私魚人(あいうおんちゅ)~定年親父の魚三昧:タナゴ仕掛けとガサで出会った魚たち~

50年続けた魚遊び。胴長ガサガサもしんどい。ならば釣りだ。タナゴから珍魚・駄魚釣りへ!さらに地元の生き物探しへ!

ヤマトクビキレガイ Truncatella pfeifferi :顔つきも動きもカワイイ!

2023-06-29 12:08:45 | 他の無脊椎動物
2023年6月29日(木)

ヤマトクビキレガイ Truncatella pfeifferi

20230625  殻高7mmほど

広島県東南部の島での所要を終え
このまま帰るのはもったいないと、おそらく人為的な影響をほぼ受けていない海岸へ。
私は、在来種であるタワヤモリのいそうな磯の割れ目を観察して回ってた。
と、友人は遠くでしゃがみこんだまま・・・
仕方がないので引き返すと
「コイツ、見たことある?」と教えてくれたのが、この陸生の微小貝。


もちろん、初見の巻貝でカワイイ顔つきをしてるではないか!
調べてみると、あちこちの都道府県で「局地的・生息に適した環境条件が限られる」とか
「レッドデータリスト種」とか書かれてて
また、ほとんどの記録が「貝の標本」で提示されており
ならば、せっかく記録した生きてる様子を載せておこうと考えた次第。

波の影響をほぼ受けない飛沫帯より上部で、堆積した転石や漂着物の下に生息するそうで
道路整備や護岸工事など、人がいじった海岸ではほぼ絶滅するという。

確かに、この日訪れた海岸は、ふだんよく見かける「どこからか運んできた砂」を敷き詰めたのとは違う。
転石の多い海岸だった。

動きもおもしろい!


眼は、タニシたちと同じように触角の根元にあるが
少しずつ顔をだし、頭部をのばし、思い切りのばした後
顔の下部をはりつけ、1mmほど殻を前進させる。

流木の裏には、4mmほどの細長い幼貝もいて


コイツが「ヤマトクビキレガイ」と判断する決め手になった。
どうも、幼貝のうちは殻は普通にらせんを巻き
成長ととも殻の先端部は切れて(折れて)しまうらしくて
それが、コイツの「クビキレガイ」という名前の由来みたいなのだ。

広島県での生息記録や観察データは、ネット上では確認できなかったけれど、きっとどこかに保存されてると思う。
また、知る機会があれば見てみたいものだ。
それにしても「カワイイ!」としか言いようのない顔つきと動きだった。

PVアクセスランキング にほんブログ村
コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ニホンアマガエル Dryophytes japonica :アルビノ幼生

2023-06-27 10:42:27 | 爬虫類・両生類
2023年6月27日(月)

ニホンアマガエル Dryophytes japonica アルビノ幼生

20230620   3cmほど

夕涼みにゲンジボタルの乱舞を見ようと夜散歩に誘われた帰り道。
友人は、LED照明でホウネンエビの光走性を観察し始めた。
そうなると、しばらく動かない。
私はそっと横を離れ、散歩を続けた・・・
と、歩道横の田んぼの隅にコイツがいて・・・


「やたらと白っぽいオタマジャクシだな」と
「目と目の間隔が広いからアマガエルの幼生だな」と、一応他の幼生も探して・・・
見比べる。


「あ~っ!やっぱりアルビノ(遺伝的要因による白化個体)じゃんっ!」と
「はじめて見た~っ!」と、心の中で叫びつつ・・・友のもとへと戻り

「黄色いオタマジャクシ見たことある?たぶんアルビノかな?」と告げる。
「なんだと~っ!見たことないわっ!どこじゃどこじゃ」と・・・
撮影を終え、タッパーへ入れ、再び比べてみる。


友人が持ち帰り、飼育することにした戻り道、2匹目を友人が見つけた。


「色素欠損遺伝子がホモになるような卵のうだったはずだから、近くに何匹かいると思った」と、彼は言う。
「まるで生物学の先生みたいじゃ!」と笑いとばしつつ、なるほどなあ。

その2匹目がコイツ

後足が私のよりよく成長してて、稲の葉を上るまであとひと踏ん張りだ。

ほぼ同じ成長段階のワイルドな個体と比べると

明らかに、眼の色で区別がつくよね。

これらのオタマジャクシの画像は数日間友人が飼育中に送ってくれたもの。
そして、その後しかるべき研究施設へと、今も元気にエサを食べておられるそうだ。

ちなみに、アマガエルは大きな鳴嚢(鳴き袋)を持ち、相当大きな声で鳴く。

割とたやすく見られるので夕涼みがてら、子どもたちと田んぼまわりの安全な道を歩いてみるのもお勧め。

さてさて、肌色か黄色で目が赤いアマガエルになってくれるんだろうか?
楽しみだ。

PVアクセスランキング にほんブログ村
コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ヒメキベリトゲハムシ Dactylispa angulosa かな?:3種並べて

2023-06-26 07:35:36 | ハムシの仲間
2023年6月26日(月)

ヒメキベリトゲハムシ Dactylispa angulosa かなあ?

20220511  5mmほど

昨年の話で申し訳ないのだけど、種の判別も怪しいまま書き損ねてて・・・
コイツ、クリの若葉や桜・カエデの葉で3度見かけた。
だから、フキやアザミの葉をホスト(食草)とするキベリトゲハムシとは違うと思うのだけど。
ただ、その2種を判別する形態的な特徴がよくわからないから、ほったらかしていた。


今年になって、カタビロトゲハムシをカシ類の葉で見つけ

20230618  6mmほど

撮影も昔より少しはマシになってきたし


さらに、一度は会ってみたかったタケトゲハムシも笹の葉で見つけ

20230611 5mmほど

ならばと、3種を見比べてみることにした。


体形が太くなるほどトゲが短くなってる。
対馬には、ツシマヘリビロトゲハムシという体形がさらに太くなって、まるでカメノコハムシとの中間形質のように思える特産種がいたり
また、ススキの葉にはクロルリトゲハムシというさらに細くなってるトゲハムシがいたり
挙句の果てに、湿地にはかつて「トゲナシトゲトゲ」と呼ばれていた『ホソヒラタムシの仲間』という「トゲをなくしたトゲハムシ」がいたりする。

ホスト(食草)などのニッチを特化させていくことで、形態がある方向へと進化していくみたいで面白い。

植物でも、花弁を鋭くとがらせたイカリソウというのがあって

20200427

そのイカリソウの仲間にバイカイカリソウがあって

20230424

イカリソウの特徴である『錨(いかり)のような花弁』がすっかり丸くなって、「錨じゃないイカリソウ」なのだ。
まったく違う生き物だけど、まるで「トゲナシトゲトゲ」と同じではないか!

こういう多様な生き物たちの世界をできるだけ未来への遺産として残していくためにも
珍しいからと「買わないでほしい、採って販売しないでほしい」と思ったりしてる。
(ネット上にはこれらの通販が載ってることが度々あるから)

私のつたない経験からいうと、どれも身近な里山の散歩で出会える生き物だけれど、出会える機会はかなり少ない。
なかなか会えない生き物たちだから、汗をかきかき会えた時、ドーパミンがドパッとでてそれが忘れられない実体験になる。

PVアクセスランキング にほんブログ村
コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ミドリカミキリ Chloridolum viride :ウツギの花に

2023-06-24 08:51:02 | カミキリの仲間
2023年6月24日(土)

ミドリカミキリ Chloridolum viride

20230605   20mm弱

この日、里山散歩中ウツギの花に寄ってきていた。


もちろん、私は見逃していて後から来ていたかみさんが見つけた。


しかも、ウツギの花がボロボロ落ちるのにためらって、つかまえ損ねてしまった。

しかし、逃がす神もいれば掴む神もいるのである。
最初の画像は、この日の帰り道クリの花近くのカシ類の葉でお休みになっておられたミドリカミキリなのだ。
おかげで、かみさんの機嫌を損ねずに済んだ。

