イエローフローライトを探して

何度も言うけど、
本当にブログなんかはじめるつもりじゃなかった。

私は飛ぶ 飛ぶの

2010-01-16 20:04:57 | ニュース

連日報道される日本航空=JALは最悪の惨状を呈していますな。ついこの間までは大学生の人気企業ランキング上位常連だったのに、いまや公的救済にすがる、上場廃止目前のカミクズ会社になりさがってしまったと。

マイレージをためていた人なんかは気が気じゃないようです。月河は2ヶ月に一度は東京出張していたサラリーマン時代を遠ざかって久しいのであんまり関係ありませんが、痩せても枯れても“ナショナル・エアー”だった同社が、国民の血税を原資に救済されなければならないのかと思うと、いろいろ複雑な思いにもかられます。

日本人の中にも、終生飛行機に乗るような出張や旅行をすることなく地元に住んで税金を払い続けて一生を終わる人もいるはずだし、一方では自分が移動しなくても、八百屋さんや魚屋さんで、航空便輸送で店頭に並んだ食材を買って食べたり、本や雑貨のお取り寄せしたりする機会はあるはず。健康保険や介護保険同様、“恩典に浴する人も浴しない人も支え合い”の精神で血税負担はある程度は受け入れざるを得ないか。

子供の頃、お子ちゃま向けの小学館の雑誌に世界各国の飛行機が図鑑のように載っているページがあって、パン‐アメリカン航空、エールフランス航空、ルフトハンザドイツ航空、アリタリア‐イタリア航空、KLMオランダ航空、ヴァリグ‐ブラジル航空、香港キャセイパシフィック航空…と無意味に記憶して親や親戚の前でご披露したりしましたっけ。いま、もう存在しない会社もあるのかな。なんか、記憶力っちゅうものが急カーブ成長する幼年期の一時期、何の役にも立たないそういうことを丸暗記する、それだけで楽しい時期があるわけですよ。

おまけに、それプラス月河も一応女子ですから、各国航空のスチューワデスさんの制服のイラストを色鉛筆で描き写したりしてね。まだ客室乗務員とか、キャビン・アテンダント、CAなんて呼称はなく、高学年のお姉さんたちがもっぱら憧れの職場視していた時代。やっぱりエールフランスのがいちばんおシャレだなとか、それに比べるとJALはいまいちでがっかりだなとか(まだスッチーお姉さんの膝小僧が見えるミニスカートになる前です)。別に勝ち負けを争うジャンルではない、軍用ならぬ民生の分野なのに、空を飛ぶということには別格の魅力があるのか、どうも“国旗で張り合う”気分になってしまう。ナショナルエアー、“フラッグ(国旗)キャリア”とは伊達に言わないものです。

まー、いま日本航空がどうこうなったとしても、ANAほか民間航空がたくさんあるし、それだけが原因で日本の国が立ち行かなくなってしまうわけでもないでしょうが、やっぱり日の丸つけて外国に飛び、外国人をも乗せて運んでる会社が、潰れかけのボロ会社ってのは、日本人としてあまり気持ちのいいもんじゃありません。

雑誌を見てスッチーユニホの絵を描いていた頃から、数年後かな?TVドラマ『アテンションプリーズ』が放送されました。2006年の上戸彩さんヴァージョンではなく、紀比呂子さん主演のTBSのほうね。当時の日曜夜730~は、NHK大河の前に、子供がTVを占領していられる最後の時間帯でした。

紀さん演じる頑張り屋さんヒロイン洋子より、敵役、て言うかライバル役兼意地悪役のポジションだった皆川妙子さんの、外はねパーマ風のヘアスタイルが好きでしたね。当時からいい子ちゃんヒロインより、プラウドできっつい意地悪キャラが好きだったんだな。皆川さんはのちに『愛の戦士レインボーマン』でもお見かけすることになります。

洋子と同じ劣等生仲間?で明るく庶民的な性格の友人役だった麻衣ルリ子さんは、ちょっと襟足長めのオオカミカット風。さる事情で訓練が一期遅れ、洋子たちと同期に下りてきたミステリアスな役回りの范文雀さんはこれにもう少しトップのヴォリュームを押さえた感じでより大人っぽかった。范さんは同枠前番組の『サインはV』で期せずして一番人気となったので引き続きの出演になったと思います。

浅黒メイクに長い黒髪、ジュン・サンダース役の記憶も新しい范さんの、パーマありショートヘア自体が子供心に軽い衝撃で、それが動機でお話あまり理解できないままに継続視聴していたような気も。

もちろん撮影全面協力はくだんの日本航空。「ノーブルで難関なイメージの職業だけれど、容姿成績凡庸な女の子でも、努力すればなれるのよ」という、“あゝ昭和”な努力万能論メッセージもしっかり含まれていました。

あのまま行けばスチュワーデス志向のお姉さんたちと同じような路線に行ったかもしれないのに行かなかったのは、詰まるところ、閉所恐怖症の傾向のせいだと思います。“高”所は平気なんですけどね。一歩も外に出られない、出るときは非常時だという密閉カプセルみたいな中で、ニコニコと飲食のサービスしたりアイキョー振りまいたりは到底できないと、ある時点でまったく憧れの職業じゃなくなった。“制服”というものにやんわり拒否感を持つようになった時期と一致しているかもしれない。

まぁ、話を元に戻せば、企業の、外っかわから見ての人気や好イメージなんて、10年と言わず5年か6年でころころ変わったり失墜したりするものです。実家父が社会人デビューした頃は、“三白”“3Sと言って製紙、砂糖、繊維のどれかに入っときゃ間違いないみたいに言われていたらしい(実家父はぜんぶ落ちたそうです)し、世紀のかわりめ近辺にはブイブイ言わせていたIT系なんてドコ行っちゃったんでしょう。

テロ事件とか世界不況などいろんな逆風はあったにせよ、航空業、航空旅客運送業自体が社会的使命を終えて要らなくなってしまったわけではないのだから、日本航空の今般の窮状は煎じ詰めれば経営ミスだったということでしょう。自社の経営上の操縦桿もうまいことコントロールできない会社が運航する飛行機にあまり命預けて乗りたくないですが、当地も、地続きでない場所はどこへ行くにも同社がいちばん便数が多くて便利なんですよねぇ。

そう言えば、連日JALJALと紙面やTVを賑わすここ最近、お笑いのジャルジャルは迷惑しているのではないかなあ。関係ないか。

コメント
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