私魚人(あいうおんちゅ)~定年親父の魚三昧:タナゴ仕掛けとガサで出会った魚たち~

50年続けた魚遊び。胴長ガサガサもしんどい。ならば釣りだ!野遊びだ!タナゴから珍魚・駄魚釣りへ!地元の生き物探しへ!

ゴマオカタニシ Georissa japonica :岩裏で越冬中

2024-02-16 09:24:08 | 他の無脊椎動物
2024年2月16日(金)

ゴマオカタニシ Georissa japonica

20240209  殻高2mmほど

渓流沿いの山道を散策中、1つ岩を裏返して3匹見つけた。
ちゃんとした石灰質の蓋をもつ陸水性の微小巻貝だ。
石灰岩のある地域でないと生活できないのは、ヤマタニシなどと同じだけれど
コイツ、あまりに小さくて・・・日頃人の目につくことはない。

2匹目

東日本以南の石灰岩層のある自然林の落ち葉の下(リター層)などに生息。
多くの都道府県のRDBに記載されているけれど、広島県ではまだある程度普通に生息しているみたいだ。
だけれど、この巻貝に気付く人は、ほぼほぼいない。

3匹目

小さすぎて、マクロ撮影がうまくいかない。
淡橙色の殻が美しいと、私は思う。

人知れず精一杯生きている小さな生き物が大好きだ。
持ち帰り、温度を上げれば、殻から体を出して這う様子を観察できただろう。
が、撮影後そっと岩を元に戻すことにした。
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ヤマトクビキレガイ Truncatella pfeifferi :顔つきも動きもカワイイ!

2023-06-29 12:08:45 | 他の無脊椎動物
2023年6月29日(木)

ヤマトクビキレガイ Truncatella pfeifferi

20230625  殻高7mmほど

広島県東南部の島での所要を終え
このまま帰るのはもったいないと、おそらく人為的な影響をほぼ受けていない海岸へ。
私は、在来種であるタワヤモリのいそうな磯の割れ目を観察して回ってた。
と、友人は遠くでしゃがみこんだまま・・・
仕方がないので引き返すと
「コイツ、見たことある?」と教えてくれたのが、この陸生の微小貝。


もちろん、初見の巻貝でカワイイ顔つきをしてるではないか!
調べてみると、あちこちの都道府県で「局地的・生息に適した環境条件が限られる」とか
「レッドデータリスト種」とか書かれてて
また、ほとんどの記録が「貝の標本」で提示されており
ならば、せっかく記録した生きてる様子を載せておこうと考えた次第。

波の影響をほぼ受けない飛沫帯より上部で、堆積した転石や漂着物の下に生息するそうで
道路整備や護岸工事など、人がいじった海岸ではほぼ絶滅するという。

確かに、この日訪れた海岸は、ふだんよく見かける「どこからか運んできた砂」を敷き詰めたのとは違う。
転石の多い海岸だった。

動きもおもしろい!


眼は、タニシたちと同じように触角の根元にあるが
少しずつ顔をだし、頭部をのばし、思い切りのばした後
顔の下部をはりつけ、1mmほど殻を前進させる。

流木の裏には、4mmほどの細長い幼貝もいて


コイツが「ヤマトクビキレガイ」と判断する決め手になった。
どうも、幼貝のうちは殻は普通にらせんを巻き
成長ととも殻の先端部は切れて(折れて)しまうらしくて
それが、コイツの「クビキレガイ」という名前の由来みたいなのだ。

広島県での生息記録や観察データは、ネット上では確認できなかったけれど、きっとどこかに保存されてると思う。
また、知る機会があれば見てみたいものだ。
それにしても「カワイイ!」としか言いようのない顔つきと動きだった。

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ニッポンマイマイ類 Satsuma japonica かな?

2022-09-04 17:32:34 | 他の無脊椎動物
2022年9月4日(日)

ニッポンマイマイ類 Satsuma japonica かな?

20220829 殻径・殻高ともに20mm弱

渓流沿いの山道散歩中に見つけた。
ほどほどに殻高がある小さいけど成体だと思ったカタツムリ。
殻は、みた目薄そうで、はっきりしない色帯がある。


便利な時代になったもんだと、とりあえずネット検索をしてみて
ニッポンマイマイ Satsuma japonica にたどり着く。

そして、そのまんま書こうとしてて、昨日かみさんの用事ついでに立ち寄った図書館で

『カタツムリハンドブック』(文一総合出版)がたまたまあったから
念のためにと借りてみたら

ニッポンマイマイ類 Satsuma japonica は広域種だけれど、地域ごとでさまざまな亜種に分化してるらしく

コイツに該当しそうな亜種の分布を記すと
ニッポンマイマイ Satsuma japonica japonica → 本州(東北~関西)
コニホンマイマイ Satsuma japonica heteroglypta → 四国・中国地方など