緑色の金属光沢の細長い体に長い脚。
この季節、ほぼ日本全土で、クリやウツギなどの花に訪れ、ごくごく普通にみられるんだけど
そもそも在野のクリやウツギの花を眺めてみようという人たちが少数派であるために
多くの人たちには馴染みのないカミキリ。

脚が長くていつもきれいに撮れないのと、なんかそういう時代なのが少しさみしい。

PVアクセスランキング にほんブログ村
コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ニジゴミムシダマシ Tetraphyllus paykullii :日本固有のレインボービートル

2023-06-22 11:22:11 | ゴミムシダマシ・ツチハンミョウの仲間
2023年6月22日(木)

ニジゴミムシダマシ Tetraphyllus paykullii



20230616  8mmほど

里山散歩中、朽ち木にいた。
前から美しい昆虫だと知っていて、あわててシャッターを切った。


安物デジカメめ!
勝手にオートフラッシュするから真っ黒じゃないかっ!(そりゃあんたの設定が悪い!)
辺りも暗いし、フラッシュに驚いて逃げ出したから、あわてて生ごみ水切り用ネットでつかまえ、朽ち木の破片とともに持ち帰った。

帰宅後、撮影してみたら・・・




どうしても影が入ってしまい、肉眼で見てる全体レインボーの美しさが撮れない。
広島大学デジタル自然史博物館にあるニジゴミムシダマシの画像などをネット上で見させていただく。
まさに、肉眼で見たそのまんまの美しさだ。

想像だけど、最近のTG5とかいったレンズ周辺に複数の照明がある顕微鏡モード付きデジカメなんだろうか?
とはいえ、今さら手になじんだリコーCX3とサヨナラする気もないし・・・

と、翌日もチャレンジ。
日陰ならば影はできにくいだろう、露出をオーバー気味にして・・・
あとから色調は調整すればいい。



う~ん?
どうやら黒く写ってる影は、撮影してる私みたいだ。
つかまえた命だ、できるだけ工夫して撮ってやらねば・・・

次の日、「透明なガラス皿においてみたら?」と、かみさんのアドバイス。
さっそくしまい込んでたペトリ皿(シャーレ)で試してみる。

ずいぶんマシになった。

よく晴れた次の日、日陰の車庫でモゾモゾ試した。


背景も変えて


ピントが背にあるときと脚にあるときで、ずいぶん色調が変わる。
まるで『生きた宝石』だ。

調べてみると、ニジゴミムシダマシ属は最近5種にわけられて
コイツはもっとも普通にみられる「ホンドニジゴミムシダマシ」にあたるようだ。
『5種いずれも日本固有種』と書かれていたりもする。

まるで「生きた宝石」のように輝き、場合によっては若い女性たちからバズってもおかしくないのに
「ゴミムシダマシ」という名だと興ざめするんじゃないかなあ。

なので、私が勝手にニックネームをつけよう!
ジャパニーズ・トレジャー・ビートルだとJTB、大手旅行会社みたいになるのでボツ!
ジャパニーズ・ジュエリー・ビートルだとJJB、なんか朝ドラ再放送中の「あまちゃん」っぽいのでボツ!
ジャパニーズ・レインボー・ビートルだとJRB、大手鉄道会社っぽいけど
そもそもゴミムシダマシ科辺りの黒っぽい昆虫は、英語だとまとめて darkling beetlesと呼ぶらしく
また、外国にはrainbow beetleと呼ばれてるハムシの仲間もいるみたいなので、このへんでどうだろう?

私の脳と工夫と腕とカメラではもう限界だ!
このニジゴミムシダマシ、「公園や里山の朽ち木に普通にいる虫」らしいから、ぜひ地元散歩中に探してみてほしい。
でも、バズったらどうしよう・・・

PVアクセスランキング にほんブログ村
コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする