イエローフローライトを探して

何度も言うけど、
本当にブログなんかはじめるつもりじゃなかった。

挨拶する機械

2008-10-24 22:07:02 | デジタル・インターネット

2000年時制の『だんだん』で、再会した双子姉妹めぐみ&のぞみ(三倉茉奈・佳奈さん)が大切そうにやりとりする携帯電話のデザインは、ちょっと懐かしいですね。ディスプレイもキーも露出したストレート型。02年に家族の入院で必要に責められて購入したプリペイド携帯DoCoMo P651psはまさにあのスタイルでした。00年ならまだ、高校生や携帯ビギナーのベーシックな機種として主流だったかもしれない。

ほとんど待ち受け・受信専用でこちらから発信したのは6年半で数えるほどだったけれど、その都度突起引っ張って律義にアンテナ立ててたものです。劇中では、本来舞妓に携帯は禁じられているため、通話の都度置屋のおねえさんたちの目を憚り、屋根壁のない物干し場などに出てくるのぞみ=夢花さんはともかく、自宅の個室で発信するめぐみも、一度もアンテナ立てませんね。あのプルンプルンビヨンビヨンするアンテナ、いかにも“草創期のキカイ”って感じで結構好きだったんですが。

8月に機種変してみていちばん「時代が変わったな」と実感したのは、何の機能のためであれ一度起動させてから電源を切ると、ディスプレイにSEE YOUの文字が出るんですね。携帯が“非常時の保険”でしかない月河なんかには、“微笑ましい余計なお世話”に過ぎませんが、恋人や心許せる友人、単身赴任などでやむなく離れて住む家族など親しい人たちとのコミュニケーションツールとして欠かせない携帯ユーザーには、時に甘く、時に胸かきむしられる、たまらないくすぐりでしょう、閉じる前のSEE YOU

大雑把にここ10年少々で、携帯電話というアイテムがどれだけ普通の人の普通の日常の生活感情に接近し、内ふところ深く入り込んで来たかがわかる。9月末まで録画視聴完走してきた『白と黒』で終盤63話、章吾(小林且弥さん)が聖人(佐藤智仁さん)の上着から携帯をひそかに抜き出し、聖人が(行方不明と偽って知らされた礼子を探しに)飛び出して行ったのを見届けてから力任せに二つに折る場面を見たときは、もう現代もののドラマは、自分には芯の芯までは味読できないかもしれないなぁ…と一抹淋しく思ったことを思い出します。携帯が生活の一部、プライバシーの一環、心の或る部分の置き所になったことが一度もない月河には“人の携帯を盗み出して二つに折る”という行為の持つ意味が、皮膚感覚としても、概念的意味としても、もうひとつ直截に感じ取れないのです。

月河の周囲で携帯なくては夜も日も明けぬ生活を送っている若い諸君を思い出して、日頃耳目にする彼らの生態からの延長線引きつつ、どうにかドラマの章吾たちの心情を想像してみようとしても、それすらきわめて難しい。

『相棒』のような事件もので、“便利な即時連絡用ツール”、あるいはアリバイや人間関係などを解明する“手がかり”として、言わば理知的に使用される分には、「なるほど、携帯でこういうことができ、こういうことがわかるなら、こういう推理が成立するな」と普通に受け容れられるのですが、なんらかの“心情の拠りしろ”としての、情緒的な扱いになると、一気に登場人物が自分と疎遠な存在になる。「こういう気持ちになったときに、携帯でこういう行動・操作をする」という経験的実感がまるでないからです。

めでたく高機能充実な携帯に機種変した現在から、よーいドンでどっぷり使いこなしたとしても、この感覚が大きく変わることはないでしょう。携帯が無いのが当たり前、と言うより“プライバシーの収納場所”“他者との個人的交流の回路”としての携帯電話など、存在すら想像できない時代に人生の半分以上過ごしてしまっていますからね。

特別に残念とも、「もっと早期に携帯に馴染んでおけばよかった」とも思いません。ただ、フィクションの劇中で頻々と使われるツールを“使った経験がない”という点で言えば時代劇、西洋赤毛もの、中国三国志のたぐいなどその最たるものなのに、たとえば刀剣や書画骨董、服飾品について「自分が使ったことがないから、このツールをこう取り扱うときにどういう心情になるかがまったく想像できない」という距離感が発生しないのはちょっと不思議です。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

