私魚人(あいうおんちゅ)~定年親父の魚三昧:タナゴ仕掛けとガサで出会った魚たち~

50年続けた魚遊び。胴長ガサガサもしんどい。ならば釣りだ!野遊びだ!タナゴから珍魚・駄魚釣りへ!地元の生き物探しへ!

オシドリ Aix galericulata :崖を上る

2022-12-30 09:48:38 | 鳥類
2022年12月30日(金)

オシドリ Aix galericulata

20221221 45cm前後

メスも一緒に


これらは市内の動物園でガラス越しに撮影(鳥インフル対策)したもの。
私の暮らす広島県では準絶滅危惧種指定の漂鳥だ。
東アジアに分布し、国内では季節とともに北海道から西日本まで移動する。

さて、お粗末な撮影だが、ここに至る顛末記をまとめておく。

11月6日 我が家近くの貯水池でゴマ粒のように小さく見える姿を見つけ

「まさか市内のこんな近くにいるなんて・・・」
と、観察ついでの散歩を周期的に続けた。

その後、見つけることもできず
「ここは水位も下がっていて、水辺の木陰まで5mほど開けた崖になっているから、きっともう去っていったんだよ」と。
以前から目撃している2か所でも、水辺にかかるドングリの木陰に隠れていて、開けた水面には殆ど出てこなかったからだ。

12月5日 再び対岸の浅瀬にマガモとともにいるのに気づき

その中に、エクリプス(非繁殖羽)から繫殖羽に換羽中のオス()もいて

観察していると、崖を上り始めた。


対岸にはほとんど樹木はなく、やがてじっと動かなくなった。


「なるほど、崖を上るんだ」
肉眼では、どこにいるのかもわからない。
あの派手な模様も完全に景色に溶け込んでしまっている。

12月6日 手前側の遠くの崖にいた。


じっとしていると、スルスル下りてきて


泳ぎ始めた。


少し、近くの崖でも見つけて


コイツらも泳ぎ始めたから


撮影をしておいた。


野生のオシドリはとても警戒心が強くて、素人の私の腕と安物カメラではこれが限界。
腕のいい方々なら撮影に最適かもしれないけれど・・・
逆に言えば、この貯水池は常に人目についてしまうという生息地としては劣悪な環境。
少なくとも昨年、飛来してはいない。

静かにこの冬を過ごしてもらおうと市の担当課にだけは連絡して、観察はここまでだ。
「まさかこんな所で」という場所だから、下手に騒いでしまうのは避けなければ・・・

と、冒頭の動物園のオシドリで済ませたのであった。

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ハマシギとタシギで :シギ類の上嘴のこと

2022-12-28 09:32:44 | 鳥類
2022年12月28日(水)

ハマシギ Calidris alpina

20221120 20cmほど

前に☟のような記事を書いていて
ハマシギ Calidris alpina :秋の渡りが見たい

書いた手前もある。
今秋も地元の干潟に何度か足を運び
10月25日、より近くで観察できるポイントを見つけたが

逆光で・・・

11月9日、初めて干潟以外の場所(河川下流域)でも出会い


すっかり冬翅になっていて、腹部が黒くなった夏羽をみることはなく・・・


と、ヒドリガモが過ぎていった後のこと


2羽のハマシギが浜辺で


水浴びをはじめた。


その様子を撮影していたら


興味深い画像が残されていた。

これと


これを比べてみたら


まるで笑っているかのように、くちばしを曲げている)ではないか。


ネット上には「シギ類の柔軟なくちばし」などと書かれているものがいくつかあって・・・
それならば
どのように調節しているのか? 
カニなど甲殻類の捕食の際、くちばしが柔らかいのは不便ではないか?
気になって、もっと調べたら
・シギ類は上くちばしの先端の角度を運動神経で調節している
・上くちばし先端には、エサを感知する感覚神経も存在する

みたいな情報を1つみつけた。

なるほど!
それならば、くちばしはある程度硬いままでいいので便利だ。
そして、その情報の方がより確からしい気がして、シギ類の記録を確かめてみた。

タシギ Gallinago gallinago


ほんのわずかだが、確かに上くちばしを広げていた。


ほくそ笑む程度()なのだが・・・


ホウロクシギ Numenius madagascariensis

大笑いをしているかのように口を広げてはいる。
が、上くちばしの角度の変化は確かめられなかった。

昨日の散歩中の
アオアシシギ Tringa nebularia

20221227

スヤスヤと眠っていたので、起こさぬようそっと帰宅。

来年は、このハマシギたちのように「気持ちよく笑える1年」になりますように!

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オオタカ Accipiter gentilis かなあ?:表大山を眺め中

2022-12-26 08:15:57 | 鳥類
2022年12月26日(月)

オオタカ Accipiter gentilis かなあ?

20221030

この日、米子水鳥公園を後にして


職員さんが誇らしげに語っていた『表大山(おもてだいせん)』と水路を眺めていたら


上空にトビとトビを一回り小さくしたタカが飛んでいた。
ハイタカにしては大きい。
「オオタカかもしれない」
ただ、遠くて速い。
だからデジカメ鳥モードでのピントは無理だ。
と、職員さんに教えてもらった撮影法を早速試した。


教えてもらったのは、「普通の風景モードでとりあえず撮る」というもの。
なるほど、間に合いそうもない時の記録としては便利だ。

この公園では、留鳥として一年中居ついているオオタカがいるらしい。

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コブハクチョウ Cygnus olor :公園の暴れん坊

2022-12-24 09:34:51 | 鳥類
2022年12月24日(土)

コブハクチョウ Cygnus olor

20221030  150cmほど

主にヨーロッパ、中央アジアに生息する外来種。
コハクチョウより2まわりほど大きく、くちばしに橙色と黒いこぶ。
1952年に皇居外苑、1970年代に北海道の各地公園などと、意図的な放鳥の記録が残されている。
その後、飼育個体の一部が逃げて野生化し、日本各地で定着し、年中見られるようになっている。

この日、米子水鳥公園へ冬鳥の飛来を見に行って
観察センターの目の前に来てくれたコハクチョウを撮影していたら


コブハクチョウがやってきて・・・


コハクチョウを追いやり、その場所に居座った。


「乱暴者だから困ったもんなんですよ」と、公園の職員さんはこぼす。
「去年も吉田さん(?)に求愛行動をしたり、エサを奪ったり、我が物顔にして・・・」

「吉田さん?」

「ああ、去年コイツにやられたコハクチョウのメスの名前です」
「コイツが近づくと他の水鳥たちは逃げるしかないんです」
日ごろたまった鬱憤からだろうか?
忌々し気に吐き捨てておられた。

「なるほど、そうですか」

羽をつくろう様子も


話を聞いた後だと、わがままいっぱいな表情に見えてきたから不思議だ。


世の中には少なくとも2つの世界がある。
実在世界と認識世界である。
実在世界は万人共通だけれども、認識世界は個々の理解の範囲内だ。
だから、往々にして自己中心的だし、その世界には壁がある。

コブハクチョウについての私の認識世界は
「外来種だけれども在来種への大きな影響はあまりみられない」というもの。
職員さんにとっては
「在来の水鳥たちの生活を大きく脅かす外来の乱暴者」というもの。

話を聞かせていただいて、私の認識世界の壁が一つ広がった。

そういえば『クリスマス』や『サンタクロース』という世界は、成長とともに認識世界が大きく激しく変わっていくよね。


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コハクチョウ Cygnus columbianus :日本最西の越冬地へ

2022-12-22 09:58:56 | 鳥類
2022年12月22日(木)

コハクチョウ Cygnus columbianus

20221030    全長120cmほど

ユーラシア大陸のツンドラ地帯で繁殖したなかの一群が、越冬へと日本に飛来する。
中国地方日本海側の斐伊川・宍道湖・中海周辺が、ほぼ越冬飛来の最西端らしい。
全身白色、大型の首の長いカモ科の水鳥。
くちばしは黒く、基部に黄色・橙黄色の部分があり、よく似たオオハクチョウの基部の黄色より小さめ。


「コハクチョウが100羽ほどやってきました」
とのお知らせに、一度は確かめにと米子水鳥公園へ出かけた。
遠出は数年ぶりで腰痛が不安だけれど・・・

到着後、散策路を歩く。
確かに数十羽のコハクチョウの大多数が、2か所の芝生でお休みになられていた。


「遠路はるばる飛んできたのだから、ゆっくり休みなさい」
と、観察センターへ向かう。
来訪者は2組ほど、浮かんでいるコハクチョウは数羽。


多くのカモ類が見えるけれど、殆どが瀬戸内でも確認できるカモ。
または、遠すぎて判別できない。

職員さんと情報交流をした。
米子水鳥公園は、水鳥保護の市民運動によって干拓地の一部を人工池にし、今も保護・環境学習の拠点となっている。
「いい時に来られました」
「コハクチョウたち、あと1ヶ月もすれば周辺の田んぼへと移動するんです」
「人けのない田んぼの方がエサも豊富だし、運動量も減らせるということですか?」
「その通りです」

と、観察センター前へと2羽近づいてきた。


「今朝はハイイロチュウヒとか、先日はノゴマとかいろいろ来ていたんですよ」
「今も遠すぎるんですが、マガンのえさ場にヘラサギも1羽来ています」
いろいろな野鳥たちの画像を見せてもらったり、周辺の生き物の最新情報を聞かせてもらったり・・・

「うらやましい限りです」
「私の暮らす瀬戸内の干潟では保護活動もほぼ皆無で、関心も少ないし、ねぐらも少なくて・・・」
私も、ヘラサギ・キアシシギ・オバシギ・ホウロクシギなど、拙い画像を見ていただいた。

「とんでもない! うらやましいのはこっちの方です」
「瀬戸内の干潟の大きな干満にあこがれます」
「だってシギ・チドリのエサ場が豊富で、観察も撮影もやりやすいでしょ?」
「日本海側は干満がとても小さくて、シギ・チドリを探すのは一苦労なんですよ」
なるほど。
自分の暮らす地域の良い点を聞かせてもらったのはとてもうれしい。

1時間ほどの会話の終わりころ、1羽のコハクチョウが近くの浅場へとやってきた。


公園にあと1冊だけ残っていた『米子水鳥公園の生態系と野鳥図鑑』(今井出版)を購入し
帰宅後に読んだけれど、野鳥への確かな愛情と観察記録の苦労にあふれている。
とても良いローカル図鑑だった。
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