『任侠ヘルパー』でタカラジェンヌの様な名の堅気新人ヘルパー美空晴菜(みそら・はるな)を好演中の仲里依紗さん。
このドラマが始まる何ヶ月か前にTVブロスの表紙を飾っていたので、名前と顔が一応一致はしていたのですが、てっきり“なかざと・えりさ”さんで、字並び的に沖縄出身だとばかり思っていました。
実は“なか・りいさ”さんで、長崎出身とのこと。どことなく、若くてふっくらしていた頃の宮沢りえさんを思い出させる風貌、容姿、肌合いだなあと思ったら、お祖父ちゃんがスウェーデン人のクォーターだそうです。
仲/里で切れるか。そう来たか。「どこで切れるかわからない」という点では、ミュージシャンの八反安未果(はったん・あみか)さん、安良城紅(あらしろ・べに)さんと互角の勝負ですな。勝負じゃないか。
それはともかく、仲さんの晴菜ちゃんを見ていると、人のお世話をするサービス業、特に高齢者や病人、弱者へのホスピタリティが求められる職業は、目から鼻に抜け一を聞いて十を知る!テキパキ!バリシャキ!という感じよりも、若干ぼーっとして茫洋とふんわかとした優しさのほうが好感を持たれるんだなぁと思います。
一を聞いて十は知るんだけど、「ワタシ十を知ってますよ」と表沙汰、鼻高々にしない、「一は一ですよねぇ~」と言いながら黙って仕事は十片づけるみたいな、控えめさとゆったり感。
ヤクザと知って一度は溝ができかけた五郎ちゃん(五十嵐隼士さん)と気持ちが通い合ってよかったね。次回最終話予告で、彦一(草彅剛さん)が「俺ら、極道に戻るんだぞ!」と研修チームにすごんで見せる場面、柱の陰で晴菜ちゃんも見守っているみたいです。どうなっちゃうのかしら。
それにしても10日(木)放送の第10話はぞくっとしました。あそこで脱ぐか彦一。火事だけに、むしろ素肌は出さず着衣のまま水かぶって飛び込みそうなもんじゃないですか。着火すると肌に融け着いて剥がれなくなる化繊の上着だったのかな。
むしろ野次馬や世間のすべてに対する「俺ぁ極道だぞ、何が悪い!」という啖呵だったのでしょうね。刺青露出。止めようとした消防士のメットに、必殺超合金ヘッド食わすんじゃないかとヒヤヒヤしました。
『アルジャーノンに花束を』のように、昨日できていたことができなくなり、今朝覚えていたことが思い出せなくなり、大切なものや愛する人への思いも遠退いて行く、若年性認知症に冒された晶の、底知れない不安と焦りを表現する夏川結衣さんもお見事。
ちなみにこのドラマ、主要人物の役名が“鳥”の比喩、暗喩でまとめられています。“翼”彦一に“隼”會、頭(カシラ)が“鷹”山、対立組織は“鷲”津組。ハートフル“バード”の羽鳥。
もうひとつ、“鳥”つながりで、“日”“月”“空”がらみの字がさりげなく名の中に入っている人物も多い。舞台となる施設がいきなり“タイヨウ”。“晶”はお日さまが三つです。
美“空”“晴”菜ちゃんももちろん味方です。
先週9話で鷹山(松平健さん)の懐刀とわかった和泉零次(山本裕典さん)は“雨”カンムリで…ちょっと苦しいか。
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