私魚人(あいうおんちゅ)~定年親父の魚三昧:タナゴ仕掛けとガサで出会った魚たち~

50年続けた魚遊び。胴長ガサガサもしんどい。ならば釣りだ!野遊びだ!タナゴから珍魚・駄魚釣りへ!地元の生き物探しへ!

イチリンソウ Anemone nikoensis :県生物多様性シンポに添えて

2024-04-16 09:57:57 | 植物
2024年4月16日(火)

イチリンソウ Anemone nikoensis

20240415  花径4cmほど

キンポウゲ科の山野草
昨日、広島県の生物多様性シンポジウムに尽力した友人と山歩き中咲いていた。

ロビーに120枚ほど「備後地方の生き物」写真展を催し


その準備を手伝って、「喫茶ごん」で600円ランチ(コーヒー付き)をおごってもらい


4月13日、当日早めに会場へ行き、最前列の席を確保してほっとしていたら
私のブログを見て参加した若者たち3人に声かけられて
そのうち1人はわざわざ関西から足を運んだそうだから
「あらま!」と、何となく申し訳なくなって
「要らんこと書かんとこっ!」とあらためて思いつつ、また要らんこと上書きしてる

定刻前には、会場は満杯となり


シンポジウムは始まり

予定していた4時間を超えつつ、あっという間に終わった。

県の絶滅危惧種の生息状況もわかりやすく学べただけでなく
長年関わり続けたその努力量の大きさに圧倒された
いったいどれだけ時間をかけ、どれほどの地域を駆けてきたんだろう?
「生息する」ことを明らかにするために「生息していない」その他地域を網羅してまわる虚しさは如何ばかりだったろう
そんなことを想像すると、あらためて講師の方々は「広島県の貴重生物種」だなあ、と思った。

後で1人の講師に尋ねてみたら
「期待した成果がでた調査は6回に1回くらい」だそうだ。
5回は首をうなだれて帰途につく、その一見失敗というか無駄な時間が支えてるのだよね。
調査対象の希少生物に長年かけて向き合い続けるということはそういうことなんだなあ・・・
成果やその発表は一瞬だというのに・・・

だから、イチリンソウを添えようと思った。
たった一輪のうす桃色のつぼみは、いわゆる成果だけれど

それは、ほぼ誰も見ようとしないたくさんの葉に支えられてる。

その花は、発表の機会のようなものだけれど、わずか数日で役割を終える


春の妖精「スプリング・エフェメラル」とよばれる由縁でもある。


どうか、希少な生き物たちが生きにくい自然になりませんように・・・
どうか、貴重な講師たちに限らず、真っ当な人たちが生きやすい社会でありますように・・・

元気をもらえるし、5月のシンポジウムにも参加してみよう!
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セリバオウレン Coptis japonica :カタクリの咲く前に

2024-03-22 11:26:08 | 植物
2024年3月22日(金)

セリバオウレン Coptis japonica 両性花

20240318 花径10mmほど

5~7片のがく、8~12片の花弁、白い雄しべ、中央に赤緑色の雌しべ
セリに似た葉をした花期3〜4月のキンポウゲ科の小さな野草だ


友人とカタクリの花を見に出かけ、まだ時期尚早で

まだ、やっと葉が伸び始めたばかり

と、山裾にそって咲いていたのがセリバオウレン
よく知らないままかんさつしてると中央が緑・赤、そして真っ白なままのがあって
念のためにいろいろ撮影しておき、帰宅後調べることに

例えば、コイツは真っ白

これは、雌しべをもたない雄花だ

コイツは中央までびっしり雄しべが占めている雄花だ


雌雄異株だそうで、雄株・雌株・両性株の3型をもつことできっと生存に有利にはたらくのだろう
雄しべのない雌花を探しそこねたことが少し残念だった!
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イヌタヌキモ Utricularia australis :瀬戸内南部のため池で

2023-10-15 12:44:02 | 植物
2023年10月15日(日)

イヌタヌキモ Utricularia australis

20231011    花径10mmほど

私の県では、沿岸部から吉備高原まで広く分布する水生植物。
茎に捕虫嚢があり、ミジンコなどを取り込む食中植物で、牧野富太郎氏がみつけたムジナモと似た仲間。

地元散策中にたくさん生えてるため池をみつけ

20230904
花まであまりに遠くて、湿地帯もぬかるんでいて、撮影はあきらめていた。

その2日後、別の小さなため池2つでも花を咲かせていて





60倍ズームで撮影したものの何となくパッとしない。

その後、隣町のため池で、足もとで撮影できるタヌキモを見つけて

20230920

「あなうれしや」と何枚か撮ってたら・・・なんか花の形が違う気がする。
牧野富太郎さんもムジナモをみつけたとき、こんな感覚だったんだろうか?
私はズブの植物シロウトなもんで、比べるのはおこがましい。
詳しい方には当たり前のようなことでも、シロウトはうれしくなるのである。

