私魚人(あいうおんちゅ)~定年親父の魚三昧:タナゴ仕掛けとガサで出会った魚たち~

50年続けた魚遊び。胴長ガサガサもしんどい。ならば釣りだ。タナゴから珍魚・駄魚釣りへ!さらに地元の生き物探しへ!

ダビドサナエ Davidius nanus & ヤマサナエ Asiagomphus melaenops

2023-05-30 10:12:05 | トンボ・カゲロウ・カワゲラなどの仲間
2023年5月30日(火)

ダビドサナエ ♀ Davidius nanus

20230524  5cm弱

友人と地元の水生生物観察に出かけたとき、フキの葉にとまってた。


サナエトンボ仲間ではかなり小型。
種類の判別には胸部の紋様がよく使われてるみたいだから、横からゆっくり近づいてパチリ!


春、比較的水質の良い河川の中上流域で一番よくみかけるサナエトンボなのだが・・・
調べてみると、『日本固有種』とか『日本特産種』とか書かれていて・・・
なのに、なぜ『ダビドサナエ』という呼びにくい和名なのだ? 
『ニホンサナエ』でいいのではないか?
という疑問が虫素人としては湧いてきて・・・
やはり、日本の博物学の始まりがヨーロッパの研究者たちからだったのは大きいよねえと思った。

ヤマサナエ♂ Asiagomphus melaenops

20230508  7cmほど

かみさんと地元里山散歩中、コンクリートの山道にとまってて


そっと近づいて、てっきりキイロサナエだと思いつつパチリ!


胸部の紋様では判断できなかったから、図鑑に書いてある尾部の突起を確かめてみた。

キイロサナエのオスでは、この上部突起はあきらかに短くなるそうだ。

コイツも大型のサナエトンボでは最も普通に見られるとか
これまた『日本特産種』とか書かれてる。

やはり、幼虫(ヤゴ)として過ごす水域が隔離されることが、トンボたちの分化や進化を決めていくんだろうか?

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シロオビチビサビキコリ Adelocera difficilis :カシ類の葉に

2023-05-28 10:39:14 | タマムシ・ホタル・コメツキなどの仲間
2023年5月28日(日)

シロオビチビサビキコリ Adelocera difficilis

20230526  3mmほど

カシ類にいるチビタマムシを探し、近くの里山散歩していて見つけた。
手にのせるとすぐ擬死(死んだふり)をする。

形も行動もタマムシやコメツキみたいだ。

カシの葉にのせ、マクロ接写


サビキコリみたいなフォルムだとすぐ思ったのに・・・
サビキコリ Agrypnus binodulus

20230428 15mmほど

こんな小さなサビキコリの仲間がいるわけがないと思い込んでて・・・
他の甲虫グループを探しまくって・・・

撮影も、擬死からよみがえるタイミングもピントが合わず・・・



結局2日間かけて、正体不明のまま。

もう一度サビキコリから始めようとしたら、すぐシロオビチビサビキコリと判明。
「西日本のシイやカシの葉にいる」ということ以外、確からしいことはわからない。

一般に、人間はとてつもなく大きな、あるいは小さな存在は目に入らないようにできているから
宇宙とかコイツとか、日頃相手にされる対象ではないのである。
小さくても宝石などの有価物やセアカコケグモなどの有毒生物なら強く意識するのだけれど・・・

ついでに、近くにいた
キクスイモドキカミキリ Asaperda rufipes

20230526  10mmほど

頂上にある広場で、得意技の「枝つかみなさい方法」を駆使し




コイツは2年前、家の近くでみつけた思い出のカミキリ↓
キクスイモドキカミキリかなあ?

あの頃は、虫のことなどほとんど知らないし、撮影もすったもんだ・・・
ま、今だに中古2000円ほどの安物デジカメだけれど、少しはマシな画像になったかなあ。

んで、コイツの和名少し違和感を感じるんだよねえ。
想像にすぎないけど、菊を愛でる日本人だから
栽培菊の害虫とされるキクスイカミキリ

がまず発見・命名されたんだろう。

人間の生活の邪魔になる生き物は小さくても意識するパターンなのかもしれない。

その後、よく似たコイツが見つかり、新種として命名されたんだろうね。
そうすると、キクスイカミキリに似てるから『キクスイカミキリモドキ』となるのが筋のような気がしないでもない。

ところが、カミキリムシとは異なる『カミキリモドキ』というグループがあるから、そうもいかないんだろうな。
となれば、『キクスイカミキリモドキカミキリ』が正確な表現になるのかもしれないけど、長すぎるしね。
つまるところ『キクスイモドキ』カミキリというあやふやなとこで納得してもらえんかなあ・・・
みたいなことになったんだろうか?

妄想や憶測、思い込み・先入観はいいことではないんだけどね。

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ソリハシシギ Xenus cinereus :3種混合の集いに

2023-05-26 09:48:36 | 鳥類
2023年5月26日(金)

ソリハシシギ Xenus cinereus

20230509~10      25cmほど

この日、干潮前後を見計らい地元の干潟散歩。
ちょこまかと採餌するキアシシギたちに混じって、少し小さなシギがいて・・・

ずっと会いたかったソリハシシギだった。
何年も通ううちに、地元の野鳥の会の方や研究者さんなどとも顔見知りになって
「そこらへんにちょくちょくいますよ」と言われつつ、一度も観察できてないシギだった。

すわりこんで眺めるうちに潮が満ちはじめ、片足で休んだり


堰ですっかり眠りに落ちてたり


ん?
2羽いたのかっ!


