イエローフローライトを探して

何度も言うけど、
本当にブログなんかはじめるつもりじゃなかった。

空也食わず

2010-01-12 17:33:38 | 昼ドラマ

『インディゴの夜』は第1週と、ファーストエピソードを11日(月・祝)で終え、晶(森口瑤子さん)がまだ半ば不承不承ながら店長職を受け入れて、次エピ以降への下地はOK、というところまで来ました。

 「昭和」「おばさん」、「“ディスコ”と言って“クラブ”と言い直される」などの加齢ワードにいちいちツムジを曲げる、元・売れ筋女性誌編集者とは到底思えない晶のナーバス加減や、要所要所で巻き舌ダミ声でキレるステレオタイプ元ヤン表現など、ベタな漫画チック描写をそれなりにぬるく笑って過ごせれば、“従来の同枠との違いを打ち出した、新感覚昼ドラ”としてさしたる破綻は見当たりません。

 何と言っても今作は、キャストの年代が圧倒的に若いほう寄りで、かつ“ユニークなホストクラブの型破りホストたち”という設定のため、“カッコかわいい”“おもしろミステリアス”“ネタ可笑しい”と多方面、高低さまざまのハードルをクリアしている面々なので、従来のここ枠の昼帯とは比べものにならないくらいトータルの絵ヅラが“軽快”です。晦渋さや、ねっとり湿気がこんなに少ない昼帯は記憶にないほど。

“年長組”の森口さんにしても、アラフォー設定にしては反則的に若々しく、六角精児さんは意外性があり(『相棒』の多趣味オタッキーで温和な鑑識マン役の、軽く倍は声量がある)、升毅さんはこれまた設定的に作り込むだけ作り込んでいる役柄なので、反則的におもしろい。

ただ、全体が若く軽く明るくなったのに比例して、目線も下がった。年齢的にも、人生経験的にも、読書歴・ドラマ視聴歴的にも、従来よりかなり低い層を目標に想定して製作されている感じです。高校女子、中学女子をメインに、昼休みのOLさんやパート主婦、専業主婦の中でも“ここ23年の間に就職、もしくは反対に寿退職→家庭入りした”人に目線が向いていそう。

要するにすべてがビギナー仕様で、夜のお仕事ものとしても、素人探偵ミステリとしても、アラフォー女子の“遅れてきた自分探し”ものとしても、敷居が低く入って行きやすい代わり、奥行きも浅い。スーパー浅い。

1stエピ、「自殺しようとする女性なら発見時に見苦しくないよう、身だしなみを気にするはず、赤のブラウスに緑のスカートなんてミスマッチな色合わせを着て死ぬはずがない」という晶の思い込み披露も噴飯ものなら、ホスト諸君が“さすが女性視点”とばかり納得して聞いているのも滑稽を通り越して憮然でした。

加えて11日放送の同エピ解決篇、晶が真犯人に到達する糸口が“青汁の緑色が判らなかった=色覚異常”とは、他愛なさ過ぎて噴飯する元気もなし。まぁ『相棒』を筆頭に、テレビ朝日の1話完結事件ものなんかではこの手の、トンデモトリックトンデモ手口、あるいはトンデモ動機をトンデモ思考回路で思いつき急転直下って珍しくないのですが、トンデモなら「これはトンデモですよ」と納得させる地合いを最初からしっかり作って踏み固めておかなければなりません。たとえば『富豪刑事』シリーズのようにね。

殺されたTKO(タケオ)(金子裕さん)が困っている人を見ると男であれ女であれほうっておけないたちで、インディゴの若手たちからも兄貴分にして恩人と慕われており、晶が酔って捨てた婚約指輪をこっそり拾って手紙を添え返してくれるような、心優しく男気あふれる性格だった等と中途半端にシリアスしんみり要素を付加してしまったから、「くっだらねー!」と気持ちよくバカ笑いして終了といかないわけです。

実はいちばん脱力したのは、第3話(7日)のインディゴ憂夜(加藤和樹さん)とエルドラド空也(徳山秀典さん)との、夜の線路沿い差しでの対話シーン、憂夜の「ウチのTKOが殺されたことは知ってるな?オマエの常連客に殺された疑い高い」というセリフでした。

Qさま!!』レベル以下。「疑い」「容疑」なら、「高い」ではなく「濃い」でしょうよ。どうしても述語を「高い」にしたいなら、「~殺された可能性が」にしないと、主述が噛み合わない。

見れる着れる食べれる、マジかよ?チガくね?のDQN設定人物ならなんでもありませんが、憂夜は公式の人物紹介によると「“んなヤツいるわけねーだろ”的に頭脳脳明晰、冷静沈着」設定なのです。頭がいい設定のキャラなら、頭の悪そうな言葉遣いをさせてはいけない。これは脚本家と、脚本をチェックするP、及び現場でOKを出す監督の責任です。

そもそも、この程度のセリフ内語法ミスが気になる時点で、ガハハと笑過せしめるだけの勢いがドラマに無いということ。もっとどうしようもない愚かな間違いだらけのセリフが、2時間ドラマなど溢れかえっていますからね。気になって引っかかってしまうということは、“うまく客を騙せていない、押し切れていない”のです。

一週終わっての感想は、「このドラマを見守り見届けるのは自分の任ではないな」というところに落ち着きそうです。製作サイドが“こういう人に視聴してもらいたい”とイメージする客層の中に、月河は入っていない気がする。逆に言えば、月河が観なくても、月河では気づけないおもしろポイントをしっかり見つけて楽しんでいる人が、確実にどこかに結構いそうな気がする。

ここで何度も引き合いに出しましたが、たとえば07年の同枠『金色の翼』は、修子(国分佐智子さん)が弟にもウソをついて槙(高杉瑞穂さん)と落ち合うべく東京に発った辺りで、“修子はヒロインではなく人物たちの欲望の触媒”と読み替えが成り、デュ‐モーリアの『レイチェル』との相関を見出した途端にぱーっと霧が晴れて、「どんな展開になっても、たとえ最終的に残念な出来になっても、自分だけはこのドラマを最後まで見届けよう」という意欲がフツフツと沸いてきたものです。長編の小説や、多篇収録の作家別短編全集などに取りかかったときに、そうしょっちゅうではありませんが経験する、“作品に呼ばれる”“作り手に呼ばれる”感覚(もちろん、必ずしも“傑作・秀作の予感”を意味するものではありません)です。

『インディゴ』には未だそれがない。…まぁ、2ndエピ以降も、一応OPに登場している面子が戦列に出揃うまでは付き合おうと思います。『任侠ヘルパー』以来の高木万平・心平ツインズと、『浅見光彦 ~最終章~』に出ていたらしいアバレキラー田中幸太朗さんの顔が見えますし。

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裏の裏の裏

2010-01-10 23:09:33 | 再放送ドラマ

暮れに最終話を見とどけたドラマでもう一本、『外事警察』について触れずに来ましたが、あの終わり方(1219日放送)で良かったのか、良しとしていいのか、判断に迷ったので放置していました。

単体としては嫌いな最終回ではなかったんですけどね。『振り返れば奴がいる』や、『相棒 Season 2の『殺してくれとアイツは言った』のラストなど思わせる「この後果たしてどうなったでしょう?」を残してエンド。余韻の残し方、忘れられなさの刻印として、あざといけれど、まずは乗ってあげられる。

ただ、NHKの土曜ドラマは、『ハゲタカ』を筆頭に、最終話は第1話で蒔かれたタネを収穫して円環がつながり閉じる…ような構成になっていることが多いんですね。暮れに再放送された『再生の町』も、ゆるめだけれどそういう構造になっていました。