シンガポール、空(くう)

2008-10-23 18:03:48 | 夜ドラマ

昨日(22日)は高齢組家族が早朝からソワソワしているので、さてはアレが今日だったかと思い保険かけて録画予約。亀ちゃん卒業で話題の『相棒season7 “還流~密室の昏迷~”』。

……………このタイトル。純文学か。

せっかくなので、深夜ひとり再生して完視聴。いつものOPタイトル曲が、メロディはそのまま妙な英語詞の女声ヴォーカルになっているのがまずは若干気になりますね。プレシーズンからのファンの間では好悪分かれそう。

なんとなく、昔『北の国から』のあのOP曲♪あ~あ~あああああ~~ に「さだまさしが歌詞をつけたヴァージョンで紅白で歌うらしい」と聞いたときの呆れ脱力感を思い出しました。結局実現したんですかねアレ。さだまさしが嫌いなことにかけては日本で5本の指に入ると自負している月河、もちろん未聴ですが。

この新シーズン放送開始の番宣をかねて、当地では先月から日中に45シーズン辺りを再放送していて、15001600頃在宅の日はときどきお相伴視聴することがあるのですが、ウチの高齢組近辺の年代に『相棒』シリーズが人気な理由の一端はなんとなくわかった気がするんです。

ほら、右京さん(水谷豊さん)って、“辻褄の合わないこと、矛盾することを発見察知する天才”でしょ?

昨日の初回SPを例にとれば、ホテル廊下の防犯カメラ映像を見て「エレベーターから下りて部屋に向かうときは右肩にかけていたショルダーバッグを、部屋から出てきたときは左に掛けている、人間、この種のバッグを掛ける肩はいつもどちらか決まっていることが多い」「長時間掛けるときは疲れないよう途中で掛け替えることもあるが、入室するときはフロントでチェックインしたばかり、出て来たときは出て来たばかりで、途中で掛け替えたとは考えにくい」「従って入って行った人物と出てきた人物は別人の可能性が高い」ということを、懇切丁寧にセリフで説明してくれるんですね。事件謎解きモノを視聴するにあたっては、これは、特に中高年にはフレンドリーです。

ウチのメンバーの視聴態度や感想の持ち方を見るにつけても、“スピーディーにささっと提示して間髪入れず次の事象に行く”“映像ワンカットや台詞の一節で暗示して想像・推察させる”といった叙述法では、高齢者は速攻大半脱落します。

しかも相棒・亀ちゃん(寺脇康文さん)は正反対に“こだわらない性質”ですから、「まぁそうは限らない場合もありますけどね」「その時たまたまそうしてた、ってこともあるんじゃないですか?」等と、“人間は結構、大雑把で行き当たりばったりである”“首尾一貫した言動を取ると決まったわけじゃない”という思想に立脚した意見を差し挟む。そこで右京さんが「いや、人間は、火急のときは火急なりに、計画的な行動なら計画の段階で、知らず知らず規則性のある行動を選択してしまう動物なのですよ」みたいな反証を、これまた懇切丁寧に展開してくれる。

亀山が「そうでもないでしょう」と言うからこそ、右京さんは「いやそうなのです、なぜならばウンヌンカンヌンかくかくしかじか」と述べる機会に恵まれる。

“こだわり性”な右京さんと、“こだわらない性”の亀ちゃんが何回かやりとりを重ねるうち、自然と劇中に起きた事象の因果関係や、ストーリーの主眼が明確に印象づけられてくる。

広く大勢の人に理解させ認知させ共感させるための最大の武器ではあるけれど、ドラマからはスマートさを削いでしまいがちな“事細かな説明性”“くどいくらいの繰り返し”を、右京&亀のキャラ造型の絶妙さでスマートにおさめてしまった。シーズン7を数え劇場版もヒット、来春はスピンオフ篇も公開予定という成功の勝因はここにあると思います。

初回SP本編のほうは、『女優・杏子』の天才肌劇団主宰・空(くう)さん、『緋の十字架』の大河内兄が懐かしい四方堂亘さんが久しぶりに惜しみなく善い人そうな役…と思ったら速攻殺されちゃいましたね。亀山との高校同期会シーンで「特攻服着て単車乗り回してた」という亀ちゃんの台詞があったので、回想ワンカット来ないかな、来たら録画永久保存版にしよう!と深夜ひとり色めき立ったのですが、さすがになかった(凹)。四方堂さんの特攻服姿、見たかったんだけど。

