山形県の置賜盆地の東部に位置する高畠町は日本のアンデルセンとも称せられる童話作家浜田廣介の出生地であり、また亀岡文殊堂などの寺社や古代や先史時代の遺跡などでも有名で、みちのくの「まほろばの里」と自称しているが、それらの有名な箇所は中心街を含めほとんどがJR奥羽本線の東部に位置している。
だが、天下に勇名を轟かせた伊達政宗の少年時代の教育の場であり、政宗の父輝宗や伊達家中興の祖夫妻の墓所であったかつての巨刹資福寺の跡地は奥羽本線のはるか西側に位置している(夏刈地区)。
ここは歴史スポットとしてはかなり重要な所ではあるが、決して観光客で賑わうような所ではない。だから先月訪れた時もそれこそ静寂そのものであった。
ましてや、高畠駅から往復ともにたった一人で徒歩で訪れた者など近年では自分を除けば皆無ではないかとすら思える。ほとんどの場合はマイクロバスなどを利用した史跡巡りのご一行がたまに訪れる程度であろう。
◆写真 ①西洋メルヘン調の高畠駅西口を背にして夏刈地区に徒歩で向かう ②路傍には置賜風の複数の窓穴がある墓石が並ぶ ③この松の向こうが夏刈集落 ④東京の大資産家のような広大な屋敷が見えてきたが、これも夏刈集落内の住民宅 ⑤古風な民家が美しくリニューアルされていた ⑥貫録充分の古色蒼然たる民家 ⑦もはや立派な歴史的建造物 ⑧最上川河川敷のススキの群落の背後に浮かぶ資福寺跡の樹林 ⑨伊達政宗の父にして最上義姫の夫輝宗の墓 写真をクリックにより画面拡大