私魚人(あいうおんちゅ)~定年親父の魚三昧:タナゴ仕掛けとガサで出会った魚たち~

50年続けた魚遊び。胴長ガサガサもしんどい。ならば釣りだ!野遊びだ!タナゴから珍魚・駄魚釣りへ!地元の生き物探しへ!

シラウオ:漁見学のハズの思い出・・・

2021-11-25 17:13:32 | 通し回遊魚
2021年11月25日(木)

シラウオ オス


シラウオ メス


あれは忘れもしない春、数年前のいつだったか・・・
(忘れとるやないの!)
「シラウオ漁を見に来られませんか?」と知人から
「え? いいんですか?」
「ええ、もう漁も終わり頃ですし・・・」
と、ホイホイ出かけて・・・

産卵のために遡上するシラウオを観察することに・・・
「ほらっ! 岸辺に近寄ってきてますよ!」と言われても
「え? どこにいるんですか?」と、とんと見えやしない。

「すくってみてもいいですよ!」
「いいんですかっ!」と、空振り。
「も一度やってみますか?」と、お言葉に甘えて、空振り。

ふんっ!見えないんだもんっ!
と、何度も何度も空振りをして、少しずつ見えるようになって・・・
やっとこさオス・メス1匹ずつ。
もう十分だ!

大切に大切に撮影ケースに移すと

底に横たわり、死んだふりをした後・・・

すごい勢いで何度も何度も飛び出てく!(この体勢からピュン!)


シラウオってかよわいイメージとは全然違うぞっ!
とってもエネルギッシュな魚だわ~っ!
「シラウオのような指」と言われたら、「リンゴを握りつぶせる怪力の指」と受け止めるがいい!
ま、そりゃそうだよなあ~、汽水域から淡水域へと遡るんだもん。

全身筋肉のかたまりのようなコイツら、じっとしてくれない。
なので撮影は四苦八苦。

オスとメスの区別は尻びれ(青丸:)周辺の形を比べれば割と簡単だ。

オスは鋭角に

メスはよりなだらかになってるよね。


背にあぶらびれ(赤丸:)がちゃんと見える。
ワカサギやシシャモ、アユとかの親戚すじであることがわかる。

また、メスの腹部(黄丸:)に大きな卵のうも見える。

たっぷり撮影してたら弱ってきて、少しずつ筋肉が白濁していき

すっかり動かなくなってしまった・・・

これは、ハゼの仲間のシロウオとか、タイで釣ったグラスフィッシュとかでも同じ様だった。

ま、いいのだ!

訪ねたときから、同行してくれた研究者さんが標本としてお持ち帰り予定のペアだったからね。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

シンジコハゼのメス婚姻色:あれから3ヶ月半

2021-03-30 18:07:27 | 通し回遊魚
2021年3月30日(火)

シンジコハゼのメス


タナゴ類やオイカワなどにせよ、多くの魚たちの繁殖期にきれいな婚姻色が表れるのはオス。
ところが、このシンジコハゼやビリンゴといったハゼたち、メスに婚姻色が出る。

3ヶ月半ほど前のこと👇
シンジコハゼは数秒で・・・(釣査262種目)

といった顛末の末、心やさしき友は私が釣った5匹を
「万が一、釣った傷口から伝染病などが蔓延しないように」
「貴重な生息域に影響を与えないように」
「婚姻色が表れるようすを観察しよう」と、持ち帰って飼育してたのであった。


もちろん寿命がつきるまでの飼育で
間違っても放流とか、あてのないままの繁殖などしない「飼い殺し」ではあるが・・・

「水換え手伝って~っ!」という連絡に、ほいほいとお邪魔して・・・

メスは2匹だったという。
婚姻色が出はじめると、メス間でなわばり争いがしばしば起こるようになったそうだ。


メス同士の闘争をほうっておくと、大きく広げたヒレもボロボロになるらしい。

白背景にすると、あまり泳ごうとはしない。


ただ、体側の黄色い横帯が直線的で、ビリンゴとは全く違うのがよくわかる。

ま、欲どおしい私としては、腹びれの真っ黒を撮影したかったけどね。
水槽の水換えとかエサやりとか、まったく何も手伝わんまま撮影ばっかさせてもらっただけでもぜいたくな話だわ。
コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

