里恵の国語の授業、もちろん期末真っ只中の喧騒の中1と中2はオミット。
中3だけで粛々と去年の公立入試の国語を解く。
採点は里恵。
里恵には緊張感を煽る意味でも厳しく採点するよう言ってあった。
去年の国語の問題を解いた里恵の感想。
「ここ数年では最も難しい・・・じゃなくて、答を書きにくい設問になっている。これなら採点を厳しくするつもりはなくても点数は全体的に落ちるわ」
里恵の予想通りに厳しい点数が並ぶ。
そして数学・・・ここで劣勢を挽回するイメージトレーニングになると期待する俺。
ところが結果を見て唖然とする。
良過ぎる・・・郁を除く中3の平均が40点以上。
思わず試験問題を眺める・・・簡単すぎる。
変に自信をつけさせてもなあ。
ともあれ、このような流れで明日の社会・英語・理科を迎える。
アキラの体調がすこぶる悪い。
鹿児島への疲れがでたようだ。
今までなら、中3が勉強しているうちは決してベッドに潜り込まなかったアキラが今はスラム街で沈没している。
勉強している中3は4人、今日も日付を越えることになる。
「俺、何時に送るの」と俺。
「2時から3時までの間でお願いします」
「アンタらねえ、俺に酒を飲ませへん気か」
笑い声が漏れる。