亀の天敵・捜一伊丹(川原和久さん)が計算ずくでキレて小笠原(西岡徳馬さん)に負傷させるくだりが良かったですね。「負傷させた状態で(任意聴取だから)“帰る”と言われたら取調室での暴行が公けになってしまう、だったら逮捕状出して逮捕拘留にしたほうがいい」と内村刑事部長(片桐竜次さん)にまんまと言わせてしまった。“長いものには巻かれろ”主義の組織人間伊丹、“上の使い方も下次第”を覚えたようで「おぬし、腕を上げたな」。

「(小笠原を)引っ張ってきたのは、特命ですから…(内村「だから何だ」)…確度が高いかと(同「バカモノー!!」)」の中園参事(小野了さん)、「居るならしゃべる、しゃべんないんなら帰るー(半泣)!!」の捜一ヤング・芹沢くん(山中崇史さん)もますますいい味。旧シリーズの再放送はここのところちょくちょく見て、やっと世界観像がつながって来たところへ、久しぶりの新作なので、何やら旧友に再会するみたい。

何だかんだで、いまウチ中で月河がいちばん『相棒』シンパシーかもしれません。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

無理の現場

2008-10-22 00:30:42 | 世相

先日の記事で触れかけてやめた“よく耳にし活字でも目にし、自分もつい使ってしまうけれども気に入らない言葉”とは「○○現場」という言葉です。

いちばん使用頻度が高いのは“教育現場”“医療現場”かな。“医療”関連で“介護現場”、あと“製作現場”なんてのもあるか。

もちろん、もっともっと昔から使われていた“工事現場”“作業現場”の類はこれに含みません。少なくとも20年、30年前は“現場”という言葉が“医療”“教育”と接合されて使われることはなかった。

なぜこの言葉、と言うか用法が自分は不快なのかなと考えるに、第一に“過剰に婉曲”

日本語には、具体性やピンポイント性を敢えて避けて曖昧に言うという伝統的表現法がありますが、なぜ“病院”“病棟”“手術室”“処置室”“調剤室”もしくは“○○科”ではダメで“医療現場”なんてもやもやっと丸めるのか。「いま医療現場で起きている問題は~」ではなく、「○○科でこれこれこういう治療や、処方をするときに起きる問題は~」と特定できないのか。

なぜ“学校”、あるいは“小学校”“中学校”“高校”さもなきゃ“幼稚園”、ひいては“教室”“職員室”“PTA”等ではダメで“教育現場”なのか。「教育現場の声にもっと耳を傾けて~」なんて言わずに、「ドコソコ小学校の何年何組の誰某先生、生徒誰某くんの父兄誰某氏からの、かくかくしかじかの意見に耳を傾けて」と言えないのか。

なぜ漠然とした、「どこからどこまで」と境界のはっきりしない状況全体を指す様な言い回しを採るのか。

気がつけば“医療”“教育”って、何が起きても、何を問うてもいつも責任の所在がはっきりしない、誰も責任を取ろうとしない分野の“東西正横綱”です。

第二に、第一とも関連することですが“迂回した軽侮”が濃厚に匂う言葉だから。

奇しくもいつかの、某TVドラマ劇場版のキャッチコピーが、月河の不快感の源泉を明快に指し示してくれました。

「事件は会議室で起きてるんじゃない、現場で起きてるんだ」。

とりわけ“医療”“教育”と“現場”が接合するときには、“現場”からは姿かたちの見えない、“会議室”的なもの=“裏で糸を引いてすべてを差配管理している力”が暗示されている。「医療現場の実情にもっと向き合う(←この“向き合う”って言葉も実にまた別クチで厄介なのですが)べきだ」「教育現場にこれこれが活かされなければ意味がない」などの表現を使うとき、字ヅラだけ追えば“現場が優先、現場第一”ということを一見言っているようでありながら、結局は「なんだかんだで裏の、上層部の、管理システム次第なんだから」という前提条件をまる呑みに是認称揚している。