連続モノでこういう作りになっているドラマは幾らもあるのですが、NHK土曜ドラマは話数が56話と、記憶が新しいうちに完結するのでちょうどいいのでしょう。

従って『外事警察』もどうにかして見逃した第1話と、第2話の序盤15分ぶんぐらいを視聴しないと、あの最終話をどうこう言えないなと思っていたら、10日にBShiで一挙再放送とのこと。これは嬉しいニュース。きっと要望が多かったのでしょうね。

早速録画セット。逆光やカラヴァッジオばりのコントラスト、ジョルジュ・ド‐ラ・トゥールばりの単一光源を多用した画面だったので、最高画質で録画することにしました。落ち着いて再生するのが楽しみです。最終話のクライマックス=爆発シーンがモノクロで複数話にわたって何度もフラッシュする叙述法をとっていましたが、時系列の話法なら、陽菜ちゃん(尾野真千子さん)の交通婦警制服姿なんかもあるかしら。

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AB1,000

2010-01-09 19:43:22 | 食・レシピ

自身が塩分は控えたいお年頃で、塩分コンシャスな持病持ちと同居してもいるので、ビールのお供に乾きモノは普段あまり行かないのですが、「市川海老蔵さんが婚約して新居は一億円豪邸(←築10年の中古戸建てで新築時は2億円超だったそうですが、んなことはどうでもいい)」というニュースをネットで読んでいたら、ふと懐かしいカルビーのかっぱえびせんが食べたくなりました(…………)。

当地にもカルビーの工場があり、実はひところ、営業担当立ち回り先の近所でもありました。結構ご縁はあります。

通販代金支払いついでにコンビニで、久々にスナックの棚を物色。おや、かっぱえびせんのパッケージデザインがだいぶ変わったような。昔ながらの朱赤基調ではなく、何やら、ブレイク限界(?)のゴールドに格子縞模様です。

ついでに上の段にあった、サッポロポテトも随伴購入。こちらは変わらずベジタブルグリーンにイエローロゴのビタミンカラー。コンビニで、立ち姿勢目線に近い上の段に陳列されているということは、いまはこっちのほうが主力売れ筋なのかしら。

 食べてみると、あれれ?微妙に味が記憶と違う。よく見ると、サッポロポテトは“つぶつぶベジタブル じゃがいも+6種類の野菜入り”、かっぱえびせんは“期間限定マヨネーズ味”でした。なるほど、さすがにコンビニは勾配が速い。売れ筋売れ筋、新発新発と展開して行きますね。トレンドはこれなんだ。

ゴールドに格子縞と見えたのは、マヨネーズを絞り出して描いた模様を表現していたのでした。さほどの“マヨラー”ではない月河ですが、これはなかなかいけます。スタンダードなかっぱえびせんに、マヨ由来のこっくり感と、適度のヘルシー酸味をオン。そう言えばスタンダードかっぱえびせん略してスタかぱを、マヨネーズディップして赤ワイン飲んでたヤツもいたっけ。

サッポロポテトつぶつぶベジタブルは、確かに野菜由来の黄色や緑や赤のツブツブが点々と見えますが、味はそんなに変わらないかな。スタンダードサッポロポテト略してスタサポ(←しかし、何故略すんだ)時代から“野菜のスナック”を売りにしていましたからね。カボチャとにんじん由来と思われる、ほのかなナチュラル甘みが加わって、少し野菜スープっぽくなったかしら。

スタかぱにしてもスタサポにしても、並みいるスナック系乾きモノ軍団の中では油っぽさが少なくさっぱりして、味も濃くないのでわりと飽きずにいける系でした。同じカルビーからピザポテトが出たときには、チーズもポテトもピリ辛スパイスも好きな月河、結構リピったのですが、あのこってり味は飽きるのも早かった(いまでも周期的に、二~三枚つまみたくなりますけど)。たぶん99年頃、ゴーダ&チェダーのWチーズヴァージョンがリリースされた頃でしょうね。

