イエローフローライトを探して

何度も言うけど、
本当にブログなんかはじめるつもりじゃなかった。

いいことあっるぞー

2010-03-24 15:11:34 | CM

固定電話の当月料金明細に、光フレッツメンバーズクラブのパンフレットが封入されてきました。表紙の女子高生制服スタイルの女の子どこかで見たような…と思ったら、昨年のNHK大河『天地人』の千姫役だった川島海荷(うみか)さんですね。秀頼殿と姑・淀殿とともに大阪夏の陣で自害しようとして真田幸村に止められ生家=徳川家に帰るも、「千はおジジ様をお恨みします!」と徳川家康の松方弘樹さんを突き飛ばす場面はなかなか良かった。

1994年生まれ16歳、若ぇーー。制服が似合う道理。“海荷”という字並びが、当地の特産物“薄荷”=ミントを思い出させます。さわやかすっきり。本名かしら。なかなか新鮮なネーミング。

先月だったかどこかの情報番組でSUNTORYの清涼飲料水“なっちゃん”のイメージガール“6代目なっちゃん”が紹介されていた(6代目って。三遊亭円楽か)し、この“イメガ業界”っていうの?ミドルティーン、ローティーンのかわいい女の子が次々と出てきますな。

一方、光フレッツと言えば、うちのブログの大家さんでもあるOCNのイメガ・相武紗季さんは、気がつけばもうイメガ界ベテランの風格が漂ってきました。2006年に月河がインターネット環境になりプロバイダを選んだとき、「OCNって、相武紗季ちゃんがCMやってるトコね」と思った記憶があり、その頃からずーーーっとOCNの顔をやってるわけです。アタック№1鮎原こずえになったり、魔法使いサリーちゃんになったり、その間紳士服の青山や、やさしおや、麒麟ZEROもやってるわけですが、ハタチ前からの青春をほとんどOCNに捧げてくれていると言っても過言ではない(過言か)。つまるところは、CM効果が上がっているんでしょうね。相武さんがイメガになってからこっち、着々とOCN加入ユーザーが増えているから、イメガ代えよう、降ろそうという動きも出ないのでしょう。

1ブランドのイメキャラを、長年月にわたってつとめているタレントさんはほかにもいくらでもいますが、相武さんの場合なんとはなし不憫なわけですよ。だってアタック№1にしてもサリーちゃんにしても、1985年生まれの相武さん絶対リアルで知らないと思うもの。撮りに入る前に、資料としてペーパーかビデオかで見るだけ見せられたかもしれないけど、昭和も40年代のブツですからね。「なにこのヘンな髪型」「なにこのいかがわしいブルマー」と引いたりしなかったかしら。

CMがひとたびこういうレトロノスタルジア路線に入ると、引っ越し荷造り中に昔のアルバムが出てきたようなもので、なかなか抜け出られません。『魔法使いサリー』が出たら、当然『ひみつのアッコちゃん』も出るでしょう。マハリクマハリタからテクマクマヤコンへ。また髪型が微妙にややこしい。

『リボンの騎士』も出るかもしれない。こちらは別の会社のCMで、石原さとみさんが演ってたような気もするな。あれは三銃士だっけ。ちょっとあやふや。

「『アタック№1』が出たのに、なぜ『サインはV』を出さないんだ」という声が上がっても不思議はない(あるか)。どんだけ相武さんにブルマーをはかせたいんだと。誰がチイ子役だ。動ける巨ギャル・柳原可奈子さんしかいないか。チイちゃんはデブキャラのほか田舎者キャラも兼ねていたので難役ですが。

『さすらいの太陽』だって出ないという保証はない(あるか)。コレ意外とコロンブスの卵じゃないですかね。ジーパンはいて貧乏そうな格好をしてギター弾いて歌うだけだけど、相武さんの歌が聴きたい、歌う相武さんを見たいファンは少なくないはずです。誰が香田美紀役だ。北川景子さんか。豪華すぎるか。

言っても相武さん、この6月で25歳、そろそろアニメのコスプレより、女優として代表作・当たり役のひとつも欲しいところではないでしょうか。07年の『華麗なる一族』以後、演技しているところをちゃんと見たことがないのですが、いつぞやの月9では恋敵役にも挑戦、ちょっと新境地過ぎたのか、“黒アイブ”なんて苦笑気味に言われていましたね。先日15日の松本清張スペシャル『霧の旗』ではかつて栗原小巻さんや倍賞千恵子さん、山口百恵さん、近年では大竹しのぶさんや若村麻由美さん、星野真里さんが演じて、演技派への試金石ともなっているダークヒロイン・桐子役。うちの高齢組は完視聴したはずですが、「(市川)海老蔵がヤらしかった」「暑苦しかった」しか言ってなかったな。

まあ、ダークな役や虐め役、汚れ役に是が非でも挑戦したいわという場合、いつでも昼帯がお待ちしております。先日、安達祐実さんのヒロイン来演の報(45日スタート『娼婦と淑女』)でも思ったのですが、実年齢20代半ば~後半で、実年齢より見た目やイメージが若い女優さんは、長年月にわたり世代を跨ぐストーリーの多い昼帯にはこのうえもなく有利です。

いまなら相武さん、ヒロイン女学生時代から子持ちになるまで演じることができていちばんおいしいぞ。生涯最高のおいしさ。トマス・ハーディ『テス』の翻案なんてどうかしら。問題シーンが多いか。

………光フレッツメンバーズのチラシ一枚から、こんなに真剣に相武紗季さんについて考えるはめになろうとは。誰に頼まれたわけでもないのに勝手に疲れてしまった。ミスドでも買って食べるか。

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最も危険が危ないよ

2010-03-22 19:55:45 | 特撮・ヒーロー

SAPPORO麦とホップが、リニューアル後胸焼けがしなくなったのに気をよくして、一週間ほどレギュラーでリピートしたのですが、間をおいて、ニューカマーのKIRINサウザンを試飲した後でこっちに戻ると、やはりちょっと重いですね。

アルコール度数はスタンダードの5%なので、お酒として“強い”“きつい”ではなく、ビール味に近づけるべく原材料にいろいろ細工した分の“雑味”、もしくは添加物でしょうね。

単独で飲んでた時には「リニューアルして飲みやすくなった、これなら“私にはビールです”もウソにはならない」と思っていたのですが、もっぱら後味さっぱりを売りにしたサウザンを試しちゃうと、もうアウト。

ビールの黒ラベル、エビスブランドのザ・ホップシルクエビス、当地限定のCLASSICは飽きないし、残らないし、国産他社製品に比べてクチに合うと思っていたSAPPORO製品ですが、新ジャンルに関してはどうもWDRYが消えてから相性難が続きます。

そのKIRINサウザンにしても、原料由来の雑味を漉し出すために、天然ミネラルウォーターではなくマグネシウムを強化した水を仕込みに使うなど、第三のビールらしい小手先感ありありなんですけどね。前にもここで書いたように、新ジャンルって“安上がりにビール似の味を出そう”という、基本バッタもん精神のジャンルなので、逆に、本物の何倍も何十倍も考えて考え抜いて、何度もサンプル作ってテイスティングして、丹念に、丁寧に、手間ヒマかけて作らなきゃいけない。

この“手間ヒマのプロセス”が何工程にもわたって厚いぶん、ハズレるときはハズレが大きくなるんでしょうね。発射時1㍉だったブレが、100メートル先に命中するときは10㌢の大ハズレになってるようなもの。とりあえず選択肢が次々途切れず市場に現われるので、スイートスポットに近いのに出会えるまで、こっちもマメに試すことですな。

さてとっ、放送クールが9月スタートに変わったこともあってついついするする来てしまいましたが、『仮面ライダーW(ダブル)』も気がつけばすでに第27話、折り返し点を過ぎているではありませんか。555なら第三のライダー(と言うよりベルト)・デルタが参入、『剣(ブレイド)』ではブレイドのジャックフォーム強化、レンゲル=睦月の闇落ちと、ジョーカーの存在に焦点が当たって、後半の怒涛の展開につながった辺りに来ている計算です。

W』は一応2週で1エピ完結の構成になっているため、ひとつの事件が終わって翔太郎(桐山漣さん)がレポートをタイプする都度、「いろいろあったけどまあめでたしめでたし」な気分になりますが、ガイアメモリの謎、いよいよ奥深くなってきました。どうも『555』のオルフェノク覚醒、『剣』の融合係数同様、力を使えば使うほど人間らしさ、人間としての生命力を食い潰すような仕組みになっているらしい。

だったらドライバを使っているとは言え、翔太郎もフィリップも、照井も危ないじゃん。何を企んでいるんだシュラウド。何を考えていたんだおやっさん。

第二ライダーとして、アクセルが加入してきてから一段とテンションが上がっていますね。仮面ライダーというヒーローは、元祖の時代から人間への“敵対性”“負の感情”を内包させて作られてきた歴史がありますから、熱くなると人命救助や正義道義をさしおいて復讐のためにのみ戦うアクセルの参入で、いよいよもって正統仮面ライダー物語らしくなってきた。

アクセル=照井竜(木ノ本嶺浩さん)初登場の19話が実に良かった。アイスエイジ・ドーパントを一家“凍殺”の犯人と思い込んだ照井に、「左、早く仮面ライダーに変身して戦え!」とカツ入れられ、事務所のフィリップ(菅田将暉さん)を「フィリップ、変身だ!」と召喚したものの、検索に熱中すると容易に出てこないフィリップが反応せず、「あ゛ーーオマエ何にはまってんだよ!」と苛立つ翔太郎、ここで照井が放ったひと言「便」。

……『W開始当初からずっとうすうす思っていたことを、よくぞひと言で言ってくれました。この瞬間、月河は『W』の今後に関してはアクセルについて行こうと決めたのです。名実ともにWとチームになる日はいつか。最終話は夏休み中か。熱い夏になるなぁ。

21日放送の第27話では、メモリの力に魅入られて道を踏み外してしまう新人マジシャン役で、『忍風戦隊ハリケンジャー』ハリケンブルーの長澤奈央さんが。ハリケン当時は18歳、いま26歳かあ。髪型のせいかちょっと顔が細くなったようだけど、ドジっ子風味は変わらず。いまにして思うと、ハリケン当時が18歳にしては大人っぽかったですね。

ライダーによってメモリブレイクされると人間としての命は助かり法の裁きを受けるのが通例になっていますが、お祖父ちゃんの引退興行には間に合うかしら。メモリをに頼らず実力の努力で結果を出せばきれいにまとまりますが。

アクセルの偵察機・ビートルフォンに続き、音声のフロッグポッド、今週はデンデンセンサー。話題の3D用眼鏡をイメージしているのかな。小さなお友達が好きそうな小動物をピンポイント選んでモチーフに、よくもまあ次から次へと出してきますわ。『響鬼』のディスクアニマルで、「コレずるいよなあ」と思ったものだけど、エスカレートとどまることを知らず。

ところで長澤さん扮する新人マジシャンの役名は“リリィ白銀(しろがね)”。オールディーズな特撮ファンが、マジシャンという設定とともにこの響きを聞くと、『ウルトラQ』の悪魔ッ子リリーを思い出さずにはいられませんが、『W』はハードボイルド物語で“鳴海ショウヘイ”の探偵事務所ですから、映画『処刑遊戯』で松田優作さんを陥れる謎のピアニスト役をつとめた歌手のりりィさんのイメージもあったんでしょうね。『W』、つくづく大人への目配りも抜かりのない作品です。

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ゴク味

2010-03-21 19:59:50 | CM

17日発売のKIRIN新ジャンル・サウザン18日に近所のコンビニで見つけました。いやはや。冷蔵ケースで現物見ると、ますます缶コーヒーチックですな。

でも、飲むと味はしっかり“お酒”してます。発泡酒~第三のビールブーム前のSUNTORYのビールにちょっと似て、お酒より原料水の味のほうが前に出ている感じはありますが、キャッチに謳う、100mlあたりマグネシウム10mg含有の硬水使用が効いているのか、決して悪い意味での水っぽさではなくて、さっぱり感や後味のさわやかさに、プラスにつながっている。

KIRINの新ジャンル、昨年春のシーズンイン以降、軽い酸味含みのはんなり甘くち・コクの時間に、香りを優先させホロ苦さでくるんだホップの真実と、少しずつ違った角度からビール系をアナライズして製品化、それぞれそれなりの評価を得ていますが(年を越して、製造打ち切られたラベルはないようです)、このサウザンがいちばん素直で嫌味のない味に仕上がったかな、という気がします。新ジャンルにありがちなネバッとした、ムダな薄ら甘みが残らず、炭酸由来の舌ピリピリ感がないのが好ましい。

若干強引にたとえれば、同社の他の先発ラベルより、SUNTORY金麦“原料水こだわり感”により近いかも。金麦の硬水押しヴァージョン、甘くち度抑えめヴァージョンといったおもむき。

嫌みがない分、引っ掛かりも少なくて、他のラベルではなくぜひコレを!と指名買いしてくれる固定客が掴みにくいかもしれませんが、青系の缶パケデザインはひそかに金麦を意識しているような気も。金麦のヌシとの経営統合がぽしゃったから市場に出せた…なんてことはないでしょうが、若者のお酒離れでますますパイ縮小、激戦化するビール系市場、頑張ってサバイバルしてほしいですね。

CMキャラクターは、久しぶりの日本のTVの仕事?後藤久美子さんとのことでこれも楽しみにしてたんですが、CM、コクの時間や金麦のリリース時に比べて、いっこうに見かけないじゃありませんか。いま集中的に流さないで、いつ流すのかと余計な心配してしまいます。酒類CMオッケーの平日夜の時間帯に、昼間の録画ばっかり見てるから出くわさないのかしら。サウザン公式サイトで見られる動画では、マヨルカ島の海岸風景をバックに、相変わらず美しいですよマダム・アレジ。3児の母。奇蹟だね。

CMと言えばSUNTORY伊右衛門茶の本木雅弘さん・宮沢りえさん扮する茶職人のご夫婦には、いつの間にか赤ちゃんが生まれてたんですね。りえさんが昨年春、私生活でもママになられたから実現したヴァージョン、というわけでもないか。

父親が初孫の顔を見に訪ねて来ても、奥で茶葉のブレンドに余念のない伊右衛門=本木さん。りえさんは「お父さんいらしてはるて、何遍も言うてますねんけど…」と気を遣いますが、お父さんは「構へん構へん、今日はこの子の顔拝みに来たんやから」と赤ちゃんを膝にご満悦。お父さんが中村敦夫さんなので、「あっしにゃー関わりのねえことで」と言いやしないかドキドキしてしまいますが。この赤ちゃんがもう78年もしたら、いまの加藤清史郎くんみたいな大物子役(?)になったりして。

武家屋敷風の縁側に全員時代劇仕立ての服装、ヘアメイクなのに、りえさんがお義父さんに出すお茶はおなじみペットボトルの伊右衛門茶、ガラスの茶碗。でも何の違和感もない、不思議なファンタジー世界です。

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目と目が合って

2010-03-20 22:15:27 | 再放送ドラマ

『爆竜戦隊アバレンジャー』のアバレイエローいとうあいこさん、結婚されたんですね。2010210日と、なんだかパスワードみたいに覚えやすい日付を選んで入籍。スポーツ紙によると交際4ヶ月でのスピード婚とのことで、秋風が吹く頃に知り合ってクリスマスにぐぐっと盛り上がり、一緒にニューイヤーカウントダウンを刻んでキメちゃうパターンかな?とどうでもいい想像をしてしまいますが、ご本人たちは初対面から互いに運命の人の予感があって、結婚前提の4ヶ月だったそうです。とりあえずめでたい。

 戦隊ヒロインって基本的には女闘士ですから、ホットにもクールにもテンション高さを要求されることが多いんですが、いとうさん、キャピキャピしててもどこか落ち着いていてお姉さんっぽいというか、いまにして思えばですけど人妻向きなオーラが漂っていましたね。出色だったのは本シリーズ終了後の『デカレンジャー』とのヴァーサスシネマ、デカピンク菊地美香さんとデカイエロー木下あゆ美さんとの3ショットで女侠客のコスプレを披露したシーンで、もちろん3人の中では最年長(撮影時24歳)ということもありますが、コスプレお遊びなんだけど不思議なしっとり感があるんですよね。単に着物が似合う、襟足シニヨンが似合うという世界の話じゃない。内からにじみ出てくる感じです。

 あぁこの子は早めに家庭に入るかも…と思っていたら、いきなり2008年の昼帯ドラマ『愛讐のロメラ』でダークな情念ヒロインに来たのはびっくりしました。愛と憎に復讐がからまり、くねるねじれる。想像ですけど、それまでの役柄で見せた彼女の、元気溌剌で陽性キュートな“だけではない”、秘めてにじみ出る静かな“湿り気”のようなものがこのドラマのアンテナに引っ掛かり、呼び寄せたんでしょうな。

とにかく行動が“ためてためて、極端に振れる”ヒロインだったため、陽性な笑顔を封印しての演技は引き出しが少なく演り辛そうでしたが、自分へのチャレンジとハラくくってぶつかってる感じはビンビン来ていました。いま手もとに、『ロメラ』オリジナルサウンドトラックCDがありますが、コントラストの強いライティングで、ダークな目ヂカラで見つめるいとうさんのバストアップジャケ写、整ったお顔立ちをもったいなくもキッツく幸薄そうに見せる、眉間に入り込むくらい深く、先端を尖らせた眉頭の描き方など、かーなりがんばっていたんだなーと思います。

結婚されて、持ち前のしっとり感が活かせて女優の仕事も幅が広がりプラスになるのではないかと思いますが、気がつけば29歳、ご本人は早くお子さんがほしいところかな。昼帯ウォッチャーとしては色艶に磨きのかかったところでもう一度、今度はもっとはんなり女らしい役で…なんて欲かいてしまいますが、とりあえずお幸せに。ジューンブライドを予定しているという挙式時には『アバレンジャー』同窓生も集合するかしら。らんるちゃんひとすじだったヤツデンワニはせつないだろうな(来るかな)。

再放送の『眠れる森』は第4幕まで録画しましたが、どうも脱落の腰つきです。前にも書いたように犯人が誰かはなぜか(なぜだ)知ってるので、アノ人犯人ですべてがつながる伏線がどう敷かれているのかを一度見たいと思って録画始めたものの、見れば見るほど、コレ、結局アイドルドラマなんですよね。大人の本格的ミステリーサスペンスらしき装いにはなっているけど、“キムタク文句なし萌えモテ男”“ミポリン文句なし美人さん”という大前提にまずは乗って視聴始めることができないと、あらゆる描写が持ってまわった牛歩戦術に見えてしまう。

『アバレン』関連から書きはじめたついでに引き合いに出すと、戦隊ものなんかは100パーセント、ヒーロードラマですから、「かっけー」「かわえー」「燃える!」「萌える!」ノリが、大人の身でもどこかに微量なければ、ツジツマ合わないやら他愛無いやらで、とても1年間週イチ、付き合えるしろものではありません。

このドラマは、観客をミステリー展開に“乗せる”ための燃料として、主演2人のオーラ、催萌性にあまりに多くを頼りすぎている。あらかじめ木村拓哉さん中山美穂さんのそれまでの作品、キャラやアイドル露出に、じゅうぶんジュクジュク耕されきっている客なら何の問題もないけれど、誰も、何もカッコいいと思わないしくすぐられもしない態勢で、謎解き、心理ドラマだけに嵌まり込むのはコレ、はっきり言って無理でしょう。無理を通して道理を引っ込ませ過ぎ。“記憶喪失”“記憶改変”と“フラッシュバック”を口実に、謎の眼目をマスキングし続けて話数を引っ張る構成も、野沢尚さんが実力と(故人となられてもなお)定評のある作家さんだから安心して言いますけど、ミステリーとしてずるいし、芸がない。

月河としては、仲村トオルさんの、いきなりウラオモテありげな完璧なフィアンセぶりを鑑賞するつもりだったのですが、『黒革の手帖』、『けものみち』、『華麗なる一族』では適度にねじくれて輝いていた仲村さんも、ここでは(叙述的にホレ、ああいう事情がありますから、序盤から前に出るわけにいかなかったのはわかりますが)いまいち繊弱で迫力に欠けます。

ただ、時代(=本放送199810月期)のたまものというか、キャスト依存だろうが無理があろうが道理が引っ込もうが、とにかく「ミステリーとして作る!」という根性が決まっていることはもっと評価してあげていいと思いました。悪く言えば遊びがないとも言えるんだけど、最近のドラマなら、ミステリー主眼の作品でも、まったりした家族劇や青春劇、あるいはギャグ、コメディ、はたまたエロ、グロなど、必ず“ミステリーからはずれた息抜き要素”が入っている。

『眠れる森』は、隅々まで隙間なくミステリー。ミステリーでない場面はひとつもない。12年前、大手銀行が相次いで破綻したり毒物混入事件があったり、決しておだやかな年ではなかったはずですが、まだこの時代は、TVの観客にも“無酸素呼吸”に耐えられる体力があったのだなあ。

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マグロ、ご期待ください

2010-03-19 20:25:45 | ニュース

モナコと言えば、税金もとらずF1とカジノの上がりで食ってる国みたいなイメージしかありませんでしたが、クロマグロ絶滅阻止にこんなに強硬に動くとは思いませんでしたな。世界中の大富豪が集まって遊び暮らす地中海のリゾートでは、トロとかは食べないのかしら。

 我らがクロマグロ、もとい本マグロが、ジャイアントパンダやジュゴンと同列のアンタッチャブル絶滅危惧動物として、「捕獲するなんて、ましてや捌いてナマで食うなんてちきゅうにやさしくない、人間のやることじゃない」と指弾されるとは。回遊魚だし、結構モリモリ繁殖して豊富な水産資源だと思っていたのですけれど。

「オマエらだって牛殺して食ってるだろ!」と言いたいところですが、「ちゃんと牧場でおいしい餌与えてヌクヌク肥らしてから食べてるもんね~」「野山を自由に走り回ってるのを網かけて捕まえて切ったりさばいたりしてないもんね~」って言われたらそれまで。考えてみれば日本人、地続きに文化を異にする他民族がいない島国の気楽さか、山菜は採るタケノコキノコは採る、“みずから汗かいて金投じて耕さない自然の実りを、勝手に取って食する”ことにわりと無神経、無頓着なのは否めませんね。

要するに、乱獲しない、幼魚は捕らない節度の範囲内で消費すればいいんですよね。いくら“日本の食文化”と主張しても、そこらのコンビニや回転寿司、ファストフード店でまで本マグロが食われまくっている現況は、いくらなんでも飽食し過ぎと言われても仕方がないかなという気もします。

人間、異民族の食文化には滅法偏狭なもので、記憶に新しい2002年サッカーW杯日韓共催大会当時には、韓国を初めて訪れた、特に北欧の報道陣や観戦サポーターから「韓国人は犬を食べるらしい」「野蛮だ」「動物愛護に悖る」「犬肉料理を出すホテルには泊まらないぞ」との非難が上がったことがありました。まー日本人視点からしても、愛玩犬でおなじみチワワやトイプードルやゴールデンレトリバーを思い浮かべて、あの可愛いのを皮剥いでさばいて鍋で煮て食っちゃうの!?と思うと飛び上がりますが、韓国の皆さんにすればもともと食用に育てられた種類のヤツを手頃なシーズンに手頃な手法で料理するんだから、牛や豚や鶏を食べるのに比べて、突出して野蛮で残酷だと言われては心外でしょう。

世界に目を広げると、信じられない生きモノを信じられない方法で調理して常食している国はあるもので、その昔『世界まるごとHOWマッチ』で、国名は忘れましたが南アジアの国で、果物を主食とするコウモリを形まんまでスープにして食べてるのを見たことがありますし(例によってゲテモノ食いならたいてい経験している石坂浩二さんが、「旨いんですけど、顔がイヤなんですよ。すごく恨めしそうな顔してるんです」と言っていた)、大航海時代からのオーストラリアの国民食・カンガルースープは、日本でも食べられるお店があるようです。エスカルゴ(かたつむり)や、背中に3本縞のあるグルヌイユ(食用蛙)はグルメの国フランスでは普通にコース料理の一環ですね。

日本人がマグロ食べ過ぎ、捕り過ぎって言われても、旨ーいやつの旨ーい部位をとことん好き放題食べようと思ったら途方もないお愛想払わなきゃならないし、たいていの庶民はお財布と相談しながらちょぼちょぼ大切に食べてるので、金持ちの道楽御用達どころみたいな国から資源保護だの動物愛護だの言われたくねぇや、とは思いますが。とりあえず国際取引全面禁止は否決されたようでひと安心。

ちなみに、今回地中海マグロ保護を提唱したモナコの王様・アルベール2世大公は、ハリウッド女優だった故グレース・ケリー王妃の遺児なんですね。胸にするか腿にするか(@『泥棒成金』)。

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