島田洋七師匠も絶賛、タイトルの↑↑コレで決まりでしたね、チュートリアル。
M-1グランプリ、あまり惜しまれずに(?)決勝1st敗退した組では、トータルテンボスは「ご存じ?」「存じねぇよ」「忍びねぇな」「構わんよ」などの、コトバ自体のやりとりの可笑しさに比べて、たとえば「ラーメンを作っています」「トンコツのイントネーション」「一呼吸置いて食いつくな」といった“ネタ本体部分”がいかにもかったるい。
万年優勝候補になりつつある笑い飯は、本領発揮のWボケに入るまでの助走の長さを再三指摘されていましたが、逆に、あんまり早めに全開されてラストまであの調子で押し切られても、かえってテンションが一定して飽きそう。濃すぎることが個性で長所だから、濃すぎに観客の舌が慣れてしまったいまがいちばんご本人たちにとっては「うまいこと演れてるのに反応がいまいち」と、悩ましくじれったい時期かも。濃すぎをもう一度新鮮さとしてアピールするためには、開き直ってもっと濃くするか、頭を使ってひねるかどちらかしかないでしょう。個人的には、この人たちが徹底的に頭でっかちにひねりまくったらどんなんなるか、見てみたい気もします。
唯一アマチュアからの決勝進出で注目された変ホ長調は、女性漫才に常に付きまとう“痛さ”が、“これで食っていかなければならないわけではない”アマチュアだという前提でいい具合に薄められて、ほとんど決勝の全組中いちばん無心に(笑いの濃さ薄さは別として)笑えました。
準決勝ノミネートを見ると、決勝に来てほしかったのは、ボケよりツッコミがボケしている東京ダイナマイト、もうキッズ名乗ってる場合じゃないだろというりあるキッズ、出ればザ・プラン9と点数が相乗し合ったに違いない超新塾。
反対に、決勝で見ないですんで助かったと思った(失礼!好みなので)のは、結局いつもデブネタのT、ボケの目つき悪さでネタ以前に不快になるC、どのネタを演っても“いじめ”を連想させる上、シュールでございとスカした感じが神経を逆撫でするT。
審査員の中では、特に島田紳助さんの「有効打がない」「エネルギーがたまってる。これが爆発しないと今日は失敗」「今日の採点はまったく正しい」など、ガチな緊張感を出そうという彼なりの演出なのかもしれないけれど、時間経過とともに観る側に盛り上がってきていた“笑かされたい空気”に水を浴びせるような発言連発が非常に気になりました。