私魚人(あいうおんちゅ)~定年親父の魚三昧:タナゴ仕掛けとガサで出会った魚たち~

50年続けた魚遊び。胴長ガサガサもしんどい。ならば釣りだ!野遊びだ!タナゴから珍魚・駄魚釣りへ!地元の生き物探しへ!

ナンバンギセル Aeginetia indica のど根性

2022-09-29 11:00:02 | 植物
2022年9月29日(木)

ナンバンギセル Aeginetia indica

20220923  花柄10~20cmほど

葉も葉緑体もないハマウツボ科の1年性寄生植物


ススキなどの単子葉植物の根から養分を吸収して花を咲かせる。


古くは『万葉集』にも登場し、以来『おもい草』という名で親しまれてきた花。

実は、8月下旬の墓参りのとき、周りにナンバンギセルが出現しそうなポイントがあって
何往復も探しながら散歩してみるも不発。
若い頃に見たっきりだから、半世紀近くもご無沙汰したまま。

そのナンバンギセルに、たまたま立ち寄った、かつては生き物環境学習に利用されていたらしい湿地帯でばったり出会った。
もちろん感動して、何枚も撮影したんだけれど・・・

ひと段落して周りを見回したら・・・
そっちに2本


あっちに5、6本

何本も咲いているじゃないか!

さて、昨日のこと、かみさんと梨農園の産直売り場に出かけた。
私は俗にいう「グルメ」ではないから、高価なきれいな大きな梨ではなく
「傷アリ」「加工用」「過熟」などの訳アリ梨の「ひと山なんぼ」を買う。
モンキーバナナとかスナックパインとか、現地で食う熟した果物の方がよほど美味いと感じたから。
コスパと味はけっして比例はしないと思ってる。

そのついでに、この湿地帯へとかみさんを連れてった。
ナンバンギセルを見せたかったのである。

もちろんもっと沢山咲いていて、それなりに感動していたけれど・・・
そんなことより、下の画像に驚いた!

湿地帯へ向かうアスファルト道とコンクリートの側溝のすき間に1本


その脇にも2本


ナンバンギセルが咲いている!

アスファルト舗装の下にススキの根が広がっていて、そこに寄生してすき間から出てきたんだろうね。
いい根性しているなあ。

カタバミ類とかの外来植物を、よく町内会の一斉清掃で処分したりするけれど
在来のナンバンギセルも人為的な環境変化に、そこそこやるもんだと、感心した。

ただ、梨農園は買い物客がそこそこいたけれど、この湿地手前の小道に人はゼロ。
ま、そんなもんなのかもしれないなあ。
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モリアオガエル Zhangixalus arboreus :産卵待機中

2022-09-27 09:39:34 | 爬虫類・両生類
2022年9月27日(火)

モリアオガエル Zhangixalus arboreus

20220529 4~5cmほど

「モリアオガエルの産卵、見に来ませんか?」と、5月下旬に知人からメール
そのメールには、下の2枚の画像が添付されていて
樹上のオスはさておき

20220522
たっぷり抱卵したメスは見たこともなかったから


「行きます! 行きます!」と、夜散歩に同行させてもらった。

私が知る限り、自分の暮らす町でモリアオガエルの生活環が安定してくり返されているのは、この1ヶ所だけ。
だから、ポイントが特定されるような景観は載せないとか
記事も幼生(おたまじゃくし)が変態して山へ帰っていった頃に👇(他の地域を参考にしつつ)
モリアオガエル上陸に出会う!:備北漫遊記②
時期をずらして書くとか、私なりの気配りをしておいて・・・

ごく一部の人だろうけれど、「野生生物を捕獲して販売する人」への手助けにはなりたくない。
かといって、多くの方々に「野生生物へ興味・関心を!」とも思うしね、その辺の匙加減が難しい。

ライトを穏やかに動かして・・・
「いたっ!」オス2匹


「いたっ!」オス1匹


「いたっ!」オス1匹


水面上空にある藪には、すでに卵塊が1つ

ほんの数日前の卵塊みたいで、まだ真白だ。

小1時間ほど観察したけれど、待機中のオスばかり。
メスにはとうとう出会えなかった。
知人は、その数日後の夜明け前に「産卵行動の記録」を達成したらしいけどね。

両生類の仲間は、その多くが人為的な環境変化によって生息地を奪われている。
日本固有種とされる樹上性のモリアオガエルが我が町で繁殖をくり返せていることはかなり奇跡的なことなのだ、と思う。
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ヒメゴマダラオトシブミ Paroplapoderus vanvolxemi:剪定された欅から

2022-09-25 10:08:38 | オトシブミ・チョッキリ・ゾウムシの仲間
2022年9月25日(日)

ヒメゴマダラオトシブミ Paroplapoderus vanvolxemi

20210619 7mmほど

今頃になって後悔と反省をしている昨春の話。
懺悔も込めて正直に書くことにした。

昨春、友の画像がきっかけでオトシブミ探し散歩に火がついて👇
ウスモンオトシブミ:揺籃づくりの春夏④

5月下旬、自然公園へと向かう山道整備のためか、ケヤキの大きな枝が切り落とされかけていて


駐車場には伐採木がたくさん積まれていて、このケヤキも無価物として処理されるのかなあと

葉を眺めていたら・・・
たくさんの揺籃がついていて・・・

「このままでは一緒に燃やされて命を落とすだけだ」
「友のみつけたルイスアシナガオトシブミが出てくるかもしれない」と
10個ほどの揺籃を持ち帰った。

私なりに飼育方法を調べ、すぐに簡単な飼育装置をつくった。
そして、あきらめかけた約3週間後、8匹のヒメゴマダラオトシブミたちが羽化したのだった。


てっきりルイスアシナガオトシブミが羽化すると思っていたから
この未知のオレンジと黒のこぶこぶオトシブミにびっくりした。
ヒメコブオトシブミとゴマダラオトシブミのキメラ?とも思った。