「ある学級、ある診療科、ある幾つかの病院でどれだけごまめの歯ぎしりしても、結局事態を変えられるのは政策だけだから」という無力感、放り投げ感も強烈に立ち昇って来る。

“医療”“教育”は、“制度”“政策”“官主導”色の強いことにおいても日本の2大フィールドです。

現場、現場と繰り返すたびに、「“非現場”のほうが圧倒的に強力」ということを暗黙のうちに強調刷り込みしている。この迂回した、負け惜しみの透けて見える感じが非常に不快。

とは言え巷間流布している表現であることは確かだし、流布している状態を月河ひとりで変えることはできないので、せめて、自分で文中、あるいは論中、ついこの言葉を使いたくなったら「具体を避け漠然とした状況にすり替えてごまかそうとしてないか?」「“どうせ”的な負け犬感、曳かれ者感を含ませて言葉を発していないか?」とまず自問自答してみて、「ない」と確答が得られてから使うようにしたいと思います。

さて、目下の“医療現場”『愛讐のロメラ』は第16回。早くも第4週に入っています。ヒロイン珠希成人後篇も、今週が終われば少女期篇と同話数消化したことになります。

人物の敵対感情が12週と違い過ぎで取ってつけたみたいなんてことは、この際もうあまり気にしないことにしました。恭介(染谷将太さん→相葉健次さん)が珠希に純な恋心を抱いていたのは受験期前の高校生時代で、異性に対してはいちばん熱しやすく冷めやすく、自分のことは棚に上げて妙に潔癖症だったりもする時期ですから、自分の実父を転落させた犯人なんて聞いたら、真逆の感情に凝り固まってしまうこともあるかもしれない。ないかもしれないけど、あるかもしれない。これは「ある」という前提で進むお話なんだから、それに沿ってやらなきゃ視聴続けられません。

血縁はなくても姉弟として、母失踪後は珠希に面倒みてもらっていた弟・亮太までが珠希を「アイツ」呼ばわりして「今度会ったら何するかわからない」まで言うのはもっと納得性がないのですが、幼くして白血病で死線をさまよってますからね。人格のひとつやふたつ(ふたつはないか)変わるかもしれない。同じ病気で治療中に惜しくも亡くなった本田美奈子.さんなどは、骨髄移植で血液型がO型からA型に変わったそうですし(そういう問題じゃないか)。

それよりどうにも呑み込み辛いのは、珠希が少年院を出た後努力して外科医となったまでは百歩譲って認めるとしても、互いに恨み恨まれている加賀見家経営の病院にいきなりわざわざ勤務していて、いちいち「恭介さんがアメリカから帰国してくる」「あの女がなぜここに」「七瀬珠希ってまさか」と珠希も恭介も亮太もいちいち目の玉ひん剥いて驚いたり睨みつけたりしている。加賀見家経営の病院に勤めりゃ、会うに決まっているだろうに。

表向き、優秀な成績で医師となったものの傷害致死の前科の噂に付きまとわれ決まった就職先を得られずにいた珠希に、いまや院長となった謙治が「最もつらい場所に身を置いてこそ贖罪の価値もあるし、命を救う仕事にふさわしい本当の医者に成長できる」と助け舟なんだか、何なんだかわからない提案をして雇い入れたという理由があるのですが、謙治もいろいろウラがありそうとは言え、黙って言葉だけ聞いてるとこれでもかってぐらいのヘリクツだし、「わかりました」と鉄仮面のような顔で従ってる珠希もまともな神経と思えない。謙治の提案を蹴ったら本当に就職先がないという不安もあったかもしれませんが、普通に考えれば本当に優秀な成績で大学を修了し国家試験を通った若手医師ならば、まず指導教授の覚えが相当めでたいはずで、少年院云々が問題にならない地味な職場のひとつやふたつ斡旋してもらって当然。

いくら系列病院とは言え、いち民間病院の院長を13年もつとめてきた謙治が、今日の16話で「最終的な目標は大学学長」なんてホラ吹いてる辺り、脚本家さんが医学界の現実をよく調べていないのかもしれない。よほど莫大な額の寄付でもすれば別かもしれませんが、大学医学部生え抜きの医師と、民間病院の医師とでは“国籍”が違うくらいの立場上の差があるものです。

狭い世界で濃密な人間関係が縺れ合い繰り広げられるのがこの枠のドラマの古典的枠組みで、それはむしろ歓迎なのですが、幾つかの作品でたまさか「この人物たち、人間関係を好きこのんでややこしくする以外、仕事も趣味も何も無いんじゃないか」と思うような局面にぶつかります。

今作はその前段階で「この人たち、好きこのんで狭いほう、狭いほう選んで生きようとしてないか」と思ってしまう。濃密な人間関係も前述のようにかなり無理やりな感情ベクトル設定で無理やりに濃密にしているけれど、濃密を濃密たらしめるウツワ部分たる“世界の狭さ”も、かなり無理して作られた狭さです。

枠組みも道具立ても無理やりなら、人物の感情の発生と表出も無理やり、そこらじゅうに立ち込める“無理やり感”をどう楽しめるか、面白がれるか、ここ当分はそこにかかってきそうです。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

普通の交番です

2008-10-20 00:39:46 | お笑い

会議や媒体で一般的に使われ市民権を得ているだけでなく、自分もつい使ってしまう言葉だけれど、“頻々と使い使われながらどうも気に入らない言葉”というものがある。

以前、比較的大きな、病床を持つ級の病院での“外来(がいらい)”という呼称が、よく考えると、発想としてえらく失礼な気がする…という意味のことをここで書いたので、最近同じように感じている、或る言葉について、今回は書こうと思っていました。

 ……思っていましたが、急遽予定変更。予定は未定。16日放送(2440~)『爆笑オンエアバトル』に触れておきましょう。運よくリアル待機視聴できたし、地方収録回(高崎)ということで玉数的にも、オンエアの顔触れ的にもサプライズがあったかなと期待してみました。

結果over500は一組もなく、オンエア5組がすべて400台後半に集中という手堅い結果に。6CUB&MUSI433kbでオフエア、高レベルと言うより高ハードルな回だったように思います。

久しぶりに見たタイムマシーン3が、山本も眼鏡になって、丸顔眼鏡と長顔眼鏡、“輪郭差のあるおぎやはぎ”みたいになってた。関が群馬出身で地元ですが、地元ネタは冒頭ちょっとだけ。…って、肛門かい!思わず関の出身地調べて地図も調べてみちゃいましたよ。ふむふむなるほど。“六合”で“くに”は難読地名ですね。当地近辺で言えば“花畔”“寿都”“新冠”ぐらい難読。

それにしても“シッポの付け根”ぐらいに言っといてもいいロケーションなのにね。

「役所広司だよ!」「別所哲也だよ!」ではひとしきり笑ったけど、あとはいつもの彼らの感じでした。9回目のover500がかかっていましたが、この程度で500超えたら「地方回だったから」「関の地元だから」と言われそうで、かえって485kb2位でよかった。いままでの彼らのオンバト活躍歴、盛り上げ貢献歴を考えると、逆にover500記録達成はもっとドカンとはじけたときにさせてあげたいと思う。山本の眼鏡が新しい方向性を探ろうという姿勢の現われだとしたら、歓迎だし楽しみですが、今回はその披露回ではなかった模様。

一方、別にご当地ではないのにご当地ネタ(「上毛カルタの内村鑑三と田山花袋」)で美味しくウケていた朝倉小松崎489kb1位。24位とは僅差で、差だけのことを言えばまあ額面通りでいいでしょう。こういう、「本当はMステに出るようなミュージシャンになりたかったんじゃないの?」と思える芸風は好みではないんですが、ギターボケの朝倉はギターも好きだけど本当に漫才も好きなようで、ちゃんと“ギターを持ち道具にした漫才”になっていた分好印象。

「うー、マンボウ!」辺りで完全に客席を掴みましたね。朝倉のレパートリーの数だけボケパターンが作れそうだけど、サザエさんやドラえもんやジョーズなど“皆が知ってるメロディ”だからこそ成立する“有りモノ”寄っかかりのネタ作りはあまり感心しないし、早晩行き詰まるでしょう。

トリオ2組のうちななめ45°が同点2485kb、例によっての岡安車掌ネタでしたが、やはり案の定、常連組が“お約束”“お馴染み”を繰り出すと、地方ではそれだけでかなりウケを取るし、今回はオチの「スベりやすくなっておりまーす」がすっきり決まった分後味がよかった。「終点です!」=“目を覚ませ”は、ありがちだけどやっぱり笑わされてしまいました。

同じトリオでもザ・ゴールデンゴールデン4481kbはちょっと粗い。前回オンエアでも思ったのですがオンバト向きと言うより単独ライブ、もしくは合同ライブ向き。ヤクザクレーマーが入れたゴキブリの死骸を“値打ちモノのマダガスカルなんたら”と言いくるめて、欲に目眩ませて退散させる、というストーリーがもうひとつ垢抜けないし、「ウチの主人はゲテモノが大好きで」「ああ…だからか」がオチの伏線になっているのはなかなかですが、肝心のオチがクレーマー退場後、店主と女房の2人だけの場面になったのも若干安かった。3人揃っているところでストンと落としてほしかったですね。ゴリラ顔北沢の女装であらかた出オチになっているのも、美味しいけどさらに数円安。

実は今回オンエアでいちばん笑ったのは5457kbアームストロング。リアルで視聴して笑って、録画立て続けに3回巻き戻して3回とも笑っちゃいました。もろもろあって「はい、変態交番です」に持って行くまでのゆるっとした流れが完璧だし、まず何たってコレ、前週の東京03同様、“だらっでれっとふざけ合ってるそこらの中学生みたいなバカ2人がなんと警官”という、でかいウソを出でドカンとかましておいて、その勢いでたっぷり押し切っているのがいい。

切っちゃいけない電話を切っちゃうというボケを序盤で続けたから、切りゃいいのに切らないで「ふっざけんなよ」「部長キモい」と声入れちゃって「…あ、切られた」という三段階めが活きる、活きたところでもう一発切っちゃってオトすという、なかなか計算された作りになってもいる。

ツッコミ安村の声の通りがいいのが効いているし、懐かしいチェッカーズ風ヘアのボケ栗山は、以前オンバトヒーローズにも出たエレキコミックやっくんの“緩テンション版”みたいですね。

常連ではオジンオズボーン361kb9位、狩野英孝365kb8位、鎌鼬393kb7位と軒並みオフエア。地方収録回でも、「いつもTVで見てるあの人のアレがナマで観られる」というワクワク感だけでは玉は伸びないということが再確認された回でした。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

愛讐の改修

2008-10-18 00:13:52 | 昼ドラマ

『愛讐のロメラ』(フジ・東海テレビ系月~金1330~)、12週のヒロイン15歳篇と、13年後の今週=3週めからとで、なんか一気に人物の情念ベクトルに方向性違い・段差ができてしまった…ということを先日書きました。

 15歳珠希役・増山加弥乃さん、高校生恭介役・染谷将太さんたち子役さんが重いセリフを頑張っていた12週ではありましたが、これ、そっくり要らなかった、って考え方もできるんじゃないのかな。

“アメリカ研修帰りの天才少壮心臓外科医・恭介(相葉健次さん)はなぜ同じ職場の若手女医・珠希(いとうあいこさん)を執拗に憎み遠ざけるのか?”

“なぜ実家加賀見家両親に対しても年中ドスをのんだ様な顔をして、食事の座が凍るような発言を繰り返すのか?”“腹違いらしい弟・亮太(龍弥さん)にだけことさら“同じ父を持つ実の兄弟”を強調し、囲い込むように守ろうとする理由は?”

はたまた、

“これほど露骨に恭介に嫌われ、嫌がらせされながらも珠希が頑として同じ職場にとどまる理由は?”

“彼女を何かにつけフォローしようとする現院長との関わりは?”

……等等を、珠希を「賢くて使命感があって」と同性としてリスペクトしつつも、自身の身上にはクチをつぐむミステリアスさに疑問を感じ、さらに洋行帰りの恭介先生には異性として憧れ、やがて恋心を抱く病院事務員・歩美(杏さゆりさん)の視点で解き明かしていくほうがおもしろいドラマになったのではないか。

そういう仕立てにするには、グラビア出身杏さんではちょっとキャストが違ってしまいますね。現実の今日(17日)放送14話時点では、歩美は珠希には友人“気取り”で詮索好きで、恭介に媚び媚びで、視聴者が珠希に気持ちを寄せて観れば、直球ウザ邪魔キャラなわけですが。

いっそ、現・珠希役のいとうあいこさんを歩美役に充て“(アバレイエロー・らんるちゃんみたいに)元気で健康的で好奇心旺盛、明朗快活”“惚れた恭介をもっと知り、力になりたくていろいろ調べて行く”キャラの、こちらをヒロインにし、院長のイチ押し敏腕女医で、悲しい境遇からの叩き上げらしいのはわかるけれど寡黙で心に壁を築いている珠希役を前クール『白と黒』の西原亜希さんに演じさせたらよかったかも。

最終的に歩美が恭介にも、珠希にも心を開かせて、結果的に彼らの13年前の若い初恋を再燃させ、歩美自身の恭介への恋心の遣り場がなくなってしまうが、「長い間の誤解や憎しみをやっと捨てることができて、恭介先生が珠希先生を愛するなら、私は構いません」「恭介先生も、珠希先生も、私に大切なことを教えてくださいました」と微笑んで病院を去り、留学とか大学進学とか新しいステップアップを目指して行く、その後から悟(渋江譲二さん)が追いかけ「ずっとキミを見て来たけど、兄さんと珠希さんに素直にぶつかって、心を動かして行こうとする姿は、ボクにはない強さがあってステキだった」「ボクも加賀見家を離れて、新しい人生を生きようと思う、一緒に歩いてくれないか」…なんて結末になれば後味がいいですね。

まぁ、とにかく現時点のいとうさんの珠希が、あまりにジトッ、ジメッと動きがなくて焦れったいもんで。何であれもっと、感情に動かされて闘うヒロイン像がほしい。

現院長・謙治(うじきつよしさん)の元・内縁の妻・恵(北原佐和子さん)の弟で、13年前篇ではパチンコ資金を姉にせびったり、15歳珠希を押し倒して悪戯しようとして高校生恭介に殴り飛ばされたりの悪たれグウタラ男だった仁(根岸大介さん)が、どこをどう見込まれたか謙治に取りたてられ、背広ネクタイで加賀見病院の事務長として忠実に働いているだけではなく、珠希にも「あなたも私も、お互い辛い過去をもつ身ですが、加賀見家の人たちへの恨みは乗り越えてください、院長の信頼を裏切っちゃいけません」「あなたをいつでも応援していますから」と励ましている辺り、あの人物もこの人物も13年前篇とは手の裏を返した?人格が変わった?などと鼻白みつつ観るより、むしろ12週で延々語られたことを、“おぼろげにちらつく、そんなこともあったかもしれない過去”として観たほうがまだしもよさそう。

NHK朝ドラ『だんだん』はいつも音声のみで、たまにしか画面込みで視聴できないのですが、こちらも3週め。

宍道湖のめぐみ(三倉…あのね、だから、ホレ、茉奈さん)父・忠役の吉田栄作さんが、何やら独走でカッコいいですよ。かつては演技歴のわりに地味なポジションだった夏八木勲さん、柳生博さん、小林稔侍さんなどがこの朝ドラ枠で、少女ヒロインの“父役”“親代わり役”などで“渋くて優しいステキなおじさま”キャラとして開花したように、かつての抱かれたい男・吉田さんも今年、再ブレイクの年になるかも。若づくりヘアメイクがバレないよう照明や映像処理がかなり頑張ってくれているとは言え、20年前の京都での花雪(石田ひかりさん)との回想シーンにじゅうぶんロマンチックなフェロモンが漂っているので、2000年時制の、過去を呑み込んだ寡黙なシジミ漁師の姿にも説得力がある

宍道湖の忠の亡き父・宗助役が岸部一徳さん、祇園の花雪の父・一条隆康役が夏八木勲さんと、『相棒』の官房長&警察庁長官コンビなのもおもしろいですね。岸部さんは昨年の『芋たこなんきん』でも写真館の先代を演じておられたし、、夏八木さんともどもいつの間にか“父世代”を通り越して“お祖父ちゃん世代”プロパーになってしまったのだなぁ。

視点を変えれば、ここらへんの年代で、認知度好感度高く力量も信頼できる俳優さんが手薄なため、どの作品でもしょっちゅう同じような顔合わせになってしまうのかもしれない。緒形拳さんに続き、先日は峰岸徹さんも65歳の若さで他界。ステキなおじさま、お祖父ちゃま俳優さんたち、どうか健康にお気をつけて長くご活躍を。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする