イエローフローライトを探して

何度も言うけど、
本当にブログなんかはじめるつもりじゃなかった。

ありったけ俺の根性

2009-09-20 21:05:39 | 夜ドラマ

 今週初め、『任侠ヘルパー』サウンドトラックCDをやっと入手。

 アルバムイメージをひと言で言って“気合いの入ったアナクロ”

 弱きをたすけ強きをくじく“任侠”という空中楼閣的な概念に、“世間的には困ったものだけれど、でも好ましき”アナクロニズムを見たからこそ、この曲たちが出来上がったのでしょう。

 全篇のテーマ曲とも言うべきあの♪おーまいそ~『ALL   MY  SOUL』をはじめ、主だった曲の随所に『ウエストサイド物語』の匂いがあります。

 アウトロー、マイノリティ、そして怒れる若者たち。社会体制との軋轢、闘い。“義理”という名の自己犠牲。所属階層・組織が違うゆえに、心は通い合っていても結ばれるには至れない一抹悲しい恋。いずれも“もう時代遅れなんだけど、でも、だからこそ時代を打開する原動力になり得る”マグマが宿るモチーフばかり。

 早速デジタルウォークマンに落とし込んで出勤“突撃”時のテーマにしていますが、いいねぇ。実に前方推進力の高いチューンが揃っています。

 任侠、ヤクザが主人公になるお話にふさわしい、アップテンポの勇壮な曲やケレン味たっぷりな曲だけではなく、80年代前半のディスコを思わせる手作り感あふれる『鷹山組』や、おとぼけユーモラスな『四方木連合』、反対にちょっとテクノ風な無機感に満ちた『抗争』などバラエティに富んでいて、夜ドラマの劇伴もなかなかやってくれます。

 終盤の、夕焼け空のようなあてどない寂寥を湛える『ハートフルバード』『遥かなる空』『Lonesome  Falcon』に胸をかきむしられつつ、『Big  Easy  D type』の母性的な包容力に身を委ね、『ALL MY  SOUL‐Strings  Version‐』の、甘美な中にもあくまでストイックなリタルダンドの自己確認に至る一連のシークエンスは、朝でも夜でも、何度聴いてもいいですね。どんなに意気がっても、時には弱く甘っちょろい自分を、受け容れながら抗い、抗いながら受け容れて行く。任侠ならぬ平穏凡庸な小市民にとっても、人生ってそんなものなのでしょう。

 強いて駄目出すとすれば、ジャケットデザインがお座なりかな。ドラマ公式サイトトップと同じ、パンチパーマ草彅剛さんはイメージショットとして仕方がないとは言え、題字の“ヘルパー”部分は水色ギンガム(ご丁寧に“パ”の半濁点の中がハートマーク)じゃなく、タイヨウのイメージカラー=ひまわりイエローにすればよかったのにね。きっとドラマ内容の詳細が決まる前にジャケデザが先行走り出しちゃったのでしょうね。いかにもコマーシャリズムのゴールデンタイムドラマ劇伴らしい、こんな行き届かなさもいっそ好ましい。

 月河にとっては昼帯『夏の秘密』サウンドトラックと並ぶ、2009年をレベゼンするアルバムになりました。

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5倍くらいかなぁ

2009-09-14 16:50:00 | CM

リアルタイムでのオンエアを観る機会がなかなか無いのですが、KIRINホップの真実CMの桃井かおりさんが美しいですね。

缶パケデザインに合わせた?光沢あり群青色のベルベットの、オフショルダーのドレス。スチールの撮られ方もあるのでしょうけど、1951年生まれ、今年満58歳であのウエストの締まり具合、腕や喉首のたるまなさ、アップに耐える肌の(SKⅡメイドの?)みずみずしさは感嘆、憧れモノですね。

そしてあのシャギーでショートでミニマムで、“固めました”じゃない動感あるヘアスタイル。あんな風にカットして似合う顔立ち、骨格に生まれつけるものなら、月河、何度でも死んで生まれ直すね。

桃井かおりさんという顔と名前が一致したのは1973年頃、映画『赤い鳥逃げた?』のグラビアで、共演は原田芳雄さん、掲載誌はいまは無きアイドル誌の老舗・集英社『月刊明星』だったと思います。もともとバレリーナ志願で、ロンドンの名門ロイヤルアカデミーに留学していたものの、女優への思いがつのり帰国後文学座研究生に。きっとヨーロッパ流の、貴族的で階級志向なクラシックバレエ教育に、彼女の、闊達で、ある意味頑固な個性が合わなかったのでしょうね。

ここ最近~いまの桃井さんのイメージからすると140%ぐらいふっくら、ぽっちゃりしていた22歳頃の当該グラビアには「バストの大きさが96センチ、名前が“桃井かおり”、しかも本名。なんとなく、うれしい」「自由に生き愛したい!」とキャプションがついていた記憶があります。

バスト96センチの桃井さんも懐かしいところですが、30数年を経て“20代初頭当時より美しい”と言い切れるアラシク(←around 60)女優さんはさらに数段貴重だと思うのです。

演技者としては如何ともし難いクセがある(モノマネ顔マネの清水ミチコさんが“桃井料理”の達人ですね)し、どんな作品のどんな役柄にも似合う柔軟性や透明感があるタイプとは言いにくく、キャリア的にギャラも安くないだろうし広くいろんな製作者・監督からオファーがかかりやすいタイプとは思えず、「あの人が出ているなら観てみよう」という客引きのきっかけにもなりにくい役者さんかもしれませんが、万難差し引いても“ぜひ末長く美しく輝き続けて欲しい”人ではあるのです。女優としても、女性としても。

ただ、TVCMで桃井さんの顔が見えると、どうも“後から竹中直人さんがもれなくついてくる”のではないかと一瞬危惧してしまう。コレはどうにかなりませんかね。

オンエア回数とかは比じゃないと思うんだけど、あの顔の濃さ訴求力の強さが問題なんだね。

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わざとじゃねぇ

2009-09-11 23:12:08 | 夜ドラマ

 『任侠ヘルパー』でタカラジェンヌの様な名の堅気新人ヘルパー美空晴菜(みそら・はるな)を好演中の仲里依紗さん。

 このドラマが始まる何ヶ月か前にTVブロスの表紙を飾っていたので、名前と顔が一応一致はしていたのですが、てっきり“なかざと・えりさ”さんで、字並び的に沖縄出身だとばかり思っていました。

 実は“なか・りいさ”さんで、長崎出身とのこと。どことなく、若くてふっくらしていた頃の宮沢りえさんを思い出させる風貌、容姿、肌合いだなあと思ったら、お祖父ちゃんがスウェーデン人のクォーターだそうです。

 仲/里で切れるか。そう来たか。「どこで切れるかわからない」という点では、ミュージシャンの八反安未果(はったん・あみか)さん、安良城紅(あらしろ・べに)さんと互角の勝負ですな。勝負じゃないか。

 それはともかく、仲さんの晴菜ちゃんを見ていると、人のお世話をするサービス業、特に高齢者や病人、弱者へのホスピタリティが求められる職業は、目から鼻に抜け一を聞いて十を知る!テキパキ!バリシャキ!という感じよりも、若干ぼーっとして茫洋とふんわかとした優しさのほうが好感を持たれるんだなぁと思います。

 一を聞いて十は知るんだけど、「ワタシ十を知ってますよ」と表沙汰、鼻高々にしない、「一は一ですよねぇ~」と言いながら黙って仕事は十片づけるみたいな、控えめさとゆったり感。

 ヤクザと知って一度は溝ができかけた五郎ちゃん(五十嵐隼士さん)と気持ちが通い合ってよかったね。次回最終話予告で、彦一(草彅剛さん)が「俺ら、極道に戻るんだぞ!」と研修チームにすごんで見せる場面、柱の陰で晴菜ちゃんも見守っているみたいです。どうなっちゃうのかしら。

 それにしても10日(木)放送の第10話はぞくっとしました。あそこで脱ぐか彦一。火事だけに、むしろ素肌は出さず着衣のまま水かぶって飛び込みそうなもんじゃないですか。着火すると肌に融け着いて剥がれなくなる化繊の上着だったのかな。

 むしろ野次馬や世間のすべてに対する「俺ぁ極道だぞ、何が悪い!」という啖呵だったのでしょうね。刺青露出。止めようとした消防士のメットに、必殺超合金ヘッド食わすんじゃないかとヒヤヒヤしました。

 『アルジャーノンに花束を』のように、昨日できていたことができなくなり、今朝覚えていたことが思い出せなくなり、大切なものや愛する人への思いも遠退いて行く、若年性認知症に冒された晶の、底知れない不安と焦りを表現する夏川結衣さんもお見事。

 ちなみにこのドラマ、主要人物の役名が“鳥”の比喩、暗喩でまとめられています。“翼”彦一に“隼”會、頭(カシラ)が“鷹”山、対立組織は“鷲”津組。ハートフル“バード”の羽鳥。

 もうひとつ、“鳥”つながりで、“日”“月”“空”がらみの字がさりげなく名の中に入っている人物も多い。舞台となる施設がいきなり“タイヨウ”。“晶”はお日さまが三つです。

 美“空”“晴”菜ちゃんももちろん味方です。

 先週9話で鷹山(松平健さん)の懐刀とわかった和泉零次(山本裕典さん)は“雨”カンムリで…ちょっと苦しいか。

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大層な名前

2009-09-09 01:00:49 | 

7日夕、大手小売チェーンでKIRIN“ホップの真実”発見。

公式リリースは9日のはずですが、さすがに大手ストア。350ml缶、お披露目価格で108円。どこかで見たような数字。除夜の鐘か。煩悩の数か。とにかく購入。

群青色メインに、山吹金のパッケージデザインが目を惹きます。ビール系のラベルほとんどが採用している“麦穂”ではなく、ホップの実をシルエットで散りばめたベース。この時期発売にしては涼感がありますね。

帰宅後冷やし直して試してみました。うん、いいですよ。ネーミングはB級くさいけれど、“まじめな新ジャンル”という感じ。“ホップ2倍でコク×キレ×香る”が謳い文句ですが、香りというより、舌触りの凛冽感が秀でています。キリッと、スパッとしていますね。

6月に先んじて発売され定着しつつある同社“コクの時間”よりも、“良質素材”の後継商品にふさわしいかもしれない。コク時の場合、慣れてもどうしても気になる“酸味引きずり”みたいな余分なものがあるんですが、今般のホップの真実にはこれがない。後付けの“なんちゃってドライ感”もなく、あくまでリキュール類の新ジャンルらしい味なのですが好感持てます。

同社の(このほど販売終了する)“スパークリングホップ”と味の構成は似ている気もします。ただ、あれほど清涼飲料水然と、軟派然としていません。まじめなんですね、お酒として。“分を弁えた硬骨”と言ってもいい。スパホの“お兄さん・お姉さんラベル”と解釈してもいいでしょうか。

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ダンスやってるから

2009-09-07 00:16:05 | 夜ドラマ

どうにか滑り込み?でビール系秋限定ラベルを試す機会が持てました。10月ともなれば、秋深まるどころか冬限定モノの噂も聞こえてきちゃいますもんね。

まずはSUNTORY旨味たっぷり秋生

まるっきり好みの味でないというわけではないんですけれど、本格感や飲みごたえ感を出そうと安直にalc.6.5%にしたのが、裏目ってるまではいかなくてもなんとも“浮いてる”感じがします。

同じSUNTORYのこちらは定番、MDゴールデンドライ6%にも同じようなことが言える。『夏の秘密』の山田麻衣子さんの“根華(はな)”じゃないけれど、SUNTORYの発泡酒ジャンルは基本的に“根甘”“地甘”、もしくは“根軽(かる)で、それが個性だし魅力と言ってもいい。度数を上げただけの“なんちゃって本格”“なんちゃって骨太”はかえって邪魔ではないかな。

秋生は、むしろ新ジャンルで出したほうが受ける味のようにも思います。キャッチにある“ロースト麦芽”由来か、ほんのり甘味寄りの口あたりは、涼しくなってきた時期の冷やし泡モノとして決して悪くはありません。

でも月河としては、SUNTORYで発泡酒なら、やはり豊かの、甘みにも苦味にも偏らないすっきり飲み心地がいちばん。

秋限定ラベルの老舗・KIRIN秋味は、こちらは逆にさっぱりし過ぎて、若干拍子抜け。いま少し“秋限定”にふさわしい豊穣感やこっくり感があってもいい気が。

90年代、初めてこのラベルを飲んだときにはもっと“夏物”との差別感があったように思うんですけどね。こっちの舌も変わったのかな。

ただ、老舗ラベルらしくalc.6%の“こなし”に余裕があり、洗練されているのはさすがですね。“なんちゃって”な付け焼刃的辛口になっていない。

脂ののった秋刀魚に大根おろしのような、“おかずのほうからこっくりこってり”来てくれればちょうどいいかもしれません。

さて先週3日(木)は『任侠ヘルパー』9話を出先でチラ見視聴でしたが、おい!カッコいいぞタイヨウ任侠チーム。アクションが。

いきなり“夕陽の4人”でマカロニウェスタンみたいになってるし、鷲津組武闘派尾国(おぐに。鈴木一真さん)のアジト倉庫での、りこ(黒木メイサさん)三樹矢(藪宏太さん)救出劇は、任侠でも極道でもなくBeat itなギャングみたい。US製のギャングものなら銃撃戦になっちゃうんでしょうけど、こちらは飛び道具無しなのがいいんですよね。

出先のTVが、暗がりシーンに強いプラズマだったのも有利だったか。最近のドラマは、TVの機種、種別やグレードで視聴感にかなり差が出ますね。自宅の録画も早くチェックしなくちゃ。

鉄パイプで脊髄殴打されてもビクともしない鉄人・二本橋(宇梶剛士さん)、マイケル・ジョンソンか右京さんかというピッチ走法で階段を駆け上がる六車(夕輝壽太さん)、五郎ちゃん(五十嵐隼士さん)の短筒使いもさることながら、彦一(草彅剛さん)のヘッドはアレ、どうなっているんでしょうか。何物質で出来てるんだ頭蓋骨元素記号で示せ。藤原喜明組長も真っ青。

 瞬間的に仮面ライダーを思い出させる、動物的な跳び蹴りのキレもなかなか。草彅さんの、目を惹くほど小柄でもなく図抜けて長身でもなく、どっちかというと等身の大きめなプロポーションも、アクションにおいていい味を出すほうに貢献していますね。ヒーロー然とはせず、ほどほどに泥臭くて人間っぽい。

今話のこのアクションをもってサウンドトラックCD購入決定。♪おーまいそぉ~で出勤できる日が楽しみです。

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