イエローフローライトを探して

何度も言うけど、
本当にブログなんかはじめるつもりじゃなかった。

みんなテレビが好きだから

2010-09-19 18:16:35 | テレビ番組

18日放送で『ゲゲゲの鬼太郎』が昭和60年、三度めのTVアニメ化放送スタート、10月に向かって驀進だ!ということで(@『ゲゲゲの女房』)、貸本時代と比べるとぐっと現代っ子風な脚長プロポーションで夜の大都会を歩く第三期鬼太郎くんのOP映像も挿入されましたが、初回当日=1012日付けの夕刊ラテ欄も一瞬映りました。

フィクションのドラマですから、当然、当時の本物の新聞ではなく“毎事新聞 夕刊”、載っている局名も、『鬼太郎』以外の番組タイトルも、出演者名も架空そのものですが、その架空具合が実にどうも。先週放送分をHDD再生して静止画にしたら、じわじわと爆笑してしまいました。

まずは我らが『鬼太郎』は、8チャンネル“未来放送”630から。未来放送は、この後の700台も新番組が続きます。700『日本のただごとではない!』「史上最悪の勘違い特集」、730『ハイスクール奇人組』「ヘンな顔の人集合!!おれたちゃ奇人組!」

……じゅうぶんただごとではありません。

続く800台は『オレはひょうきん者』。「タカやん大マジックショー 水中アダモステージ▽エバガールの逆襲▽石井会長爆笑一発芸集!」

……「楽しくなけりゃテレビじゃない」と息巻く重役さんがいたのでしょうね。未来放送。

気になる『鬼太郎』の裏番組はと言えば、10チャンネル“ワールドテレビ”が堂々『オバケのK太郎』をぶつけて来てます。こちらは625とフライングスタートでケンカ売ってきてますね。このチャンネルは土曜夕方から子供にターゲットを合わせているようで、『K太郎』の前の600『電気戦隊エレクトニックマン』、その前の530『機動戦士Vガンダモ』

……大丈夫か。強いのか。『ガンダモ』。おでんの具みたいなんだけど。とりあえず低学年男子は「テレビ消して早くご飯食べなさい!」ってお母さんに叱られたんでしょうな、この時間。『鬼太郎』はもう少し上の学年がお客さんだったか。

700台はさらに上がターゲットらしく『マンガ人間砲弾!』「最終回傑作選/山田国子 柳伸次」730『探検日本!駅弁篇』「駅弁日本一はどこの県!列島駆け抜けろ」

…やや苦戦が窺えるタイトルです。翌週の700はどんな番組にすげ替わったのだろうか。

しかしワールドテレビ10チャンネル、800は強力そうですぞ。

『暴れん坊だよ?』「ついに現る!伝説の○(判読不能)一族/松元健 北島一郎」。

『~だよ?という、意味ありげでもなさげでもある付加疑問形。ハテナマーク付き。底知れない余裕を感じます。悪者を追い詰めても「この野郎!観念しねぇかコラァ!」なんてビックリマークは付けないわけだ。前の7:00台枠の、苦しまぎれみたいなビックリマーク連打と対照的な、フトコロの深さが感じられるではありませんか。これはかなりの底力コンテンツと見ました。

「オレのこと、誰だと思う?暴れん坊だよ?」とやんわり、ハテナマークの見得切っただけで、悪党ども「ははーっ」とひれ伏すんだね。

一方、6チャンネル“毎東テレビ”は、『鬼太郎』真裏630には『ニュースハンター』と大人の対応。

その代わり700『マンガ日本のはなし』「うそつきと餅つき」「金持ち狸の恋物語」、730『クイズマラソン』「古谷三行 小川友子 加藤ひろし 三宅雄三」、800は新番組『お笑い祭りだ!全員集合!ベスト100「収容所コント!脱獄物語▽ダンス大会&ゆかいな原始人▽食堂で大パニック!?」と娯楽一直線。

800台のこれは、“ベスト100”と銘打っているところからして、かなりの長寿番組の遺産番組と見えます。“食堂で大パニック”を放送していた頃は、「食べ物を飛ばしたり投げたり粗末にしてけしからん」とPTAからクレームがついたりしたのではあるまいか。

この毎東テレビは900に期待の新番組が。期待度合いがタイトルにあらわれています。

聞いて驚くな『ポニーテールでこんにちは』

もう一度言います『ポニーテールでこんにちは』

夜の900台、それも、大人も子供も心沸き立つ週末土曜(ドラマ中でも村井家カレンダーに花マルついてた、1012日は土曜日です)の夜に『~こんにちは』

初回のサブタイトル「ポニーテールの少女」。どこまでもポニーテール押し。「大原清治脚本 伊藤みきえ 鶴亀慎吾 松村優斗 坂上しのみ 岡田奈々子ほか」……各人、だいたい、どんなヴィジュアルでどんなキャラか見当がつきます。クレジットトップでヒロイン役らしい“伊藤みきえ”さんは、きっとポニーテールの似合う小顔の、キリッと目ヂカラある美少女でしょう。“松村優斗”さんは字並びからしてくっきり端整な二枚目、“鶴亀慎吾”くんはお目出度い感じなのでいい人キャラか。“坂上しのみ”さんは、男か女かちょっとわからない。ややなよっとした中性的な人物かしら。“岡田奈々子”さんは、クレ順からいってヒロインの恋敵役や親友役という感じでもないので、年上キャラ、若い継母か美人女教師か。

とにかく、アイドル誌グラビアの見出しっぽい軽めのタイトルからは想像もつかない、破天荒ドロッドロの世界が繰り広げられる予感。一時代を築く金字塔作になるかもしれません。『ポニーテールでこんにちは』、ご期待下さい(架空か)。

4チャンネル“ジャパンテレビ”も、『鬼太郎』真裏630には『夕方の部屋』「認知症について」と夕食どきにいきなり硬派。夜間徘徊とか身体拘束、おむつ交換等の映像は出たのだろうか。

しかし、そのひとつ前の枠では530から一時間『プロレス』に割き「長州他力 ライトハンド・タカ×ユン・ビョウ 黄飛鴻」と、スポーツ重視な局風を窺わせます。強いのか、長州他力。負けが込むと“長州自力”に改名するらしい(違うか)。ライトハンド・タカは通常、レフトハンド・トシとタッグチームを組んで、オフ時は居酒屋の上位人気メニューを食いつくしているらしい(違うな)。

ジャパンテレビ、700からは二時間枠で『第8回日本民謡№1決定戦決戦 輝く栄冠は誰の手に!?故郷に名誉と栄誉を!』。視聴者年齢層が全体に高めなチャンネルなのかもしれません。出場者に「金沢慶子 佐々木孝治」ゲストに「水前松武子」の名前が。着物が全体的に派手そう。

この毎事新聞夕刊画面、もうちょっと左にスライドしてくれると、チャンネル13も映ったのですけどね。昭和60年で、チャンネル1の土曜600台というと、さしずめ『大草原の家族たち』「マイク・ダントン エレン・グロスター」ぐらいのところか。

ドラマ劇中で画面に挿入される架空の新聞紙面って、「ココを見てくれればいいんだよ」という架空の事件報道、裁判報道、人物の顔写真だけは鮮明なんだけど、その周りの記事は適当で、同じ文章を何回も複写繰り返して紙面埋めてるだけだったりすることも多いのですが、今回は『ゲゲゲ』美術スタッフさんが頑張りましたね。映ったのはほんの一瞬だけど、地上デジタル放送で録って静止画にすると、ものすごく鮮明に読めて、上記↑↑↑ぐらいの情報はじわじわ読みとれる。

水木しげるさんと奥さんの夫婦物語のドラマ化というにとどまらず、どうにかして“それぞれの時代の気分、空気感”まで再現しようという熱気、風圧、集中力が感じられました。

造化の神は細部に宿る。昭和6010月と提示されて、あぁその頃なら、こんなことがあった、こんなことにはまっていた、こんな事件や出来事があって、こんな気分で学校へ、会社へ行っていたっけ…と呼び覚まされる記憶が、そのまま劇中のしげる(向井理さん)布美枝(松下奈緒さん)夫婦の境遇、心理への共感へと延長線引かれてつながって行く。

しげるさんが、漫画のアイディア探しも兼ねて食卓で新聞を読むシーンも多いのですが、きっと白紙ではなく何かしら架空紙面、作ってあるのだろうな。一度読んでみたいですね。

コメント
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