ソリハシシギは、旅鳥として日本各地に現れる。
春は繁殖地である北方へ渡るとき、秋は越冬地である南方へ渡るとき
日本を羽を休める場所としているそうだ。

「すっかり少なくなってしまいました」と、昔の干潟を懐かしむ老人にもあった。
毎日、2回観察し個体数をチェックして回っているという。

潮が高くなっていくと、シギたちはねぐらへ移動する前に集まりはじめる。
ソリハシシギとキアシシギのツーショット


ソリハシは口ばしがそっているという命名だが
キアシより少し小柄、何より足が短くて地味だ。
そこにいるのに気付かないまま、何年も観察しそこねてきたのかもしれないなあ・・・と思った。

やがて、堰だけが浮島のようになり・・・
どこにいたのかアオアシシギもやってきて


3種混合のシギたちは飛び立っていった。


気が付くと、2時間近くすわってて・・・
腰がすっかりかたまって、立ち上がれなくなっていた。

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サビノコギリゾウムシ Ixalma hilleri ?:コブのいた小径に

2023-05-25 09:48:56 | オトシブミ・チョッキリ・ゾウムシの仲間
2023年5月25日(木)

サビノコギリゾウムシ Ixalma hilleri かなあ?



20230521   3.5mmほど

日常化してる地元里山散歩中に見つけた小さなノコギリゾウムシの仲間。

以前、同じ小径で見つけたコブノコギリゾウムシ(5mmほど)

(ツートンカラーで背にコブを2つ)

よりもふた回りほど小さい。

どれくらい小さいかと言うと・・・

私の左手親指の爪をそろそろ切らないといけないことがよくわかるくらい小さい。

しかも、明るい茶のワントーンカラー。


さらに、背にコブがない!
ここまで違えばもう別種だと、調べてみてもわからないことばかり・・・
後脚のノコギリ状は今回しっかり撮影しておいたから


ノコギリゾウムシの仲間であることは間違いないのだけど
見た目だけで判断したから、サビノコギリゾウムシ Ixalma hilleri で合っているのかどうかは極めてあやふや。
しかも、このサビノコギリゾウムシがどんな生活をしてるのかまったくわからない。

けど、地元の生き物を知っていくことは、無条件に楽しいね。

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ギンリョウソウ Monotropastrum humile :小径のほとりに

2023-05-23 09:22:48 | 植物
2023年5月23日(火)

ギンリョウソウ Monotropastrum humile

20230520  花茎20cmほど

地元里山での生き物探し散歩中、小道のほとりに咲いていた。
付近を観察すると、ここにも


そこにも群落が・・・

友人が教えてくれたポイントとはまったく違う地点で見つけたことがうれしい。

東アジアの寒帯から亜熱帯まで広く分布する従属栄養の植物だ。
従属栄養とは、自ら栄養を作り出す(独立栄養)ことができず他者からもらって生きること。
被子植物なのに『葉緑体』を持たないから真っ白、当然光合成をしない。

まだ、咲き始めたばかりのようで、短い花径のものも


日陰の湿った腐葉土に咲いていた。


ツツジ目の植物だから、もともと葉緑体をもち光合成していたのだろう。
それが『腐生植物』といって、樹木と共生する菌類に寄生し栄養を得るようになったのはおもしろい。
湿度・日陰・樹木・共生菌類というつながりの中で生きてるのだから、持ち帰っても育たないよね。

被子植物なのに、菌類のような生活を目指した変わり者なのもいいね。

私の長年の夢は、「体細胞に葉緑体を組み込めればいいな」というもので
そうすれば日向ぼっこをすれば光合成で栄養を得られるから、食い物に困らない。
食糧問題が解決すれば、あくせく働くこともない。
そうなればヒトも開発だ、発展だ、闘争・戦争だなんてならずに実に平和になるんじゃないかな?
実行できてる動物は、藻類と共生してるサンゴくらいかもしれないけど・・・

花のつくりを素人なりに調べてみた。

ほら、そこらのツツジとよく似た5弁の花だ。

ついでに、秋に咲くナンバンギセルと比べてみた。


コイツも葉緑体のない従属栄養の被子植物だ。


ただ、シソ目だから、分類上まったく異なる植物から進化していること。
そして、ススキなどの根から直接栄養を得る『寄生植物』だから、生活環はまるでちがう。

ま、コイツも変わり者なんだろうけど・・・

ちまたで生物多様性の大切さが当たり前のようにお経のように飛び交う時代。
とても良いことなんだけど、私たちは、この言葉を抽象的な概念のまま唱えてはいないだろうか?
地元でいいから、もっと生き物のこと知らなくちゃいけないんじゃないか?
あまりにヒトの生活と自然とがかけ離れてしまってはいないだろうか?

そんなことを思わせてくれる植物だったなあ。

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