私魚人(あいうおんちゅ)~定年親父の魚三昧:タナゴ仕掛けとガサで出会った魚たち~

50年続けた魚遊び。胴長ガサガサもしんどい。ならば釣りだ!野遊びだ!タナゴから珍魚・駄魚釣りへ!地元の生き物探しへ!

クルメサヨリ Hyporhamphus intermedius :釣査267種目

2022-12-18 09:40:06 | 周縁魚
2022年12月18日(日)

クルメサヨリ Hyporhamphus intermedius

20221128  体長15cmほど

「クルメサヨリ、今来ていますよ」と、会合で親しい研究者さんから情報をいただいた。
そこで、潮を確かめ、この日いつものタナゴ竿・仕掛けで出かけた。

汽水域の水面に、確かに小さなサヨリたちが見えた。
基本、まき餌はしない。
海を汚すし、大量に釣る気もないから。
エサもスーパーのバナエイエビ1尾(単価20円ほど)を小さく小さく切って、タナゴ針につける。

2尾釣り落とした後(のませたくないので早合わせ)
1時間ほどかかって、ようやく釣り上げた。


環境省レッドリストの準絶滅危惧種なのである。
もともと本州・九州・朝鮮半島・台湾・ベトナムなどの内湾や河川河口と下流域に広く分布する。


けれども生息域の干拓、河口堰、護岸などなどですっかり数を減らしているようだ。

川を遡ることはあっても人為的影響を受けやすい汽水域で一生を過ごすからである。

タナゴ竿・仕掛けとバナエイエビの欠片で釣るのには、ちょっとしたコツがいる。
そのコツは小さなサヨリの群れで慣れていたから割と簡単だったけれど
初めて釣るわけだから、群れが散らないでくれと祈りながら・・・


観察ケースでようやく落ち着いてくれたけれど
水の汚れと、やはり平常心じゃなかったんだろう、撮影がうまくできていない。
悔しい。

何せタナゴ竿・仕掛けで釣った267種目なのだから。

1尾釣って撮影を済ませ、そっと海へと放ったら、少し気楽になって
180cmタナゴ竿で、私が3尾・かみさんが2尾。


まとめて撮影

撮影ケースが20cmだから、成長しても20cmほどと、サヨリよりも小さいことが伝わるかな?

さて、サヨリと区別をつけてみる。
体の太さとか大きさとかは、栄養状態や成長度合いで変わるから、ポイントは長くのびた下吻。


はっきりした画像でみてみると


下吻の先端はのようにどの個体も黒い。

(上吻先端経~鰓蓋端)の長さが
b(下吻)よりも明確に短い。

サヨリだと

下吻先端付近は赤く、下吻も短いでしょ?

同じサヨリ属でよく似ているけれど、全然違う魚なのである。
おそらく数十年前は、私の町の河口域にも生息していたはず・・・
そう思うと、釣って紹介できる嬉しさと同時に、少し悲しくなってしまった。

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ヨウジウオ4種並べて・・・

2020-11-11 17:55:11 | 周縁魚
2020年11月11日(水)

今日は、これまでヨウジウオの仲間を採集記録の古い順に・・・

オクヨウジ 20140823

皮弁が発達してるね、尾ビレも小さくて巻きつこうとする。

イッセンヨウジ 20161223

吻が短くてかわいい。台湾の河口域にて。

ヨウジウオ 20200923

溶け消えたアマモ場にて。

ガンテンイシヨウジ 20201024

体にちらばる白点が眼点(ガンテン)のいわれかな?

と、並べ・・・私は強く提案したいっ!

まず、皆さん! 頭を左に90°傾けていただきたい!

ほれっ! 「1・1・1・1」になったでしょ!

「ポッキーの日」だとか「うまい棒の日」だとか「チンアナゴの日」だとか・・・
世間ではこの日をあれこれ記念日にしておられるようだ。

が、しかし、ご覧の通りだ!
11月11日は『ヨウジウオの日』でもいいではないかっ!





これっ! これっ! 曲がるんじゃないっ! ガンテンイシヨウジ!

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トサカギンポ2匹:地元の川河口にて初

2020-09-22 16:43:00 | 周縁魚
2020年9月21日(月)

トサカギンポ地元1号


トサカギンポ地元2号


立て続けに釣った。
しかも、地元の川(の河口域)で初めて釣った。
もちろん、ちゃちなタナゴ竿・仕掛けなのである。

これまで幾度となくアチコチ釣りに出かけ、トサカギンポを釣ったのはたったの2匹。
それを今回、あっという間の2匹。


ガリガリ君の当たり棒2本立て続けに続く快挙なのである!

いやあ、驚いたのなんの!

地元の川の魚図鑑をつくろうとしてる知人がいる。
なかなか完成しないまま数年が過ぎてる。
そして、まだトサカギンポを採ったことがないと言う。
ぜひ、彼の図鑑に書き加えてもらいたい。
知人の筆が遅くて何よりなのである。

今年、地元の川も惨憺たる魚影の薄さなのだが・・・
河口域もひどくて、例年たくさんやってくる小魚たちがすっかり姿を消してる。

カキ殻にくらすのんびり屋のトサカギンポが釣れたのは、早食い競争の強豪たちが欠場してたせいかもしれない。

半日がかりで、3つのポイントで竿を出して、釣れたのは

メナダ若魚3匹 体長10cm


かみさんが先に釣った。


ヒイラギ5匹 体長2cm


イダテンギンポ 10匹 体長8cm前後


マハゼ2匹 5~15cm


2匹ともかみさんが釣った。

クサフグも1匹、かみさんが釣った。

私、その時点で、ヒイラギとイダテンギンポしか釣れなくて・・・

不憫に思ったかみさんが
「もう1ヶ所行ってもええよ!」とおっしゃってくださったので・・・

ありがたや、ありがたやと、ちょこっといつものポイントからずらして

地元の川初トサカギンポ、しかも連続という栄誉を授かったのである。
ま、こんなこと誰っちゃ栄誉とも思わず、釣りをしてるんだろうけどね。

おまけに、タナゴ竿ではちょっとしんどいキチヌ1匹 体長15cm


ワーイワーイ!


ちなみに、2年前に釣った過去記事は👇

トサカギンポ2号を最下流域で釣る
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キリンアナハゼか?(釣査255種目):3年前の記録

2020-07-25 17:46:49 | 周縁魚
2020年7月25日(土)

以前からずっと心につっかえてた話。

それは、3年前の下の記事(クリックしてね)のアサヒアナゼハゼはキリンアナハゼではなかったか?という疑問。
巨大アサヒアナハゼを巨匠が釣るの巻

このとき、かみさんばかり釣れててどくれてたからなあ。
しかも、タナゴ竿・仕掛けで海へと挑みはじめて、まだ半年ほど。
海の魚のこと、ヒーヒーと嬉しい悲鳴上げて調べてた頃。

ほぼ3年後、兄貴と広島西部での釣りで、アサヒかキリンか、再度調べ直すことに。
キリンか?アサヒか?ニレか?サンゴジュか?

やっぱりな。
疑惑は、かなりの確信に変わってきた。

コイツがキリンアナハゼに相当する個体だ!


もし、そうならばタナゴ竿・仕掛けでの255種目に相当させざるを得ない。


かみさんが釣ってるのだから、ま、手柄にも何にもならんし、調べ直しするだけ面倒なのだが・・・


アサヒアナハゼと比べてみよう。

2017年5月13日、初記録のアサヒアナハゼ


2018年5月1日、小さなアサヒアナハゼ


2018年6月18日、岡山県西部でのアサヒアナハゼ


2019年5月6日、アナアオサの藻場にいた緑色のアサヒアナハゼ


2019年5月16日、岡山県西部でのアサヒアナハゼ


2020年6月30日、広島県西部でのアサヒアナハゼ


何となく違いが伝わっただろうか?

『日本産魚類全種の同定第二版』に基づいて、話を進めると

そもそも、アサヒアナハゼ Pseudoblennius cottoidesは、Richardsonさんが1850年に初記載した魚。

その後、いろんな学者さんが新種のアナハゼを記録したと論文発表するものの
アサヒアナハゼのシノニム(同物異名)として1種にまとめられていた。

さらにその後の1984年、中坊らは形態的特徴に基づき
アナハゼ属の未同定種sp.1~4をそれぞれにハタタテアナハゼ、ヤナギアナハゼ、キリンアナハゼ、ハクセンアナハゼという和名を提唱した。

キリンアナハゼは、Pseudoblennius sp.3に相当するアナハゼなのである。

さてと、そろそろ形態的な特徴をおってみると


キリンアナハゼは、アサヒアナハゼと以下の点で異なる。
① 下あご腹面に顕著な暗色斑がなく、うすい褐色が広がる。(赤丸でかこってるとこ)
② 側線上に小さな皮弁がない。(確かめていない)
③ 側線上にいくつかの小さな黒点が並ぶ。(黄丸でかこってるとこ)

ね?
この大きなアナハゼは、キリンアナハゼでしょ?

ということで、255種目に3年越しで登録することにしたのはしたのだが


念のためにと、お魚関係に実に詳しい研究者さんに確認してみた。(独善的判断はよろしくないから)

はっきりとしたことは言えないが
・アサヒアナハゼとしての特徴は、どうも幼魚・若魚の時期にみられる特徴で
・成長とともに、キリンアナハゼっぽい特徴に変わっていくように思える
・つまり、アサヒとキリンはいずれ同一種として扱われる気がする

とのこと。

なんだと!
3年たって、やっと違いに気付いたと思うたら、同一種にまとめられるかも?だと!

そんなことは、聞かなかった・聞いてもすぐ忘れる鳥頭ということにして・・・

3年前のコイツはキリンアナハゼぢゃあ~っ!



正直に書くと、成長とともにアサヒとキリンの中間的特徴を示す個体も、記録の中から出てきたのよ。

けど、いつどこで釣ったのか?誰が釣ったのか?もわからなかったことにしよっと!


同一種として正式に論文が査読を受け、発表されるまでは、別種は有効なのだあっ!
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ヒモハゼ撮影!:チゴガニのバンザイ!

2020-06-13 19:03:10 | 周縁魚
2020年6月13日(土)

どの話を書こうかと、最近撮りためてる写真を見直したり、虫や花の名前を調べたり
図書館へ返却に行ったら、鳥取環境大学小林教授の『先生!シリーズ』の新刊出てて
ついつい借りて読み耽っちゃったり・・・

あらっ?
もうこんな時間?

てなわけで、今日も手抜きの記録。

最近友と行った干潟採集の話の一部。

以前と比べ、多くの魚介類が減ってるような感触の中
ヒモハゼはかなりの数採れた。

体長5cm程度、細くてタモ網の目をすぐ抜ける。
撮影しててもチョロチョロと動き回るか、ヒレをすぐたたむ。

さすが、小さくてもハゼの仲間だけのことはある。
一度も満足いく写真が撮れていないのである。

今回は、セトウチサンショウウオ幼生用に作ったミニ撮影ケースでパチリ!






2匹まとめてパチリ!


まあまあだな。

気を良くして、これまた良い写真のないツマグロスジハゼをパチリ!


まあまあだな。

チゴガニくんも干潟で


バンザーイ!


なんてなわけもなく、メスを呼ぶ繁殖行動をしてる。



今回生息が確かめられなかった数種の希少種たち。

その無念さは、マメコブシガニが拳を固く握りしめ、寡黙。


という生き物たちの説明も何もない横着適当な話。
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