シロウオ(素魚)を求めて・・・

2021-03-09 18:11:05 | 通し回遊魚
2021年3月9日(火)

シロウオ メス


体長4cmの成体、まだ抱卵は未成熟なみたいだ。

一昨日、恒例の水辺調査を直後にかかえてる友と下調べ。
「そろそろシロウオが(産卵のために)遡上してくるはずやろ?」
「本番で採集できればよろこぶけんな!」と。

手分けしてガサをおよそ20分。
砂れきで転石が埋まってるところも多く、浮石にして、産卵遡上中の休み場を増やしながらのガサ。

「採れた~っ!」と友の声。
もう十分だ。
どっちが採ったかなんてくだらぬわ。
フフフ・・・私も大人になったよのう!

他種の撮影をしつつ、かわりばんこにたった1匹の撮影開始!

順光のこのパターンで、昨年までは失敗をくり返してたわな。

逆光気味にして

あかん! 頭部が光ってぼやけるやんっ!

ほどほどの向きにして

大きさはわかるけどな。
なんとなくインパクトに欠けるわな。

おとなしくしてるように思われるかもしれないが・・・
撮影ケースを泳ぐ泳ぐ。


泳ぐ泳ぐ。

とてもじゃないけど、ピントなんて合わない。



壁にぶつかり


立つんだ!立つんだ!ジョー!と叫びつつ


最初の1枚で、ま、ま、満足、一本満足~したのであった。
自分レベルでは、昨年までとは段違い平行棒にシロウオの美しさや透明感が写せてるから。

さて、シロウオ。漢字で書くと「素魚」、ハゼ科の魚。
江戸時代に発展した俳句の季語にさえなってないみたいだから情けない。
さまざまな自然現象や動植物への造詣の深さを尊ぶのが俳句の良さでもあるのに・・・

一方、よく比べられるシラウオ。漢字で書くと「白魚」
ワカサギやシシャモなどに近い仲間のシラウオ科。
こっちは、春の季語になってるからね。

多くの現代人が区別さえしないであろうこの2種に、これほどの扱いの差があってよいものか?
どちらも、春、産卵のためにヒーハーヒーハーと川を遡る透明な小さな魚だというのに・・・

「女性は話が長い」と言って辞任されたお方もいたように
シロウオとシラウオも違いをきちんと知った上で
同等の命として
またどちらも食生活や文化においても大切にされ
さらに、環境変化に弱い希少種でもあることもふまえ

私は、季語検討委員会に強く言いたい!(そんな委員会ありまへんけど)
「シロウオを差別するなっ!」
「同等に春の季語にすべきだっ!」と。

話がへっちょこへとそれてもうた。
自慢じゃないが、いつも行き当たりばったりに書いちょるけんな。

ま、季語じゃないというなら単純に「春」という季語入れて・・・
終わりに、駄句を一つ
素魚を撮る友を撮る春うらら


あっ!
大切なこと書き忘れかけた!
この画像に写ってる黒い三脚みたいなのが、『友がくれた撮影台』なのである。
腰痛持ちの私がいつも撮影場所探して徘徊してるのを見てるから。

3月9日だから「サンキュー!」と、友への感謝という
このネタ書き始めた頃の本来の主旨をすっかり忘れとるわ。
コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

シンジコハゼは数秒で・・・(釣査262種目)

2020-12-25 12:02:04 | 通し回遊魚
2020年12月25日(金)

シンジコハゼのメス


婚姻色である黄色い横帯が出はじめてる。

シンジコハゼ(性別不明)


タナゴ竿・仕掛けで釣ってきた262種目なのである。


今年の釣りのトリを飾るのに、Xmasが相応しいかなと・・・
自分と読者の方々へのささやかなプレゼント。

釣ったのは12月上旬。

事情に長けた友人の案内なのだ。
運転も生息地も何もかもお任せの大名釣りである。
もちろん、過密の正反対である超過疎、感染対策も確実に行った上で。

「ここらへんでやってみてください」の一言に、竿を出して数秒後・・・

「釣れた~っ!」


体長5cmほどの小さなハゼだ。
アタリも見た目もビリンゴとそっくり。
釣った場所が、宍道湖じゃなかったら気付かないくらいだ。

入れ食いだから、5匹釣って竿じまい。
口にハリがかかったのは2匹、後の3匹はエサをくわえて釣れ上がった後に草むらにポトリ。

5匹ともに大きな傷を負わせることもなく、実にあっけなく。
あれほど見たかった、釣りたかった魚なのに、もっと勿体ぶって釣れてくれんとなあ。

いつものように撮影ケースへ。

口のあたりが切れちまった実に残念な写真ぢゃ~っ!


向きがが逆やし、斑紋もなく、背ビレの黒点もうすく、地味なやつやんけ~っ!


友の丁寧な撮影の後で疲れはて、ヒレなんぞ広げる元気がなくなっちまってるぞ~っ!
せっかくいい婚姻色が出はじめてるのにな~。

ビリンゴと見た目明らかに違うのは、はっきりと数本の黄色の横帯が入ること。


また、背ビレ・腹ビレ・尻ビレが何となくビリンゴ大きい気がする。
ビリンゴより止水域に適応してるせいなのかなあ?

春先の産卵期には、胸ビレ・尾ビレ以外のヒレと頭部が真っ黒になり、実にきれいだ。
オスが泥地に巣穴を掘り、メスの産卵場所にするらしい。

なのに、なぜシンジコハゼ・ジュズカケハゼ種群・ビリンゴたち、メスがきれいになるんだろう?
そんな様子も一度見てみたい。

「宍道湖も少しずつ塩分濃度が高くなってきてて、シンジコハゼの生息地は狭くなってる」
「より塩分濃度の高い中海にすむビリンゴが宍道湖へと分布を広げてる」
「宍道湖以外の生息地はもっと厳しい状態になりつつあるらしい」と、友は言う。

考え方が極めて近い良い友に恵まれたもんだ。感謝!

私が、あえて釣ることにこだわってるのは
タナゴ釣り・仕掛けでもタナゴにこだわることはないよ、多様な生き物が釣れるよと
希少種や俗に外道と呼ばれ相手にされない連中も紹介していきたいと、思ってるから。

だから、シンジコハゼはもう二度と釣る必要はない。
絶滅危惧Ⅱ類
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

西の地に産卵遂げしサケの白

2020-12-17 09:12:43 | 通し回遊魚
2020年12月17日(木)

11月下旬、知人がサケ(シロザケ)の産卵域を案内してくれた。
サケの産卵としては、かなり西の端にあたる流域だ。

昼食は各自持参、まったく人っ子一人会うこともない粗密の粗。

「あ~遅かったですね~」


「まだ、生き残ってるの探してみますか」


「見つからないですね」


産卵を遂げたサケたち、さほど多くなく、川中を歩きながら見つけたのは数匹。


ここに2匹。


すっかり白く変色してる。


浅瀬へと戻す。


深い淵へと戻す。


もう1匹も戻す。


もっと深い淵にも1匹。


もっともっと深い淵にも1匹。


と、ここまでの話を信じてはいけない。

最初の瀬に、ひっかかってるサケは、私たちのヤラセ写真だ。
浅瀬の写真もヤラセだ。

淵に沈んでたサケを知人が棒きれで引きずって早瀬に置いてくれたのであった。

産卵を終えたサケの死体、早瀬にひっかかる場合もあるだろう。
が、いずれ流れにのり淵へと沈む。

つまり、この記事や画像は、終わりから初めへと読み進まねばならないのである。

なぜなら、「産卵サケはさかのぼる」からである!(ややこしいオッサンやで!)

北海道でしかみたことのない、まさに命がけサケの命のリレー、案内してくれた知人に感謝!
命の重さをあらためて味わせていただいたなあ。

もちろん観察だけ、ヤラセ写真後はふただび淵へ。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする