私魚人(あいうおんちゅ)~定年親父の魚三昧:タナゴ仕掛けとガサで出会った魚たち~

50年続けた魚遊び。胴長ガサガサもしんどい。ならば釣りだ!野遊びだ!タナゴから珍魚・駄魚釣りへ!地元の生き物探しへ!

ミヤマカラスアゲハ春型 Papilio maackii:深山ではない里に

2024-05-20 07:58:03 | チョウ・ガの仲間
2024年5月20日(月)

ミヤマカラスアゲハ春型 Papilio maackii

20240510 

里山散歩中のアザミにやってきていた。
ちょうど4年前の5月、カラスアゲハが吸蜜していた同じ場所のアザミに。

蝶には蝶の都合:巣ごもり散策中の生き物⑨

翅の鱗粉の配列が構造色なのか、角度によって美しく輝くのはどちらのアゲハも同じ。
でも、4年前と違ったのは2種をきっちり判別できるようになっていること。
深山(ミヤマ)ではない里山だけれど、ミヤマカラスアゲハだと確信してシャッターを切った。


その8日前、町はずれの渓沿いの山道に給水中のミヤマカラスアゲハを見かけていて


のんびり日光浴も・・・

人によっては「日本一美しいアゲハ」と呼んでいる理由もわかる気がした。

逆光だとすっかり色合いは変わる。

烏色のただ黒い揚羽だ。

今回、里山のアザミにもミヤマカラスアゲハがいることと
ミヤマカラスアゲハの後翅の裏面にはカラスアゲハにはない白帯()が見られることをしっかり学んだなあ。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

タベサナエ Trigomphus citimus tabei :降るため池の夕べかな

2024-05-10 08:42:26 | トンボ・カゲロウ・カワゲラなどの仲間
2024年5月10日(金)

タベサナエ Trigomphus citimus tabei オス

20240507  40mmほど

主に西日本に生息する小型のサナエトンボ
この時期、里山のため池によく現れる。
田部さんという昆虫博士への献名として「タベ」

サナエトンボの仲間は、どれもこれもよく似てて、胸部の模様や尾部の形で判別するしかないらしい。
だから間違えてるかもしれない。

一応、特徴を画像に書き込んで・・・


GW明け、底曳網漁の龍神丸にお礼を渡し、ついでにため池に寄ったとき出会った3種のトンボのうちの1種。


帰宅後、先日一緒に見つけたダビドサナエやフタスジサナエとの違いを
かみさんに画像と図鑑を見せながら、説明しようとしたのだが・・・

ユウベサナエ?」とお読みになられた。

さすが俳人は一味違うなあ~っ!
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

コツバメ Callophrys ferrea :宅緩便

2024-05-07 16:04:09 | チョウ・ガの仲間
2024年5月7日(火)

コツバメ Callophrys ferrea

20240416  前翅長12mmほど

年に一度、早春にだけ現れるシジミチョウ科の蝶
小雨の降る午前中、ピュンとすばやく飛んでスッととまる地味な蝶だ。
翅の表面はスカイブルーだったりしてきれいなのに・・・
開こうとしない。

例えば、コンクリートの路上にとまると

どこにいるかすぐにはわからない。

例えば、枯葉の上でもわからない。

気付かずに近づくとすばしこく飛んで逃げるからややこしいヤツだ。

そして、観察してるととまった後ジワ~ッと横たわるのだ。
太陽の光で体温を上げたいのなら他のシジミチョウみたく翅を広げてとまってくれればいいのに・・・

まるで、稀にいるであろう少し運んではすぐサボる宅配便みたいなヤツだ。


ま、私もそうなのである。
お世話になった横島漁港の底引き網漁の龍神丸さんへ感謝の意を込めて
購入した『びんごの自然誌 第3号』を手に、今日漁協へと出かけたのだが・・・

・本当ならGW前に届けられたはずなのに
・ピュッと急いで届けりゃいいのに、図書館に寄ったり、ため池覗いたり
宅急便ならぬ宅緩便なのでありました。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

アユモドキ Parabotia curtus:厳島の磯に鹿をおまけに

2024-05-05 13:43:56 | 純淡水魚
2024年5月5日(日)

アユモドキ Parabotia curtus

20240422  体長12cmほど

国の「天然記念物」であり、種の保存法指定種であり、絶滅危惧ⅠA類
アユモドキが広島県東部に生息していたという記録は極めて怪しく
生息域西端は岡山県だと思うのだけれど
コイ目ドジョウ科の淡水魚だから、こいのぼりが揚がる子どもの日に似合う


若魚の頃には黄色の明瞭な横帯が側面に

あらわれる。

所用で宮島水族館を訪ね、スイゲンゼニタナゴやニッポンバラタナゴの人工繁殖の様子を見させていただいて

順調に事が進んでいることにホッとしつつ

同時に、このアユモドキの繁殖も順調で、若魚たちもスクスク育っていて


3種とも館内に展示できていた。

ま、国の天然記念物・絶滅危惧種でめったやたらに出会えない生き物なのに・・・
野生化で出会うとしたら、法律違反のガサ採取の場面だろうから逮捕だというのに・・・
小さな水槽展示に立ち止まる人も少なく、アシカショーの館内放送に負けてしまってる。

用事を終え、シカの糞にフンコロガシがいないか見て回り
出会えないまま、干潟の広がった大鳥居を眺めつつ知人のくれたパンをかじる。


遠く広がった干潟の沖に一頭の牡鹿


宮島では、神の使いとしてニホンジカは大切にされていて
お菓子や弁当など、エサをあげることは厳禁とされているせいか
この日は、海藻を食べようとしてるのか干潟をうろつく鹿たちもちらほらいた。

一頭の牝鹿は間違いなく海藻を食べていた。

体内の塩分調節は大丈夫なんだろうか?

と、眼が合ったら少しずつ近づいてきた。

私のパンがほしいのだろう。

知人は、後ろ足で蹴られたという苦い経験をもつために、その場を離れた。
私は、じっと身動きせずパンをかじり続けた。
「ピー」という短くかすかな鳴き声を途切れ途切れに3回
牝鹿も鳴くのだと初めて知った。

と、話はそれまくったまま・・・

宮島水族館での希少淡水魚類の順調な繁殖の様子については
来る5月25日の下記シンポジウムにて詳しくわかりやすく発表されるから楽しみだな。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

スイゲンゼニタナゴ Rhodeus atremius suigensis :保護現場と種の保存法と・・・

2024-05-03 08:58:11 | 純淡水魚
2024年5月3日(金)

スイゲンゼニタナゴ Rhodeus atremius suigensisオス


メス

20240502  体長3~4cm

国の種の保存法と絶滅危惧ⅠA類に指定されてるきわめて危機的なタナゴの仲間。
国に余裕がある時代なら、天然記念物になっている筈の淡水魚。

ここのところ、県下のスイゲンゼニタナゴ繁殖関連施設数カ所を訪ねている。
もちろん許可申請をきちんとした上で。

ここでは、二枚貝を入れたプールでの人工繁殖を試みている。
オスの婚姻色とメスの抱卵状態(産卵管ののびなど)を確かめるために数匹ずつ採集して

この施設ではまだほんの少し時期が早いようだ。

オスの美しい婚姻色は白い背景で撮影すると


数分の後には

すっかり色あせてしまうこともよくわかる。

だから他のいろんなタナゴ釣りをされている方々も撮影は短時間に済ませ痛めぬよう放流してくださればと思ったりする。

人工授精による繁殖を行ってる施設では、胚の発生の様子を見させてもらって・・・
卵黄の側部が突き出る翼状突起がスイゲンらしくて愛おしいのだが・・・

中に異常発生している胚もいて・・・


双頭の胚だということが眼球の数でわかる。


この胚はいずれ発生を止めて死を迎えるのだが

コイツ以外にも途中で発生を止める胚は少なからずいて、日々飼育シャーレから取り出しているそうだ。

まったく相関していないが、コイツを見ていると、アブを捕えている
デーニッツハエトリ Plexippoides doenitziメス

の顔が浮かんでしまった。

さて、隣県ではどうなのかというと・・・
岡山県内におけるスイゲンゼニタナゴの危機的状況について(外来タナゴ類の確認について)

近縁である外来タナゴの侵入について発表せざるを得ないほど、追い込まれているようだ。

5月25日のシンポジウムでは、こんな状況を詳しく分かりやすく聞かせてもらえるみたい。

無関心なまま無意味な形で、種を絶滅させたくはない。
だから、もちろん参加しようと思ってる。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする