前日に地球の裏側で大きな地震があったのは報道で知っていたのですが、28日はびっくりしましたね。日曜ですから片づけが終わった深夜、恒例のスーパーヒーロータイム=『W』、『ゴセイジャー』の録画再生視聴を始めるところですが、この日は同日午前中に生放送されたフィギュアスケートのエキシビションを先に観ようと思って再生してみたら、最初っから最後まで津波警報画面(倒)。
右のカドの日本列島の輪郭がぴろぴろ点滅してる上を、メダリストの皆さんが滑走している(興醒)。
もしやと不吉な予感にかられて、後のお楽しみにするつもりだったゴセイジャーとWをだだだーっと早送りでスキャンしてみましたが、あーーーーどうにか無傷。祝杯。たぶんスーパーヒーロータイム後の午前8:30~9:00台に気象庁発表があって、そこから全TV局が緊急警報態勢になったようです。
これほど早めに厳重に警戒していても、当地から遠からぬ太平洋岸でも潮位が何十センチか上がり、養殖ワカメやカキに深刻な被害も出たらしい。警報の意味は大いにあったということなんでしょうけど、長いよねー時間が。広いよねー画面を占領する面積が。せわしないよねーぴろぴろ点滅の回数が。
しかも単なる津波警報ではなく“大”津波警報、予想高さ3メートルって、いくら何でも巨大戦想定しすぎ。
当日在宅していた家族の証言によると、同日13:00からの『CSI:7 科学捜査班』も、本編すべてとCMすべて、ずーっとぴろぴろしていたそうです。ぴろぴろ日本列島の上で臨場するCSIチーム。ぴろぴろ日本列島の上に死体おいて解剖するアル。ぴろぴろ日本列島の上で箴言を引用するグリッソム主任。そんな主任にぴろぴろ日本列島越しに熱い視線を投げかけるサラ。ちょっと見たかったような気もするけど。
どんな番組もイベントも、自然の脅威には勝てませんね。どんなに科学が進歩しても、100パーセント寸分違わぬ予測なんか天災に対しては立てられない。軽微な予測値と、重篤なそれとが出たら、重篤なほうメインにアナウンスしないわけにはいきませんからね。日々の天気予報も、雨の予報して晴れるより、晴れの予報して雨降りになるほうが被害甚大だし(傘屋さんその他を除く)、皮膚感覚的にトッパズレ感も強い。
日曜の朝が天災におびやかされた記憶と言えば、新潟中越地震の翌日だった2004年10月24日、『仮面ライダー剣(ブレイド)』の全篇地震情報L字画面を思い出さずにいられません。K(キング)のカードを得てカリスから進化したワイルドカリスと、同じくKの力で暴走するブレイドキングフォームとがわたり合う、バトル面でも心理ドラマ面でも、ストーリーの中盤最高テンションのエピソードでしたが、別の意味で緊張を強いる画面になってしまった。当時のVHS録画をまだ保存してありますが、前週10月17日終盤の引きでワイルドカリス登場にワクワク「来週楽しみだなー」と胸躍らせていたお子さんたちが、新潟にもたくさんいたはずと思うと、何度リプレイしても胸が痛みます。
天災に限ったことではなく、人間、明日何が起きるかわからない。ドラマの次回を楽しみにしていられるのは、一週間後も平和で、平穏で、元気でTVの前に座れると暗黙のうちに信じているから。
「こんなにご丁寧に大袈裟に長時間画面に出さなくても」と、邪魔に感じるTVの天災情報、字幕は、“邪魔に感じる”というそのことで、平穏に慣れきった心に警鐘を鳴らす「メメント・モリ」なのかもしれません。邪魔に感じることができる幸せ。忘れがちですからね。
とりあえず『W』のハイライト、翔太郎“電波塔の道化師”とフィリップ女装にぴろぴろ日本列島がかぶらなくてまぁ良かった。被害復旧も順調に進むといいですが。