と、記載されているから、撮影地的にはコニホンマイマイなのだろう。

ただ、そのどっちなのかみた目まったくわからない。
その判別方法もわからない。


私にはカタツムリというよりオツムムリと、頭や触角・軟体部をひっこめるしかなさそうだ。
借りなきゃ知らずにすんで楽だったかもしれない。
けれど、広域種といってもいろんな亜種がいるということは、移動範囲が限られていたり、開発などで移動が困難になったりして
各生息域はスポット状となり、個体数も減少したりしているのかもしれない。
そう感じたのは収穫だった気がした。
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サンインマイマイ Euhadra dixoni +?:殻ごもりたち⑦

2022-08-13 16:46:43 | 他の無脊椎動物
2022年8月13日(土)

サンインマイマイ Euhadra dixoni

20220717 殻径50mmほど

所用を終え、車に戻る途中、山道のケヤキ(?)の葉にひっついてて

その重さに耐えられなくて、枝は垂れ下がっていた。

殻高が相当高いし、軟体部の模様も少し違和感がある。
セトウチマイマイとは違うカタツムリだというのが第一感。

「サンインマイマイじゃないですか?」と知人。
「ビンゴ!」だった。
中国地方と朝鮮半島に生息する樹上性の大きなカタツムリだそうだ。

知人に頼んで枝からそっと降ろす。
アカメガシワの広い葉にのせて・・・
な、なんと驚いたことに、危機を感じたのが軟体部をどんどん出してくる!


私の乏しい経験でいえば、触ったとき殻ごもりするのがカタツムリの習性だと思ってた。
コイツは逆に触ると、こもってたのにドンドン軟体部を伸ばしてくる。
その力もけっこう強い!

と、今度は知人が別のカタツムリを見つけた。

少し小さくて、こもったまま軟体部を出してくれない。

「サンインマイマイとは違う気がする」と私。
「いや同じですよ」と知人。
ならば、並べて撮影しとこうと

色の違いは個体変異だとしても、殻の巻き方の丸みの形が違う気がするからなあ・・・
コイツは、時折見かけるヤマタニシアツブタガイなのかもしれない。

撮影を終え、再びもとのケヤキ(?)の葉に戻して・・・


セトウチマイマイ


イズモマイマイ

念のため、並べておいてみる。

中国地方の大型カタツムリといってもいろんな種類がいることをあらためて思う。
かつて交流が少なかった時代の地域の方言の違いとよく似てるよな。
それくらいカタツムリたちの移動範囲は狭く地域ごとに種分化してるってことだね。

半世紀以上生きてきて、この大型のソフトクリーム状のカタツムリは初めて見たし
身近な自然といいつつ、パンダやゾウ、エスカルゴは見たり食べたりすることがあっても
「サンインマイマイは意識したことがなかった」ことに
あらためて自分の『常識の穴を見つけ埋めていくことが知恵のはじまり』なのだと思った。
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海・里・山のナメクジたち?:殻ごもりたち番外編②

2021-09-25 18:00:02 | 他の無脊椎動物
2021年9月25日(土)

今日は、海・里・山にいる3種の「~ナメクジ」について

まず、海にいるのは
ウミナメクジ 15mmほど

20210723

「ナメクジ」という名がつけられてるけど、アメフラシ科なのでナメクジではない。


特技は、「塩分に強い」こと。
そりゃ、海の中のアマモ場にすんでるからね~!

そして、「変幻自在に体型を変化させる」こと。

触角を4本出して前進してるかと思いきや


まるでヒラムシかのように体を平べったくしたり


壁にぶつかり、触角をひっこめ、ハッピーターンみたいになる。


弱ってきたのか? 棒状になり触角を下げる。


弱点は、陸で闘えないことだっ!


続いて、里にいるのは
チャコウラナメクジ  30mmほど

20210920

コウラナメクジ科だから背中に貝殻の名残りを残してる。


空気呼吸のための孔は、常に右側にある。
「私の私の彼は~左利き~」なのに対し、チャコウラナメクジは右利きなのかもしれんな?

外来種で、アメリカ軍の物資とともに1950年代に日本に進駐してるという。
在来のナメクジたちよりも繁殖力・防衛力など強いみたい。
「日本の侵略的外来種ワースト100」に選ばれてるくらいに。

弱点は、塩だ!
(砂糖でもいいけど、費用対効果では劣るな!)


最後に、山にいるのは
ヤマナメクジ  150mmほど

20210811

でかい!
とにかくでかい!

在来種なのだが、ダークダックスが歌った「雪山賛歌」のごと
「俺たっちゃっ町には住めないからに~♬」と
俗世間を見放した屈強な山男みたいだ。
もちろん寡黙だ!

弱点は、開発と塩だ!
(砂糖でも・・・そりゃもうええってっ!)

さあて、海・里・山・・・どいつが強い?
(「全部弱い」「比べられない」も大正解!)
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