花を比べてみるには、池干しするときか多少干上がって岸辺ができるときに地元のため池へ行くしかないよね?
てなわけで、10月になって行ってみて、足もとにたった1つ咲いてた花を撮影したのが最初の画像。

2つを比べてみる。
花の下唇:イヌタヌキモは半円形、ノタヌキモは楕円形


生息地:イヌタヌキモは寒冷域から温暖域まで広い、ノタヌキモは温暖域は苦手
RDB:イヌタヌキモは普通種、ノタヌキモは絶滅危惧II類

なるほど!
食えないのに教科書のシダ植物の生活環などの例でよく出てくるイヌワラビとか
種子が小さくてイヌのキン〇〇に似てるとつけられたイヌノフグリとか
イヌ〇〇という名がついてる植物は、「人の役に立たない」とか「とるに足りない」とかの蔑みに近い感覚だったんだなあ。

私は、イヌタヌキモは蝶のようで、ノタヌキモは信楽焼の狸のようで、どっちのタヌキモも美しいと思う。
ただ、イヌタヌキモという名は、犬なのか狸なのか、それとも藻なのか?という疑問がうまれそうだ。
赤塚不二夫の『ウナギイヌ』もつい浮かんできたりする。

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ガガブタ Nymphoides indica :ため池めぐりて

2023-09-25 16:07:30 | 植物
2023年9月25日(月)

ガガブタ Nymphoides indica

20230904  花の大きさ10mmほど

地元のため池散策中に出会った水生植物の可憐な花。
分類上はミツガシワ科アサザ属だそうだが、素人の私にはよくわからない。
私の暮らす広島県では、水質汚濁とか洋種スイレンなど外来植物に占有されるとか、ため池自体が埋め立てられるとか・・・
さまざまな要因で生育地は激減している。
私自身も30数年前、近くのため池で1株の花を見て以来なのだ。

環境庁・広島県ともにレッドデータ: 絶滅危惧II類

この日、故人に似合う花を探しながら里山を散策していて、山道が行き止まりになった先のため池に咲いていた。


あまりに清楚で美しく、故人には似合わんなと思いつつ、畔に座り1時間ほど眺めていた。


ガガブタという和名は濁音が多く、少し格好悪いと思ったりもする。
が、漢字で書くと『鏡蓋』、つまり鏡のふたなのである。
格好いいではないかっ!
何となく自分を映す鏡のようで、心が洗われるではないかっ!

6弁の花も混じって咲いていた。


花弁が1つひっついて4弁になっていた花もあった。


哀しいのは、田畑へ水を供給するために地域で管理されてる山奥のため池でさえ、オオクチバスが不当に放たれていたこと。

そうまでしてバス釣りはしなくちゃいけないものなんだろうか?

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ノタヌキモ Utricularia aurea :ため池めぐりにて

2023-09-23 08:59:24 | 植物
2023年9月23日(土)

ノタヌキモ Utricularia aurea

20230920    花の大きさ10mmほど

隣町のため池散歩中に出会った花。
私の町には、同じタヌキモ属のイヌタヌキモばかり。
しかも、ほとりに近づけないため池ばかり。
この池では簡単にほとりに降りられ、しかも足元でもいくつも咲いてた。


タヌキモ属は、食虫植物。
水中葉の付け根付近に捕虫嚢があり、ミジンコなんかをつかまえて栄養に変えてる。
『らんまん』ですっかり人気者になった牧野富太郎さんがみつけた新種ムジナモもこの仲間だ。

イヌタヌキモの花の下唇はくねった半円型なのに対し、ノタヌキモは楕円型。
いろいろ接写しながらノタヌキモで間違いないと思った。


念のため、水中の茎の様子も撮影しておくことに。

イヌタヌキモの分岐が2本なのに対し、ノタヌキモは3本だそうだ。

また、イヌタヌキモよりも寒冷な地域に分布するらしい。


環境庁RDB:絶滅危惧II類


このため池は中央付近でも水深が浅くて、一面にノタヌキモの花。


手入れしないまま遷移が進むと、いずれこのため池も湿地となり、やがて陸地化する。
地元の方々のため池の管理・手入れがあればこそ、こうして咲き誇り続けることができてるんだよな。

最近、やたらオオクチバスが不法に放たれたため池ばかりみてきたから、心がすっきり晴れやかになった。

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