山形の過去、現在、未来

写真入りで山形の歴史、建物、風景を紹介し、併せて社会への提言も行う

地球温暖化推進施設(2) 山形国際交流プラザ

2006-06-13 07:02:03 | 建物
 鉛色の空に翼を大きく広げたような建物。これはかつて一面の豊葦原瑞穂の里に残された鎮守の森方面から眺めた文字通りの「ビッグウィング」と呼ばれている施設の背面の姿である。正式名称は「山形国際交流プラザ」であり、(財)山形コンベンションビューローが運営している。
 施設概要によれば、「日本、東北地方の国際化の役割の一翼を担う・・・開かれた場」とある。建物部分だけで展示棟を含む全室が集会で利用された場合は約5千人を収容でき、屋外にもイベント広場や庭園などがあり、更に多くの人数が集うことができる。
 それがどうして地球温暖化推進施設なのかといえば、典型的な郊外型施設であり、マイカー利用を前提として建設されているからである。駐車場は建物部分の約2倍の広さであるが、乗用車は1000台しか駐車できないので、3千人の集会に一人1台で来場すれば、当然車は敷地外にあふれ、周辺の道路はひどい渋滞となろう。
 バスの便もあるが、本数は少なく、最寄のバス停での乗降者は稀で、自転車の駐輪場も建物の裏口側にあるが見つけにくいうえに、数台しか置けない狭いスペースにすら車がふさいでいることもある。
 「国際交流プラザ」の名称ではあるが、国際的集会が開かれることはごく稀である。中古車市などの利用が目立つ。しかし、確かにこの施設は文字通り国際的、否、それ以上にグローバル(地球規模)な役割を果たしている。
 マイカー利用を前提として郊外の広大な農地を潰して建設されただけに、温室効果ガスである二酸化炭素の大量排出に「寄与」していることは確実だからである。
 現在「まちづくり三法」の改正案が国会で審議可決され、発効すれば大型店舗や大型集会施設も病院も郊外に建設できなくなる。つまり、行政主導で建設されたビッグウィングも禁止されるべき施設だったということになるのである。
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