昨日アカデミー賞の発表があり、我らのヤマトナデシコ嬢は助演女優賞には輝かなかったが、茶髪に輝いていた。『硫黄島からの手紙』も作品賞は逸したものの、多くのアメリカ国民は映画の中の日本兵の戦いぶりに“黄禍論”を甦らせるどころか、日本兵も米兵と同じ感情を持った人間であるとの認識を新たにし、一方的に日本のみを悪と断じてきた従来の太平洋戦争観を改めさせるほどのインパクトを与えたようである。
さて、ゴア前米副大統領が地球温暖化を強く警告する『不都合な真実』はドキュメンタリー映画長編部門で受賞した。
だが、日本人はこの映画のオスカー受賞にも拘わらず、従来の生活態度を改めるであろうか。京都議定書の調印から既に十年になるが、街を歩いてもクルマの数は少しも減る兆しが無く、増えるばかりである。これに対応するかのように、山形市の中心商店街でもここわずか一、二年の間に街並みを大きく崩した駐車場があちこちに造られ、出入り口には“黄色”が氾濫するようになった。
これでは美女の顔のあちこちにアバタをつくり、黄色いペンキを塗りつけたようなもので、街並み景観はますます情緒も風格も品性も芸術性も何もあったものではなくなっている。まさに中心街は“黄信号”状況である。
これがタイトルにある“黄禍論”である。
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