山形の過去、現在、未来

写真入りで山形の歴史、建物、風景を紹介し、併せて社会への提言も行う

◆旧木村邸の価値は「土地」だけか◆

2013-06-18 20:27:00 | Weblog
何年か前に学生を中心とした蔵プロジェクトの皆さんが見事なまでに掃除してくれた山形市役所近くの旧木村邸が遺族から寄贈されたのは平成21年。その後市が補修のうえ何らか活用されるのかと期待していたものの、先日新聞を開いてびっくり。
利活用のアイディアを広く市民から募る内容だが、「建物の撤去も可」の記載があるので、詳細を市のホームページを開いてさらに愕然とした。やはり母屋も土蔵も撤去を誘導する内容だ。
応募用紙にも「既存建物の取扱」の選択肢として、①母屋、土蔵とも撤去、②土蔵のみ活用とあり、③として「その他」とあるものの、母屋と土蔵双方の活用は考慮外というのが市の姿勢のようだ。また同応募用紙の下の枠外に「土地活用の参考に・・」と記されているものの、「建物の活用」の字句はない。これでは歴史的建造物の活用を夢見て真夏の猛暑の中何日もかけて凄い塵埃の中を献身的に清掃に励んだ若い学生さんたちの夢をぶち壊すだけでなく、寄贈主の遺族の方の厚意を無視するようにすら思える。
紅の蔵も一小旧校舎まなび館も御殿堰の親水空間も歴史的遺産活用の新名所として賑わっているように、旧木村邸についても建物が歴史的価値あるものとして活用が望まれるのに、山形市は歴史的建造物としての価値を評価することなく、土地のみに価値を認めているように思え、残念である。

※蔵プロジェクトの学生さんたちの旧木村邸の土蔵・母屋の清掃や活用イベントの様子は下記URLによりご覧くだされたし。
   http://kura-project.sakura.ne.jp/2009/06/
   http://kura-project.sakura.ne.jp/2009/07/
   http://kura-project.sakura.ne.jp/2009/08/
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