっきりわかる。

「ベ」の意味がどうにも分からないので漢字を調べてみた。
米烏賊または紅烏賊と書いてベイカと読ませるらしいのだ。

なるほど、合点!
ベイイカまたはベニイカからベイカに変化して標準和名になったんだわ。

ところがである。
長く岡山で働いていたアニキにこのイカの刺し身を持って行ったところ


「ベカじゃんか」と一言。

さらに縮めておられるのである。
岡山ではベカが当たり前の名前になってるのである。


ベコなら知ってる。
「おど、わすのベコがいねえ」
「ああ、売っちまっただよ」
「大切さしてたばて・・・なんで・・・」
なんて、生活のために売られていく牛のことを東北ではベコという。

話がそれた。
それたついでにアニキが描いたベイカのイラストを。


どうやらまったくの見当違いだった。
米粒のように白いので米烏賊(ベイイカ)が語源ではないみたいなのだ。

岡山の方言であるベカを標準和名に使おうとして
そのままでは分かりにくいのでベイカにしたみたいなのである。

ベイカの学名に気付いてそう思ったのである。
学名:Loliolus beka ロリオルス ベカ (Sasaki,1929)なのである。
1929年 岡山で採集した模式標本をもとに佐々木博士が学名と和名を発表したのだと思う。

ベカは方言であり学名でもある訳だから、アニキの発言は実に正しいのであった。
そして、玄人並みに、実に正しくベカのパスタを作り上げるのであった。


結局、ベの意味は分からないままなのだケドね。