こういうおつまみって、ほどほど薄めなほうが後を引きます。スタかぱの、♪やめられない とまらない のキャッチは伊達ではないのですな。

スナック系でほかにフェイバリットと言うと、サッポロポテトのバーベQ。あの、編み編みカゴかザルを分解したようなやつね。つぶつぶベジタブルよりちょっと大人な辛口。

あとハウスのオーザック。こちらは名前の通りザクザクして、ポテト感より澱粉感が強いのですが、その代わり、たっぷり空気を含んでいて軽い。油けも少なめでギトッとしてなく、カラッとしている。コンソメ味、のりしお味とかいろいろヴァージョンも出たけれど、やっぱり当初のうすしお味に戻って来る感じ。

チープでイージーで、添加物上等で、体に良くないジャンクフードの代表選手みたいに言われる“スナック系”ですが、「ジャガイモ=野菜ベースだからいいじゃない」「エビのカルシウムたっぷりだからいいじゃない」とエクスキューズしてついつい食べてしまいますね。

実家母は、、パッケージングしてスーパーで売っていて、開ければすぐ食べられる体裁になっている食品をいたく嫌っていて、ポテトひとつとっても自分でしこしこ皮を剥いて、かたかた刻んでしゃあしゃあ揚げたものしか実家父のおつまみに出しませんでした。その反動で、月河はジャンクフード、レトルト・インスタントもの大好き。スーパーよりさらに一段イージーでアドホックなコンビニの、売れ線高さの棚に新しいラベルが並んでいるとつい手が伸びてしまいます。袋をピャー開けて、手を突っ込んでポリポリできるジャンクスナックは、幼い頃実家母を見ていてずっと鬱陶しく思っていた“手作り呪縛”へのリベンジでもあるわけです。

カルビーの公式サイトを見ると、ポテトチップスだけでも100種類以上のバリエーションの歴史があるんですね。ざっと見ただけでも明太子マヨネーズ、ガーリックシーフード、にんにく醤油、本格キムチ、梅わさび、炭焼き地鶏、しょうが焼き、チーズフォンデュ、バジルトマト、パリパリ餃子、カルボナーラ、タンドリーチキン、激辛インドカレー、ねぎ塩レモン、ベーコンエッグ味、あさりバター…と、“日本人が好む味”の見本市状態。

“カウチポテト”という言葉の発祥になった国にも、そのポテトの味のバリエがこんなにあるとは思えません。もはや日本独自の食文化と言っていいでしょう。

“家庭の手作り至上”と教育されて育った世代の、お母さんメイド味の“呪い”からも完全に自由ではないけれど、ファミレスにファストフード、おもにUSA由来のジャンクな動物性っぽさやカジュアル感にはワクワクせずにいられない、二律背反な嗜好を映し出しています。

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藍より出でて

2010-01-07 17:09:57 | 昼ドラマ

“いつもの”同枠とは違った雰囲気で期待させた東海テレビ昼帯ドラマ『インディゴの夜』、いまのところは、意外にそろっとしたスタートです。もっとはっちゃけてガンガン来るかと思った。

今作の“主力商品”であるホスト役イケメン俳優諸君は、無国籍風・格闘技系・アキバ系・ユニセックス…と、キャラクターが埋もれないように「打ち合わせ通り、一生懸命演ってます」といういっぱいいっぱい感が拭えず、いまだ全開とはいきませんが、“いつもの”出生の秘密や、身分違いの恋を背負わない、等身大のヒロイン・晶(あきら)を演じる森口瑤子さんが期待を裏切りませんね。

人気ファッション誌の女性編集長として仕事バリバリ、私生活も外資系証券マンと結婚間近で、人生順風満帆、勝ち犬気取りで肩で風切っていたのに、上層部の裏金スキャンダルの巻き添えを食らって突然解雇、恋人は同棲中のマンション家財道具、預貯金一切合財とともに「結婚できなくなった」の電話一本で失踪。傷心のどん底の晶のもとに、かつて同じ出版社で部数競争を繰り広げた元・写真誌編集長・塩谷(六角精児さん)が現れ、婚約者が自分を連帯保証人に3000万もの借金をしていると告げられます。失職中で無収入の晶に、塩谷はホストクラブ店長になって売り上げを上げて返済しろと迫ります。

迫ると言っても、『相棒』鑑識米沢さんでおなじみ六角さんが演じているので、ハードに恫喝するというより、大手搦め手取り混ぜてなんだかんだと身動き取れなくしていく感じ。

時代の先端を行くバリキャリだったはずの晶が、職も預金もなくマンションも住めなくなると、職探しの間だけでも転がり込める女友達の一人もおらず、父親違いの妹(長谷部優さん)にまで「旦那と子供で手いっぱい、お姉ちゃんの面倒まではみられない」とていよく追っ払われてしまう。仕事はでき、女も捨てずお洒落も怠りなく恋人もゲットしたけれど、人間関係力は非常に劣る女性だということがよくわかる。

実年齢43歳の森口さん、3年前の『わるいやつら』でワンシーンだけ画面に登場した上川隆也さんの鬼妻役が忘れられない、落ち着いた迫力のある演技もできる女優さんですが、今作はちゃかちゃか、ぴゃあぴゃあと、ファッションマスコミ業界に合わせて若づくりする癖がついてでもいるのか、それこそアキラかに精神年齢低く、大人の思慮や知性の乏しい“なんちゃって敏腕キャリア”女性をうまく表現しています。

1話での妹との会話からすると、晶の母親は再婚で妹を産み、いまも地元で水商売の店をやっている様子で、妹は解雇を機に実家に帰って母を手伝うよう勧めますが、晶は実家に帰ることよりも、水商売にかなり偏見と抵抗があります。2話では「ホストなんて女に愛嬌を売っておカネを貰う(卑しい)商売」「自分の才能と努力だけで、性差別にもセクハラにも耐えて編集長にまでなったワタシと、アンタたちとでは人生が違う」「ワタシはいつまでもこんなところ(=恥ずかしい賤業であるホストクラブ及びその雇われ店長職)になんかいないんだから」と、勝ち組コンプまる出しのイタい啖呵切って、イケメンホスト諸君を呆れさせドン引きさせてしまいました。

彼女の編集者時代のイメージシーンを見る限り、手がけていた雑誌はブランド衣料やグッズ、コスメグルメの広告料に浮かぶ砂上の楼閣みたいな腐れ虚飾メディアらしく、そんなしろものを仕切って花形職業気取りだった彼女に「オンナにアイキョー振りまいておカネ貰ってる」と蔑まれたんでは、ホスト諸君としてはまったく心外でしょう。

“努力して男社会の逆風をはねのけ、勝ち組職業で自立、かつオンナとしても充実”という、いま風に言えば勝間和代コンプレックスにとらわれた、競争&出世中毒のアラフォー女性vs.ワケありだけどそれぞれ自由な夢を抱き、女性を喜ばせるプロの自覚を持って働く若者たち。昼帯の主要客層たる女性視聴者に向けたタイムリーなメッセージ性もじゅうぶんですが、そのへんはあまりあからさまにせず、むしろ“変身なし巨大合体ロボ戦なしの戦隊&巻き込まれ姫”ぐらいの、惜し気ないはっちゃけを見せてほしいですね。日曜朝、テレ朝系スーパーヒーロータイムでの現行戦隊が、去年からああいった感じに低回しているので、“文句なく視聴後スカッとする戦隊”にいま、かなり飢えてますから。

主力のイケメン戦隊…じゃなかった、ホスト役諸君も危なっかしいながら未知の魅力の片鱗は窺えるものの、心配なのは“謎の切れ者マネージャー”憂夜(ゆうや)役の加藤和樹さん、わずか4年足らず前の『仮面ライダーカブト』では、キャラ設定上わざと時代遅れ勘違いな派手派手ファッションで、一種の被りモノ演技でしたが、それでも取り返してお釣りの来る涼しげな美貌だったのに、今作は、こちらも設定上?バサついた髪型のせいもあるのか、目つき顔つきがずいぶん落魄して、眼周りに妙なヒダができ、撮影画質上か肌にも張りがなく荒んだ感じに見える。『カブト』登場当時21歳、現在25歳ですから、容姿がくすむ年頃では到底ありません。昼帯3ヶ月クール作で、毎話登場シーンがある役となると撮影は苛烈をきわめます。体調は大丈夫かしら。

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脳をやられた

2010-01-06 18:38:49 | 夜ドラマ

新年からのNHK大河ドラマ『龍馬伝』はどうでしょう。時代劇のイメージも、NHKのドラマに出るイメージもなかった福山雅治さん主演というのはかなり新鮮に感じますが、坂本龍馬と言えば幕末維新のほんの短い間、日本に喝を入れるためだけに、この世に短期滞在したような31歳で没)なので、この2月に42歳になる福山さんという起用はどうなんでしょう。10年前の福山さんで観たかった気もします。

なんだか、半年ほど前『夜光の階段』の佐山道夫役が藤木直人さんだったときのようです。イメージとして、なくはないし、絵ヅラもいいんだけど、どうも老成し過ぎというか、こなれ過ぎなんですよね。どちらも雑草的な粗野さがなく、都会的でスマート。佐山は女性客に受ける優男美容師でありながら冷血殺人犯という二面性を持っていたし、坂本龍馬は、維新時の功績が評価されたのは死後で、リアルタイムでは飄化(ひょうげ)た変わり者、才はあるが奇矯な青年だったに違いないのです。もうちょっと“海のものとも山のものとも”という、得体の知れないムードを漂わせる俳優さんはいなかったものか。

ただ、龍馬の劇中時制通りの、実年齢20代そこそこの俳優さんとなると、当節、アイドルっぽいと言えば聞こえがいいけれど、ガチでジャリそのものだったりしますからね。いま、大河の1年間を出ずっぱりで任せられる安定した演技力があって、クレジットトップにふさわしい華もあることを求めると、やはりアラフォーになってしまうか。

月河の周りで4142歳というと、“おっさん以外のなにものでもない”のしかいませんが、福山さんは若々しいし、目には好奇心旺盛な若者の光を宿しているし、着物を着た身体の線も、さすがに18歳の少年のようとはいかないものの、さほどゆるんでもくたびれてもいない。直江兼続60歳没を、28歳の妻夫木聡さんが付けヒゲ老けメイクでこしらえ切り、演り切って苦笑させてくれたばかりですから、自分の実年齢はるか手前で散る役で、福山さんむしろラッキーかも。

本編はゆっくり観られませんでしたが、とりあえずOPが豪華。龍のCGとともに“Fighter”“Peacemaker”など龍馬のイメージワードが浮かび上がる画面は、『仮面ライダー剣(ブレイド)』の前期OPを思い出します。

『夜光~』ED聴いたときの、足もとの床が抜けるようなショックの記憶が新しいので、てれ~~と福山さんの歌が流れてこないかとヒヤヒヤしましたが、今回は歌う主役ではないようです。安堵。

この作品、一昨年の企画発表時は主演に木村拓哉さん、織田裕二さんの名前も挙がっていたはずですが、共演者との身長バランス問題その他をクリアして実現していたら。木村さんはともかく織田さんなら歌ったかもしれないな。歌う龍馬。見たかったような、勘弁してほしいような。

来るかな、龍馬ブーム。毎年、新作大河幕開けのたびに「今年は○○が来る」みたいなこと言われるのですが、結局ご当地観光客入り込み数が若干アップするだけで、後には格別何も残らない…の歴史のような気が。

誰でも簡単に真似できる、「~ぜよ」言葉は当面流行るかもしれません。

それにしてもねぇ。話が戻ってしまいますが、1968年の大河『竜馬がゆく』で北大路欣也さんが主演されたときは24歳だったわけですよ。坂本龍馬を映像化、それも舞台ではなくテレビでするのに42歳のミュージシャン兼業俳優を主演させなければならない現状って、根本から考え直さなくていいのでしょうか。

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