後悔と反省しているのはここからの行動なのである。

私は、大切な命だからと、次々と羽化していったコイツらを元の場所へと逃がしに通ったのだ。

そのときは、元の場所へ戻すのは良いことだとすっかり思い込んでいた。

その後、虫や植物に保護に詳しい方々との出会いを重ねていって、2つの問題に気づかされた。
1つは、燃やされる運命の伐採木の枝の揺籃とはいえ、公有林の植物の葉を採り持ち帰ったのは、厳密には「森林窃盗罪」にあたるということ。
私有・公有に関わらず生えている植物や茸など「移動しない生き物の持ち帰りは所有者の許可がない限り窃盗罪」になるということを調べていなかった。
もう1つは、飼育個体の放虫だ。
3週間の飼育中、自宅で予期せぬ菌類など付着してしまったかもしれないと考えるべきだった。
安易に元の場所であろうと他の場所であろうと放つべきではなかった。

「何で魚ならわかりきっていたことなのに、昆虫となると想像できなかったんだろう?」
「最後を看取るまで飼育するか標本にしておくか、どっちかだったなあ」
と、悔やみ、学んだ後はきっちりするようにしているけれど・・・

飛んでいった画像に胸が痛むのであった。
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オバシギ Calidris tenuirostris 幼鳥?

2022-09-23 08:42:31 | 鳥類
2022年9月23日(金)

オバシギ Calidris tenuirostris 幼鳥かな?

20220904 30cmほど

9月4日のこと、秋の渡りを観察しようと知人と干潟周りを散歩。
遠く干潟の中心部に3羽のシギを見つけた。


しばらく私はハマシギだと思い込んでいて


それなら「夏羽なら胸部が黒くなってる筈なのになあ?」とか
「手前にいたイソシギと比べ1.5倍くらい大きいしなあ?」とか
疑問が湧くまでかなり時間がかかってしまった。

しかもデジタルズームを効かせず撮ったため、記録は小さいままで・・・

知人が撮った画像をいただいて調べたり書かせてもらったりしてるという次第。

中型(30cmほど)・口ばしがまっすぐ・羽の模様に明確な特徴を感じないまま
図鑑のシギ類から該当しないものを1種ずつ消去していった。

また、同時に地元の過去の観察記録(9月分)を調べていった。
すると、オバシギの秋の渡りの記録がいくつかあることを知り(画像なし)
たった1枚、近年に撮られた「オバシギ?」とされてる画像を見つけ
他にあてはまるシギがいないっぽいという曖昧さのまま
一応、地元の記録にあまり残っていないこともあって

「オバシギ幼鳥」と書くことにした。


シベリア北東部で繁殖し、越冬のための渡りの途中、日本で休憩をとるらしく
割と普通にみられ、特に秋はよく見られるそうだ。
それは、繁殖で幼鳥の分個体数も増え、また幼鳥の飛行能力が劣るためアチコチ立ち寄ると考えれば納得できる。

ただ、地元の干潟には餌の供給量は豊かな筈なのに、シギ・チドリ類の姿は少ない。
それは市街地に近く、完全護岸で隠れ場もないためなのか、落ち着いて過ごせる『塒(ねぐら)』とならないからかな?と思っている。

2日後、4日後、観察してまわったけど、すでに1羽もいなくなっていた。
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ゲンノショウコ Geranium thunbergii :雄性先熟と知らなくて

2022-09-20 17:53:40 | 植物
2022年9月20日(火)

ゲンノショウコ Geranium thunbergii

20220911

知人との所用の休憩中、ツリフネソウの周りにたくさん咲いていて


フウロソウの仲間は、私好みの花(アメリカフウロは除く)だからと撮影をした。
岡山のビッチュウフウロなど、可憐に清楚に咲いている気がして好きなのである。
「『現の証拠』と言ってね、昔の人は下痢止めなどの即効薬として使っていたんだよ」と、知人へ知ったかぶり。

帰宅後、画像を整理していて・・・
おしべの葯がすっかり落ちた花もあるなあと、思った。


ところがである。
移動後に見た花は、花弁も細く、めしべの先が星形に広がっていて


てっきり「ゲンノショウコに近い別種のフウロソウだ」と、勘違いしたまま
「ほら、この赤花は全然違うよ、撮影しておいたら?」と、友に勧めた。

何のことはない。
どれもこれも同じ「ゲンノショウコ」だったではないか!

調べてみたら、自家受精を防ぐために
まず、おしべの葯が熟し
その次に、葯が落ち
その後、めしべが熟し、柱頭が発達し星形に広がる
という『雄性先熟』のシステムなのだそうだ。

知らなかった・・・
ちなみに、「東日本以北では白花が多い」ことも初めて知った。
ま、フィールドでの思考はいつもTry & Error だもの。
間違えたらすぐ訂正して、謝って、また進めばいいか。
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