イエローフローライトを探して

何度も言うけど、
本当にブログなんかはじめるつもりじゃなかった。

脳をやられた

2010-01-06 18:38:49 | 夜ドラマ

新年からのNHK大河ドラマ『龍馬伝』はどうでしょう。時代劇のイメージも、NHKのドラマに出るイメージもなかった福山雅治さん主演というのはかなり新鮮に感じますが、坂本龍馬と言えば幕末維新のほんの短い間、日本に喝を入れるためだけに、この世に短期滞在したような31歳で没)なので、この2月に42歳になる福山さんという起用はどうなんでしょう。10年前の福山さんで観たかった気もします。

なんだか、半年ほど前『夜光の階段』の佐山道夫役が藤木直人さんだったときのようです。イメージとして、なくはないし、絵ヅラもいいんだけど、どうも老成し過ぎというか、こなれ過ぎなんですよね。どちらも雑草的な粗野さがなく、都会的でスマート。佐山は女性客に受ける優男美容師でありながら冷血殺人犯という二面性を持っていたし、坂本龍馬は、維新時の功績が評価されたのは死後で、リアルタイムでは飄化(ひょうげ)た変わり者、才はあるが奇矯な青年だったに違いないのです。もうちょっと“海のものとも山のものとも”という、得体の知れないムードを漂わせる俳優さんはいなかったものか。

ただ、龍馬の劇中時制通りの、実年齢20代そこそこの俳優さんとなると、当節、アイドルっぽいと言えば聞こえがいいけれど、ガチでジャリそのものだったりしますからね。いま、大河の1年間を出ずっぱりで任せられる安定した演技力があって、クレジットトップにふさわしい華もあることを求めると、やはりアラフォーになってしまうか。

月河の周りで4142歳というと、“おっさん以外のなにものでもない”のしかいませんが、福山さんは若々しいし、目には好奇心旺盛な若者の光を宿しているし、着物を着た身体の線も、さすがに18歳の少年のようとはいかないものの、さほどゆるんでもくたびれてもいない。直江兼続60歳没を、28歳の妻夫木聡さんが付けヒゲ老けメイクでこしらえ切り、演り切って苦笑させてくれたばかりですから、自分の実年齢はるか手前で散る役で、福山さんむしろラッキーかも。

本編はゆっくり観られませんでしたが、とりあえずOPが豪華。龍のCGとともに“Fighter”“Peacemaker”など龍馬のイメージワードが浮かび上がる画面は、『仮面ライダー剣(ブレイド)』の前期OPを思い出します。

『夜光~』ED聴いたときの、足もとの床が抜けるようなショックの記憶が新しいので、てれ~~と福山さんの歌が流れてこないかとヒヤヒヤしましたが、今回は歌う主役ではないようです。安堵。

この作品、一昨年の企画発表時は主演に木村拓哉さん、織田裕二さんの名前も挙がっていたはずですが、共演者との身長バランス問題その他をクリアして実現していたら。木村さんはともかく織田さんなら歌ったかもしれないな。歌う龍馬。見たかったような、勘弁してほしいような。

来るかな、龍馬ブーム。毎年、新作大河幕開けのたびに「今年は○○が来る」みたいなこと言われるのですが、結局ご当地観光客入り込み数が若干アップするだけで、後には格別何も残らない…の歴史のような気が。

誰でも簡単に真似できる、「~ぜよ」言葉は当面流行るかもしれません。

それにしてもねぇ。話が戻ってしまいますが、1968年の大河『竜馬がゆく』で北大路欣也さんが主演されたときは24歳だったわけですよ。坂本龍馬を映像化、それも舞台ではなくテレビでするのに42歳のミュージシャン兼業俳優を主演させなければならない現状って、根本から考え直さなくていいのでしょうか。

コメント
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